テーマ
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クレジットカード
クレジットカードは消費者の信用に基づいて発行されるカード。商品やサービスを購入する際の決済手段のひとつで、支払方法には一括払いや分割払いのほか、限度額内であれば利用額や購入商品数にかかわらず、あらかじめ定めた一定の額または率を毎月支払うリボルビング払いなどがある。 米国はクレジットカード発祥の地だけあって、ビザ、マスターカード、アメリカン エキスプレスといった著名な国際ペイメントブランドを擁する。クレジットカードは同国の社会に深く浸透し、利用可能な店舗数も、少額決済を含めて使われる場面も日本を凌駕する。一方で、米国の過剰消費体質の一因となっているとの指摘もある。
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グリーントランスフォーメーション
グリーントランスフォーメーション(GX:Green Transformation)とは、温室効果ガスを発生する化石エネルギー中心の産業・社会構造を、太陽光発電などのクリーンエネルギー中心に転換する取り組みを指す。GXは温室効果ガスの排出量削減とともに持続可能な経済成長の両立を目指して社会全体の変革を促すものであり、その成否は企業・国家の競争力にもつながるとの認識が高まっている。また、ロシアによるウクライナ侵攻など地政学的リスクが顕在化する中、エネルギーの安定供給確保の側面からも重要性が増しており、米国、欧州、日本など世界主要国・地域でGXに向けた取り組みが活発化している。関連銘柄としては脱炭素技術、再生可能エネルギー関連、脱プラスチック、スマートシティ、再資源化(リサイクル)関連など裾野は広い。
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グロースETF
成長性の高い企業により構成される指数と連動するETF。
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グローバルETF
主に米国を含む世界各国の株式の動きと連動するETF。特定セクターやテーマ性などで選別されたものなど、さまざまなタイプのETFが存在する。ここでは米国を除く世界の株式を対象とするものもグローバルETFとする。
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グローバルサウス
「グローバルサウス」とは経済的に発展途上にある新興・途上国を指す言葉。明確な定義はないものの、インドやトルコ、南アフリカ、ブラジル、メキシコ、ベネズエラ、エジプト、インドネシア、アルゼンチンなどの国々を指すことが多い。2023年1月にインドが主催しオンライン方式で開催された「グローバルサウスの声サミット」には120を超える国々が参加した。発展途上国の多くが南半球に位置することからサウス(南)という言葉が使われているが、北半球の国々も多く含まれている。グローバルサウスが注目されている背景には、米国と中国の対立で世界が「民主主義」と「権威(専制)主義」に分かれつつあるなか、第3の陣営としてその存在感が高まっていることがある。民主主義陣営は米国や欧州、日本など西側先進国が中心だが、権威(専制)主義国は中国・ロシアが中心、グローバルサウスはそれ以外の国々といったイメージだ。ただ、実際はグローバルサウスには価値観や政治体制は権威(専制)主義的な国々が多く、「中国・ロシア陣営に追いやらない」という点での重要性も増している。また、グローバルサウスの国々の経済成長力が高いことも注目を浴びる要因の一つだ。なかでも、2023年に中国を超え世界一の人口を抱えるとみられるインドは、グローバルサウスの盟主を自認しており、同国の動向は高い関心を集めている。
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軍需産業
米国は世界最大の軍事費を支出する軍事大国であり、その規模は世界の軍事費総額のおよそ4割を占めている。海洋進出を進める中国との覇権争いが激化する中、超大国である米中両国の軍事費はともに膨張傾向にある。湾岸戦争で精密誘導兵器を中心とする先端兵器の威力を誇示した米国だが、軍備の近代化に注力する中国の動きもあり、無人機やロボット兵器、AI(人工知能)の活用など、兵器開発のハイテク化は新たなステージを迎えている。こうした状況下で、2022年2月のロシアによるウクライナ軍事侵攻、そして2023年10月のイスラム組織「ハマス」によるイスラエル攻撃、これに対抗したイスラエルのガザ侵攻など、地政学リスクが高まる中で、世界的に防衛力強化の動きが広がっている。米国は世界最大の兵器輸出国であり、軍需産業売上高の上位企業の多くを米国企業が占めている。なお、2025年1月に発足したトランプ第2次政権は、日本や台湾、NATO(北大西洋条約機構)などに対し、防衛費の拡大を求める姿勢を一段と強めている。これを受けて、NATOは同年6月、加盟国の国防費および関連投資を2035年までに国内総生産(GDP)比5%に引き上げる目標で合意した。また、同年10月には高市早苗首相が所信表明演説で、防衛費をGDP比2%水準に引き上げる目標を2025年度中に2年前倒しする方針を明らかにしている。西側諸国の防衛力強化の動きは、米国の軍需関連企業にも恩恵をもたらす可能性が高く、今後の展開が注目される。
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景気敏感
景気循環株、シクリカル株とも呼ばれ、景気の動向により業績が大きく影響を受ける企業を指す。 鉄鋼や非鉄、化学、紙パルプ、鉱業などの素材産業、工作機械などの設備投資関連、海運・空運といった運輸まで属する業種の裾野は広い。景気敏感に位置づけられる企業の株価は、景気循環に先行して変動する傾向があり、市場平均を上回る形で景気拡大期には上昇、景気後退期には下落を演じるとされている。
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警備
警備とは、事故や盗難など不測の事態に備えて警戒し、これら害をなすものから人々や住居、施設、組織などを守ることを指す。セキュリティ、保安などと同義に用いられ、関連株としては機械警備に関わるセンサーや生体認証、入退室管理システム、火災報知器、監視カメラ、人員による警備などを手掛ける企業が該当する。
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化粧品
人の見た目を美しく、あるいは若く装うことで魅力を高める化粧品の種類は豊富で、参入企業も多い。皮膚や髪に直接接するだけに高い安全性が要求されるほか、顧客を満足させる効能を含めて総合的に求められる技術水準は高い。化粧品は、比較的に景気の良い時期に売り上げが伸びる傾向がある。ただ、先進国市場の成熟化、オーガニック化粧品をはじめ消費者ニーズの多様化、ネット通販の拡大による流通経路の変化など、化粧品メーカーを取り巻く環境は変化の速度を早めつつあり、競争力の強化やシェア拡大を目指してM&Aが活発化している。特に、2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大期には、外出が控えられマスク着用が求められたこともあり、化粧品需要は低迷した。しかし、コロナ禍が一巡するとともに化粧品需要の回復期待が膨らんでいる。
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健康・機能性食品
健康・機能性食品は健康の増進に役立つものや、体調を整える機能を持つ食品を広く指す。一般食品のほか、ビタミン・ミネラルなどを補う栄養補助食品(サプリメント)、医療食などに分類される。健康志向の高まりを背景に、世界的に健康・機能性食品の需要は増加傾向にある。特に国民の4割が肥満とされ、肥満率の上昇が社会的な問題となっている米国では、その対策もあって健康・機能食品に対するニーズは高い。また、疾病リスクの軽減や健康状態の改善に資する健康・機能性食品の普及は、長期的な視点に立てば医療費の削減にも寄与するものとして期待が寄せられている。健康食品市場はアジアを中心に成長が目覚ましく、世界のビタミン・栄養補助食品市場の規模は2023年の1675億ドルから2028年には2394億ドルへの拡大が予想されている。
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建設
米国の建設市場は、中国に次ぐ世界第2位の規模を誇る。世界でも広大な国土を持つこの2大国の建設市場は群を抜き、世界3位の日本の3倍近い市場規模をともに有している。米国の建設市場は住宅や工場建設などの民間投資が牽引役だが、もう一方の柱である公共投資においてもインフラの老朽化に伴う更新・補修需要が今後拡大していくとみられ、建設需要の底上げが期待される。特に、足もとの米国では住宅の供給不足を背景に、過去数十年で最悪とされる住宅難の状況にあり、その解消は喫緊の課題となっている。また、製造業の国内回帰を推進するトランプ大統領の戦略も建設市場の活性化につながることが期待される。その一方で、移民労働力に依存する建設業界はトランプ政権の移民制限政策による労働力不足、関税強化に伴う資材費上昇などがコストアップ要因として懸念されている。トランプ政策が建設市場にもたらすプラス、マイナス双方の影響に注目したい。
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建設機械
建設機械株は世界景気をいち早く捉えるバロメーター的な役割を果たすことから市場関係者はその株価動向に高い関心を寄せている。特に、建機関連各社の業績は中国など新興国の需要動向に左右される面が大きく、米中貿易摩擦の激化とともに株価は政治要素で動くことも多い。米国市場には世界最大の建機メーカー、キャタピラーが上場している。また、農機最大手のディア―は建機でも高い実績を持つ。ユナイテッド レンタルズは建設機械のレンタルなどを、パーカー ハニフィンは建機向け油圧機器を手掛けるほか、カミンズは建機用エンジンを製造している。
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建設資材
建設資材とは、住宅やインフラ工事などの建設工事において使用されるセメントや木材、鉄鋼などの材料のこと。建設資材の需要は住宅投資のほか、道路や港湾、空港、通信設備などインフラ投資の動向の影響を受ける。インフラ投資には財政赤字の拡大につながることへの懸念があるものの、全米土木学会によれば米国のインフラ投資は13年から20年までの期間で1.6兆ドル不足しているとされており、インフラ整備は喫緊の課題となっている。このため、今後も住宅やインフラ投資に絡む建設資材には強い需要が続くことが予想されている。
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原子力発電
世界の原子力発電所の発電可能な原子炉はおよそ436基とされる。米国の原子力産業は1979年のスリーマイル島事故を契機に新設需要が一気に冷え込んだが、米国における稼働基数は90基超に及び、世界一の原発大国であることは変わらない。大気汚染対策・EV(電気自動車)向け電力の確保を目的に、原発の増設を積極的に推し進める中国(57基:2024年末)が2030年までに米国を逆転するとの見方もあるが、米国でも原発の最先端機種開発の動きが出ている。また、既存炉の出力向上や運転期間の延長も進められており、稼動に伴うメンテナンス需要がこの先も続くほか、先行きの廃炉ビジネスなどへの展開も期待されている。2024年9月には、米電力最大手のコンステレーション・エナジーがスリーマイル島の運転を停止していた1号機を再稼働させ、マイクロソフトがAI(人工知能)で使用するデータセンターに20年間にわたって電力を供給すると発表した。一方、グーグル(アルファベット)が次世代炉SMR(小型モジュール原子炉)からの電力調達を計画しているほか、アマゾン・ドット・コムもデータセンター向けの電力を確保するため小型原子力発電に5億ドル超を投資すると発表。AIの急速な普及に伴ってデータセンターの電力需要が急増しており、ビッグテック各社は相次いで原発の活用に積極的な姿勢を示している。温室効果ガス排出量の実質ゼロに向けて、また地政学リスクをヘッジする手段としても、今後、原子力発電を見直す動きが加速していく可能性がある。
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厳冬対策
地球温暖化に伴う気象変動が、世界各地でさまざまな影響を及ぼしている。夏の猛暑・干ばつ、冬の寒波は、農・畜産作物の生育にダメージを与え、物流など経済活動の混乱を引き起こすばかりでなく、時に人命すら脅かす。北半球の冬の季節では強烈な寒波の到来に対する警戒感が高まっている。2021年2月に北米を襲った100年ぶりと言われる寒波では、米国本土面積の7割が雪に覆われ、各地で最低気温の更新が相次いだ。風力発電の凍結などもあって電力需給が逼迫、テキサス州では数日にわたり400万世帯以上が停電に追い込まれ、多数の死者を生む事態となった。近年、特に冬の寒波をもたらす要因として注目されているのが、ラニーニャ現象である。ラニーニャ現象は、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沖にかけての海域で、海面水温が平年より低い状況が続く現象で、発生すると北半球の冬季の気温は平年より低下するとされている。日本気象協会によると、2024年12月時点ではラニーニャ現象の定義は満たしていないものの、海面水温や気圧の分布はラニーニャ現象に近い傾向になっているという。厳冬対策関連としては、暖房機器や空調機器、防寒衣料のほか除雪、氷雪路対策などが挙げられる。