テーマ
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キャッシュレス決済
現金を使わないキャッシュレス化の流れが世界的に加速している。米国は1人当たりのクレジットカードの保有比率が高く、非現金による決済比率も5割超に達している。キャッシュレス決済は、決済時間の短縮や利便性の向上、インフラコストの削減、現金の保有・取引に伴う不正・犯罪の抑止など、社会的メリットは大きい。米国は世界最大の電子決済ネットワークを運営しキャッシュレス経済の中核を担うビザやマスターカード、アメリカン・エキスプレスといったクレジットカード大手を擁する。また、ペイパルやアップルペイ、グーグルペイといったデジタル決済サービスも世に送り出している。デジタル技術の進化を背景に、フィンテック関連のスタートアップやデジタル通貨関連企業などの動向も注目されてこよう。なお、2025年8月にはソフトバンクグループ傘下のスマートフォン決済大手PayPayが、米国での株式上場に向けて手続きを開始したことが明らかとなっている。
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CAD
「CAD」は「コンピュータ援用設計システム」の略称。コンピューターを活用して行う機械や建築など構造物の設計・製図のこと。また、その機能を組み込んだコンピューターシステムやソフトウエアの総称。
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キャラクター
成功したキャラクターが消費者をひきつける力は強大で、今日ではキャラクタービジネスは大きな市場規模を生み出すに至っている。キャラクターの人気は企業の収益を大きく左右し、新たな人気キャラクターの登場はしばしば株価を大きく動かす。
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教育
個性を重んじる米国では子供の創造力、可能性を伸ばすための教育に力が注がれ、シリコンバレーに代表される起業文化を醸成する基盤ともなってきた。同国での教育の機会を求めて世界から人材を集めてきたことも特徴で、これまで世界史に足跡を刻む傑出したリーダーを様々な分野で数多く輩出してきた。米国の教育市場の規模は世界トップであり、特に一人当たりの規模では抜きん出ており、一大産業を形成している。
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教育ICT
情報通信技術(ICT)の活用を取り入れた教育方法を意味し、エデュケーション(教育)とテクノロジー( IT)を組み合わせて「EdTech(エドテック)」とも称される。文部科学省が2021年に発表した「学校教育情報化の現状について」では、教育ICT先進国としてシンガポール、フィンランド、エストニア、デンマークを挙げているが、米国も早い段階からタブレットやノートパソコン、デジタル教科書、インターネットなどの教育現場での活用に取り組んでいる。2010年には連邦教育省が教育ICTの活用促進を提唱するマスタープランを策定。2013年に当時のオバマ大統領が99%の児童が学校・図書館などで次世代高速インターネットを利用できる環境の整備を目標に掲げ、さらに2015年にコンピューターサイエンスを学校教育における重要科目としたことがICTの活用に拍車を掛けた。教育ICTの普及はデジタル格差や地域格差の解消、生徒ごとに最適化した教育コンテンツによる学力向上のほか、米国の活力の源泉である起業文化を支える揺り籠としての役割も期待されている。教育ICTの世界市場規模は着実に拡大を続け、2025年には1800億ドル超と2020年から倍増が予測されており、関連企業のビジネスチャンスは今後さらに広がりそうだ。
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金
金(ゴールド)は、工業製品として利用されるほか、価値を持つ貴金属として広く所有され、インフレや戦争など有事に強い資産、セーフヘイブン(安全な投資避難先)として知られる。また、ドルの代替資産として、ドル安時に金が買われることは少なくない。その希少性に裏付けされた価値を持つ金は、国の信用力による裏打ちは必要とせず、その特性ゆえに「無国籍通貨」とも呼ばれる。主要な産金国としては南アフリカや中国、オーストラリア、ロシア、米国、カナダなどが知られている。また、米国の金関連株の動向を示す指数としては、フィラデルフィア金銀鉱山株指数がある。足もとでは、ドル保有のリスクを警戒した中国など新興国中銀による金保有の拡大、中東情勢など地政学的リスクの高まりに加えて、米国が利下げに踏み切り金融政策を転換したことも金相場の追い風となっている。
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金融
金融とは広義では資金を融通し合う「経済の血液」と称され、銀行や投資銀行、プライベートバンキング、証券、保険といった主力業態のほか、クレジットカード関連、資産運用会社、証券取引所、金融情報関連企業など「その他金融」に属する業態をも網羅したセクターを指す。
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金利上昇メリット
新型コロナウイルスによる景気後退懸念から大きく落ち込んだ金利に上昇機運が台頭している。インフレを抑制するために、米連邦準備理事会(FRB)は従来の量的緩和から金融引き締めに舵を切っており、世界の金融市場をみるうえで金利の動向は大きなポイントとなる。金利上昇局面では、貸出金利の利ザヤ拡大が見込める銀行や運用環境の改善が期待される生保といった金融セクターなどにメリットがあるとみられている。その一方、多額の有利子負債を抱える企業や経営不振企業などにとっては金利負担が膨らむため、金利上昇はデメリットに働く場合がある。
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金利低下メリット
米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ減速や米景気の陰りを示唆する経済指標が現れたことを受け、2024年9月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、2020年3月以来4年半ぶりとなる利下げに踏み切った。その後、同年11月、12月と利下げを重ねたが、2025年に入ると7月のFOMCまで5会合連続で政策金利を据え置いていた。この背景には、トランプ政権の関税政策によるインフレ率上昇への警戒があったが、政権側の利下げ圧力の高まりとともに、足もとでの労働市場の弱含みを受けて9月の会合では9カ月ぶりに政策金利を0.25%引き下げ、続く10月の会合でも0.25%の利下げを実施した。政策金利の引き下げは景気後退を警戒している面もあり、金利低下局面の株式市場では生活防衛色の濃いディフェンシブ銘柄が買われやすくなる傾向がある。また、金利低下は有利子負債の大きな企業が多い不動産やローンに絡む住宅企業などにはメリットとなる。このほか、相対的に高利回り銘柄が優位となり、見直されることが多い。
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銀
銀は貴金属の一つで、紀元前3000年頃には宝飾品に用いられていたとされている。また、古代エジプト文明において銀貨の素材として使われるなど人類との関わりは深く長い。銀は宝飾品や投資の対象として金同様に重用されているが、電気伝導率や熱伝導率、展延性(延ばしやすさ)、抗菌性などで優れた特性を持っており、電子部品や自動車触媒、太陽電池など工業用としての需要が過半を占めるようになっている。実物資産としての位置付けが強まっている銀だが、金同様に安全資産としての側面も持ち、インフレ懸念や地政学的リスクが高まる局面では物色されやすいという側面も持つ。また、銀の価格上昇の背景としては、生産国であるメキシコ、チリ、ペールーなどの政情・経済状態の悪化、鉱山施設の老朽化といった供給懸念も指摘されている。
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銀行
米国は世界最大の金融センターとして確固たる地位を占めており、中央銀行である米連邦準備理事会(FRB)の金融政策は世界の金融マーケットを動かしている。米国の金融機関の実力は世界トップクラスで、その株価は世界の金融株の指標となっている。米国を代表する大手銀行にはバンク・オブ・アメリカやシティグループ、JPモルガン・チェースなどがあり、グローバルに事業を積極的に展開する企業も多い。
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クラウドゲーム
クラウドゲームとは、クラウド技術を活用してゲームをストリーミング配信するサービスのこと。ゲーム操作に関する演算処理をデータセンターにあるクラウドサーバーが担うことで、高性能のゲーム専用機を使わずにスマートフォンやタブレットなどの端末でも高精細な映像や操作性の高いゲーム環境を実現できることが注目されている。今後、5Gが本格的な普及期を迎えることで、クラウドゲームは急速な成長が見込まれている。その躍進を見据えて関連企業も一斉に走り始めており、米マイクロソフトは「xCloud(エックスクラウド)」と呼ばれるクラウドゲームサービスの開始を予定している。日本のソニーもマイクロソフトとクラウドゲームで提携することを発表している。クラウドゲームは、ゲーム業界のゲームチェンジャーとなる可能性も秘めており、ゲームソフト会社を含め多大な影響を及ぼすことが予想されている。
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クラウドコンピューティング
クラウドとはユーザーがインターネットを通じて、サービスを必要な時に必要な分だけ利用する方法のこと。クラウドコンピューティングとも呼ばれる。パソコンにソフトウェアをインストールしていなくても、アカウントを持っていればサービスを利用できる。特に、最大の市場規模を持ちソフト企業がインターネット経由でアプリを提供するSaaS(サース)は、2030年まで世界で年平均20%近い成長が続くとの予想もなされている。また、アプリケーションを実行するためのプラットフォームをインターネット経由のサービスとして提供するPaaS(パース)や仮想サーバーなどのシステムインフラを提供するサービスであるIaaS(イアース)も急成長している。
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クリスマス
米国のGDPの約7割は個人消費が占めている。特に年間の約3割にのぼる消費がクリスマスセールを含む年末商戦の期間に費やされると言われており、米国の景気動向に与える影響も大きい。米国のクリスマスセールである年末商戦は11月第4木曜日の感謝祭の翌日の「ブラック・フライデー(赤字の小売店でも黒字にするとのいわれが由縁)」から本格化する。感謝祭の次の月曜日のネットショッピングが最も盛り上がる「サイバーマンデー」を経て12月末まで商戦は続く。特にクリスマス・プレゼントとしてゲーム機や衣料品、宝飾品などでは販売増が見込め、電子商取引(EC)関連や百貨店、ディスカウントストア、ゲーム関連株などが注目される。
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クルーズ
クルーズ客船は「動くホテル」とも呼ばれ、宿泊設備に加えて、レストランやバー、映画館、プール、フィットネスクラブなどの設備も備える。長期にわたる世界一周から短期の船旅まで提供するサービスはさまざまだが、豪華な大型客船の船上で満喫する非日常感を魅力に、世界のクルーズ旅客数は2009年から11年間でおよそ7割拡大し、年間旅客数は2019年には2900万人を超す規模に達していた。この成長トレンドを失速させたのが新型コロナウイルスの世界的な感染拡大だった。運航停止により収入源を絶たれたクルーズ船運営企業は軒並み苦境に陥ったが、コロナ禍の収束に伴い業績は回復基調にある。クルーズ船業界団体の推計によると、クルーズ旅客数は2025年に3700万人超、2027年には4000万人が視野に入るという。利用者層の若返りや支出の増加傾向も追い風となっている。事業環境の好転を受けて世界ではクルーズ船の新造が相次いでおり、日本でも大型クルーズ船「飛鳥3」が2025年7月20日に就航している。