テーマ
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家電
米国の家電市場は順調に成長している。旺盛な個人消費が家電の販売拡大につながっているほか、デジタル家電などへの需要が拡大している。また、着実な経済成長に加え、人口が増加基調にあることから、米国の住宅市場は成長を続けているが、この住宅業界の動きも家電の需要増をもたらしている。特に、新型コロナウイルス感染拡大に伴う在宅勤務の普及といった生活様式の変化も、家電販売の増加を後押しした。在宅時間が増えるとともに、より広い家に住み替える動きも活発化し、家電の買い替えを促す要因となっている。また、地球規模で異常気象が頻発するなか猛暑対策としてエアコンに対する需要も伸びている。
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カナダ関連
カナダは石油・天然ガス、ウラン、金、銅、亜鉛、ニッケルなどの豊富な天然資源を有しており、株式市場においても資源セクター(鉱山・金属・素材)のウェートが高い。このため金や銅といった資源価格の上昇は、株式市場の追い風になりやすい。一方で、近年は非資源・テクノロジー分野の企業への関心も高まりつつある。同国の所得水準は高く、主要7カ国(G7)の一員として国際社会で確固たる地位を占めている。米国の隣国であり、歴史的に英国の植民地でもあったことから、両国は文化・経済面で極めて密接な関係にある。カナダの輸出の7割超は米国向けである一方、米国にとってカナダは主要輸出先であり、米国への最大のエネルギー(原油・天然ガス・電力)供給国でもある。また、米国市場にはカナダの金鉱山企業やウラン関連企業、金融、通信など多数のカナダ企業が上場しており、投資対象としての裾野も広い。
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株式市場
株式の発行と流通が行われる市場の総称。株式会社が資金調達の目的で新規に発行した証券が、発行者から直接もしくは証券会社などを通じて投資家が一次取得する市場を「発行市場」、これに対して既に発行された証券が売買される市場を「流通市場」という。 資本主義の大国である米国の経済活動を支えるのが株式市場であり、世界最大の時価総額を誇るニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダックなどの取引所を擁する。ニューヨーク証券取引所にはコカコーラ、ウォルマートなど同国を代表する優良企業が上場する一方、世界最大級の新興市場であるナスダックにはアルファベット、アマゾンなどIT企業を中心に成長性の高い企業が上場している。 また、経済のグローバル化に伴い、世界の証券取引所間の競争は激しさを増しており、取引所の再編が相次いでいる。2007年にニューヨーク証券取引所と欧州のユーロネクストが合併しNYSEユーロネクストが誕生。そのNYSEユーロネクストは2013年にインターコンチネンタル・エクスチェンジに買収されている。このほか、2007年にロンドン証券取引所とミラノ証券取引所が経営統合。同年、スウェーデンの証券取引所運営会社であるOMXとナスダックが経営統合している。
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紙・パルプ
世界の紙・板紙生産において米国は首位の中国に次ぐ、世界2位の生産国である。米国は長く世界最大の生産国であったが、2008年に中国に逆転され、その後、両国の差は拡大している。紙の市場はデジタル化の進展により先進国を中心に洋紙(新聞用紙や印刷用紙など)が伸び悩む一方、板紙(段ボール原紙、紙器用板紙など)の需要は拡大傾向にある。板紙はEC市場の拡大や新興国の成長により物流向けの需要が拡大している。製紙産業においては、紙の単価が低いために、輸送やエネルギーに費やすコストの抑制が重要であり、「地産地消」型の産業といえる。近年では経済成長に伴いアジアなどの新興国が生産拠点として存在感を高めているのはこのためである。また、装置産業である製紙は商品力による差別化が困難な傾向があり、単価の安さも相まって今後も規模拡大を目指すM&Aによる業界再編の流れは続きそうだ。なお、国としての生産量では中国に抜かれた米国だが、世界最大の製紙会社として君臨するインターナショナル・ペーパーは生産量で2位以下を大きく突き放している。同社は米国や欧州のほか、中国、インド、ブラジルなど世界20カ国以上に拠点を有している。
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カメラ
写真や映像を撮影するための機器。個人が写真や映像を記録するためのコンシューマー用からテレビや映画撮影用のプロ向け、監視用途やドライビングレコーダー、テレビ会議など撮影装置としてのカメラの用途は幅広い。長くフイルムに記録するフイルムカメラの時代が続いたが、デジタルデータとして記録するデジタルカメラの時代へと変遷が一気に進み、加えてネット接続とデジタルカメラに匹敵する撮影能力を備えたスマートフォンの登場により業界環境は劇的に変わった。
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監視カメラ
防犯などに目的に設置される監視カメラの市場の規模は拡大基調にある。調査会社の調べによると18年時点の世界市場規模は約5700万台と前年に比べ30%増えたという。監視カメラは、近年は人工知能(AI)と連動させた顔認識やビッグデータ分析を導入するなどハイテク化が進んでいる。特に、米国政府は一部中国企業が製造する監視カメラの政府調達を禁じるなど、米中摩擦問題にも絡み関心が高まっている。米国の関連銘柄にはアラーム・ドットコム・ホールディングス(NASDAQ:ALRM)、アーロ・テクノロジーズ(NYSE:ARLO)、イメージ・センシング・システムズ(NASDAQ:ISNS)などがある。
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外食
米国は外食業界に従事している人口が多く、経済に及ぼす影響が大きいといわれる。外食産業は、ファストフード、カフェ、パブ、レストランなど幅広く、各業態によって経営環境は大きく異なる。米国を代表する外食企業としてはハンバーガーやコーヒーチェーン、宅配ピザチェーンなどがあり、世界的な店舗網を築き高収益を上げている企業が少なくない。また、人種の坩堝とも称される米国には中華やイタリアン、メキシカン、和食など世界各地に源流を持つ多様な料理店が存在する。米国の外食・レストラン産業も新型コロナウイルス感染拡大で多大な影響を被った。ただ、新型コロナワクチンが普及し、新規感染者数がピークから低下するなか、外食・レストラン需要の回復期待が高まっている。
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害虫防除
木材をエサとして食い荒らすシロアリ、農業害虫であるカメムシ、刺されるとかゆみなどを発症する南京虫、病原菌を媒介する蚊やゴキブリといった害虫の存在は、個人のみならずホテルや外食産業といった企業にもネガティブな影響を与える“厄介者”である。これら害虫の防除を手掛ける企業としては、米国では害虫駆除を専門とするローリンズ、シロアリ駆除に強いサービスマスター、衛生関連サービスの世界的な企業であるエコラブなどがある。
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眼科
高齢化の進展やパソコン、スマートフォンの画面の見過ぎなどで、眼の病気を患う人が世界的に増えている。米国では、主に加齢による白内障患者は約2500万人に達するともいわれる。また、コンピューター画面を長時間見つめることで罹患しやすいドライアイの患者は約3400万人に上るとみられている。今後も眼の病気を患う人は増えると予想されており、治療薬を含む眼科医療関連市場も成長が見込まれる。眼科医療の関連銘柄としては、コンタクトレンズや点眼薬のほか眼科手術器具などを手掛けるアルコン(ALC)、緑内障治療用の医療器具の開発などを行うグラウコス(GKOS)、加齢黄斑変性症向け薬などの製造・販売を展開するリジェネロン・ファーマシューティカルズ(REGN)などが挙げられる。
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玩具
遊びに使用される道具の 総称。広義では、遊びに関する道具すべてを意味するが、株式市場では、スマートフォン向けなどのインターネットゲームと「玩具」を区別する場合もある。
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がん検査
米国では、年間で約180万人ががんと診断され、約60万人が死亡しており、がんは心臓病に次いで2番目に多い死因だ。世界的にみて、がんにかかる人の数は増加傾向にあり、がん患者数の減少が大きな課題となっている。ただ、米国でのがん死亡率は低下傾向にある。この要因には、たばこ喫煙者数の減少や効果の高い治療法の登場がある。加えて見逃せないのが、がん検診による早期発見だ。質の高いがん検査などを背景に米国では過去20年以上にわたりがん死亡率が低下している。がん検査の関連銘柄には、アボット・ラボラトリーズ(ABT)やサーモ・フィッシャー・サイエンティフィク(TMO)、ガーダント・ヘルス(GH)などがある。
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がん免疫療法
がん免疫療法とは、自己の免疫細胞を使ってがんを治療する療法のこと。手術、放射線、抗がん剤に次ぐ「第4のがん治療法」とも呼ばれている。体内の免疫細胞を使い、既存の抗がん剤が効かなくなった患者に対しても顕著な治療効果が確認される新薬も登場するなど高い関心を集めている。がん免疫療法は1960年代後半に始まったとされ複数の種類があるが、近年ではがん細胞が免疫細胞にかけているブレーキを外し、がんに対する攻撃力を高める「免疫チェックポイント阻害剤」に有望新薬が登場し注目されているほか、患者の免疫細胞を体外に取り出し、遺伝子技術でがんへの攻撃力を高めて体内に戻す「CAR-T(カーティー)療法」なども脚光を浴びている。また、「メッセンジャーRNA(mRNA)」の投与による免疫反応の強化や、がんに光をあてて破壊する「光免疫療法」なども有力視されている。がん免疫療法の世界市場規模は、2030年には22年に比べ2.6倍超の3670億ドル(約47兆円)に急拡大するとの予想も出ている。
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GAFA
米国の大手IT企業を指す言葉で「ガーファ」と呼ばれる。アルファベット(※グーグルを運営)、アップル、メタ・プラットフォームズ(※フェイスブック、インスタグラムを運営)、アマゾンの4社の頭文字を取った総称。各分野で圧倒的な競争力を持ち、そのWebサービスや商品を使い第三者による広告やコンテンツ販売などが活発に行われていることから「プラットフォーマー」とも称される。米株式市場の時価総額上位を占め、上昇相場の牽引役を果たしてきた。 メタ・プラットフォームズ、アップル、アマゾン、ネットフリックス、アルファベットの5社を「FAANG(ファング)」、あるいはマイクロソフト、アップル、エヌビディア、テスラを「MANT(マント)」と呼ぶこともある。
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GAFAM
「GAFAM(ガーファム)」とは「アルファベット(※グーグルを運営)」、「アップル」、「メタ・プラットフォームズ(※フェイスブック、インスタグラムを運営)」、「アマゾン」それに「マイクロソフト」の5社の頭文字をとったもの。世界のIT市場を牛耳る5社の巨大企業を指し、ビッグ5ともいわれる。ウィナー・テイク・オールと呼ばれる勝者総取りの性格も持つIT市場では、勝ち組企業はますます巨大化しており、一部からは企業分割を主張する声もある。また、米国の大手IT企業の呼び方ではマイクロソフトを除いた4社を「GAFA(ガーファ)」と称したり、ネットフリックスを加えてマイクロソフトを除いた5社を「FAANG(ファング)」と呼ぶこともある。
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希少疾患治療・オーファンドラッグ
オーファンドラッグとは、「希少疾病用医薬品」のこと。患者数が少なく、治療法が確立していない病気向けの薬品を意味する。米国では対象患者数が20万人以下の病気が対象となる。オーファンドラッグには、高い薬価がつくことが少なくないため、同市場には近年バイオベンチャーや大手製薬メーカーの参入が目立っている。オーファンドラッグの薬価が高くなるのは、一人の患者の病気を治せず長期的に介護した場合のコストを考慮すれば、その病気が直せるのなら高額な薬でも割に合うという考え方が背景にあるため。国家財政の負担が懸念されているが、製薬メーカーには開拓余地がある分野として再評価機運が高まっている。関連銘柄は、医薬品大手のファイザーのほか、バイオベンチャーのバイオジェンやアドベラム バイオテクノロジーズなど。