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会計・税務支援ビジネス
米国では日本の所得税申告とは異なり、年末調整は行われずに給与所得の源泉徴収票が作成されるため、給与所得者のほとんどが確定申告を行っている。この点は増加傾向にあるとはいえ申告人員が限定的な日本の状況とは大きく異なる。また、飲食店で得られたチップなども確定申告の対象となるうえ、金額によっては累進課税が適用される。加えて、米国の法人税は連邦税と州税に別れており、場合によっては二重課税となってしまうリスクがあるほか、連邦税が一律同率である一方、州税は州によって課税方式や税率などが異なる。このように法人、個人ともに複雑で分かりづらい仕組みとなっているため、会計ソフトを導入する企業が増えており、個人でもソフトを導入したり、会計士に委託を行っている人は少なくない。こうした税制の仕組みも後押しとなり、会計・税務ソフト会社の製品・サービスに対する需要が成長傾向にある。
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介護関連
先進国では高齢化が進んでいるが、米国も例外ではなく2015年時点で15%近辺だった全人口に対する65歳以上の割合は30年には20%に乗せるとも予想されている。ベビーブーム世代の高齢化が進展していることも、老齢人口の比率を押し上げる要因となっている。こうしたなか、約1兆ドルと推定される米国の長期介護の市場規模は20年から27年にかけ、年率7%のペースで拡大するとも予想されており、介護をはじめとする高齢化ビジネスは成長産業となっている。日本の老人ホームと老人病院を合わせたような医療施設であるナーシングホームや介護機器などのビジネスは今後の成長が予想されている。関連銘柄には、在宅看護関連のアメディシス(AMED)や老人用居住施設サービスのブルックデール・シニア・リビング(BKD)、電動車椅子のインバケア(IVC)、長期ケアベッドのヒルロム・ホールディンクス(HRC)などがある。
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化学
米国の化学産業は、「シェール革命」により大きな転換点を迎えている。化学産業は原料のナフサやエチレンの価格などに左右される市況産業の側面を持ち、米国企業も中東やアジアの競合企業に押され気味だった。しかし、シェールガスの生産により安価な天然ガスを獲得した米化学業界は、天然ガス由来の主原料であるエタンやエチレンの製造コストを下げることでコスト競争力を回復、プラント建設による増産を進めている。今後、米国の化学企業が世界に向け攻勢をかける展開が予想されている。主な関連銘柄は、特殊化学のデュポンや素材科学(マテリアルズサイエンス)のダウ、スリーエム、イーストマン ケミカルやコノコフィリップスなど。
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菓子
本食とは別に味覚を楽しむ娯楽として食べる軽い食材。甘味や塩味など味覚を強調、あるいは食感や嗅覚など食味感覚の嗜好品として調理された食品を指す。穀類、豆類、芋類、木の実、果物の粉を練って焼いたり、蒸したりしたビスケット、糖質や乳製品、鶏卵などによるキャンディやチョコレート類、アイスクリームなどの冷凍菓子などがある。
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カジノ関連
米国は、世界最大規模のカジノシティであるネバダ州の「ラスベガス」を擁し巨大な市場規模を誇る。カジノ関連企業には、カジノ運営に加え、ホテル事業、飲食事業、エンターテインメント事業、会議場などのノンゲーミング事業を手掛けるところも少なくなく、裾野の広い市場を形成している。ラスベガス・サンズやMGMリゾート インターナショナルといった米国の大手カジノ企業はシンガポールやマカオなどのアジア市場に進出しており、カジノ解禁が予定されている日本への市場参入も狙っている。
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カジュアル衣料
形式にこだわらず、自由で堅苦しくなく、価格帯も比較的に安価に設定されている衣料を指す。 米国には世界的なブランドがひしめき、ポップカルチャーとともにその製品はさまざまな国に浸透している。また、同国のブランドは流行の発信源として注目されるだけではなく、GAPが生み出したビジネスモデルであるSPA(製造小売業)がアバクロンビー・アンド・フィッチや日本のファーストリテイリングなどの後続に大きな影響を与えたように、同国の業界動向からは目が離せない。
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仮想化
仮想化はサーバーなどのハードウェアに束縛されていたリソース(HDD、メモリなど)を仮想環境で統合・分割することにより有効に活用する技術。 サーバーの仮想化を例に取ると、1台の物理サーバー上に構築した仮想環境で複数の異なるOSやアプリケーションを同時に実行することも可能となる。サーバーの集約により、従来生じていたリソース不足や無駄を減らし、運用管理の負荷やコストの軽減を図ることができる。 ITシステムの膨張に伴い、限られた物理リソースを効率的に利用することが求められており、「仮想化」技術の重要性が高まっている。
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仮想通貨
仮想通貨(暗号資産)は、インターネット上でやりとりできるデジタル通貨のこと。国家が価値を保証する法定通貨に対し、中央銀行のような公的な発行体や管理者なしで存在し得るため、多くの種類の暗号資産が存在する。決済機能を有し、日本円や米ドルなどの法定通貨と専門の取引所で相互に交換することも可能。ブロックチェーン技術を基盤とし、電子的に記録され移転できるといった特徴を持つ。暗号資産の信用が、国家などの裏付けを持たないにもかかわらず維持されているのは、暗号理論に裏付けされた取引の安全性確保、偽造防止の仕組みなどによる。ビットコインなどの暗号資産は2017年から18年にかけ価格が急伸し一大ブームを巻き起こしたが、その後も急騰と急落を繰り返すなど値の荒い展開が続いている。2024年3月にはビットコインを運用対象とする現物上場投資信託(ETF)の米国での取引開始や米利下げ観測の高まりなどを背景に、ビットコインは7万ドルの大台を突破し史上最高値を付けており、暗号資産に対する投資家の関心が再び高まっている。
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カテーテル
「カテーテル」は医療に用いられる柔らかい管のこと。血管に挿入する血管カテーテルや尿道に挿入する尿道カテーテルなど用途ごとにさまざまなカテーテルがある。
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家電
米国の家電市場は順調に成長している。旺盛な個人消費が家電の販売拡大につながっているほか、デジタル家電などへの需要が拡大している。また、着実な経済成長に加え、人口が増加基調にあることから、米国の住宅市場は成長を続けているが、この住宅業界の動きも家電の需要増をもたらしている。特に、新型コロナウイルス感染拡大に伴う在宅勤務の普及といった生活様式の変化も、家電販売の増加を後押しした。在宅時間が増えるとともに、より広い家に住み替える動きも活発化し、家電の買い替えを促す要因となっている。また、地球規模で異常気象が頻発するなか猛暑対策としてエアコンに対する需要も伸びている。
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カナダ関連
カナダは、豊富な天然資源を持つほか、工業も活発で所得水準も高く先進国7カ国(G7)の1カ国に名を連ねている。米国の隣国であり、歴史的にイギリスの植民地でもあった両国は政治・経済的に密接な関係にあり、米国にとってカナダは主要輸出先の一つでもある。2020年7月には北米自由貿易協定(NAFTA)に替わる新協定である米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が発効している。米国市場には、資源関連である金鉱山会社やウラン生産会社、金融、通信など多数のカナダ関連銘柄が上場している。
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株式市場
株式の発行と流通が行われる市場の総称。株式会社が資金調達の目的で新規に発行した証券が、発行者から直接もしくは証券会社などを通じて投資家が一次取得する市場を「発行市場」、これに対して既に発行された証券が売買される市場を「流通市場」という。 資本主義の大国である米国の経済活動を支えるのが株式市場であり、世界最大の時価総額を誇るニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダックなどの取引所を擁する。ニューヨーク証券取引所にはコカコーラ、ボーイングなど同国を代表する優良企業が上場する一方、世界最大級の新興市場であるナスダックにはアルファベット、アマゾンなどIT企業を中心に成長性の高い企業が上場している。 また、経済のグローバル化に伴い、世界の証券取引所間の競争は激しさを増しており、取引所の再編が相次いでいる。2007年にニューヨーク証券取引所と欧州のユーロネクストが合併しNYSEユーロネクストが誕生。そのNYSEユーロネクストは2013年にインターコンチネンタル・エクスチェンジに買収されている。このほか、2007年にロンドン証券取引所とミラノ証券取引所が経営統合。同年、スウェーデンの証券取引所運営会社であるOMXとナスダックが経営統合している。
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紙・パルプ
世界の紙・板紙生産において米国は首位の中国に次ぐ、世界2位の生産国である。米国は長く世界最大の生産国であったが、2008年に中国に逆転され、その後、両国の差は拡大している。紙の市場はデジタル化の進展により先進国を中心に洋紙(新聞用紙や印刷用紙など)が伸び悩む一方、板紙(段ボール原紙、紙器用板紙など)の需要は拡大傾向にある。板紙はEC市場の拡大や新興国の成長により物流向けの需要が拡大している。製紙産業においては、紙の単価が低いために、輸送やエネルギーに費やすコストの抑制が重要であり、「地産地消」型の産業といえる。近年では経済成長に伴いアジアなどの新興国が生産拠点として存在感を高めているのはこのためである。また、装置産業である製紙は商品力による差別化が困難な傾向があり、単価の安さも相まって今後も規模拡大を目指すM&Aによる業界再編の流れは続きそうだ。なお、国としての生産量では中国に抜かれた米国だが、世界最大の製紙会社として君臨するインターナショナル・ペーパーは生産量で2位以下を大きく突き放している。同社は米国や欧州のほか、中国、インド、ブラジルなど世界20カ国以上に拠点を有している。
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カメラ
写真や映像を撮影するための機器。個人が写真や映像を記録するためのコンシューマー用からテレビや映画撮影用のプロ向け、監視用途やドライビングレコーダー、テレビ会議など撮影装置としてのカメラの用途は幅広い。長くフイルムに記録するフイルムカメラの時代が続いたが、デジタルデータとして記録するデジタルカメラの時代へと変遷が一気に進み、加えてネット接続とデジタルカメラに匹敵する撮影能力を備えたスマートフォンの登場により業界環境は劇的に変わった。
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監視カメラ
防犯などに目的に設置される監視カメラの市場の規模は拡大基調にある。調査会社の調べによると18年時点の世界市場規模は約5700万台と前年に比べ30%増えたという。監視カメラは、近年は人工知能(AI)と連動させた顔認識やビッグデータ分析を導入するなどハイテク化が進んでいる。特に、米国政府は一部中国企業が製造する監視カメラの政府調達を禁じるなど、米中摩擦問題にも絡み関心が高まっている。米国の関連銘柄にはアラーム・ドットコム・ホールディングス(NASDAQ:ALRM)、アーロ・テクノロジーズ(NYSE:ARLO)、イメージ・センシング・システムズ(NASDAQ:ISNS)などがある。