テーマ
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スマホゲーム
スマートフォン(スマホ)の普及とともにゲーム市場は、従来の専用機に加えスマホやパソコン上で動作するアプリへと活躍の場を広げている。特に、この3月には米IT大手のグーグルがインターネットを経由してスマホやパソコンを利用してゲームができる新サービス「Stadia(スタディア)」を発表。今後、ゲーム市場に地殻変動を起こす可能性も出ている。6月には世界最大のゲームイベント「E3」が開催されることもあり、スマホゲーム関連は今後、さらに注目を集めることが予想される。関連銘柄は、グーグルを傘下に持つアルファベットや大手ゲームソフト制作会社のエレクトロニック アーツやアクティビジョン ブリザード、それにジンガなど。
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スマートウォッチ
アップルから「Apple Watch」が販売された2015年以降、スマートウォッチ市場は順調に成長している。特に運動量や心拍数、血圧を記録するフィットネス機能を充実することで新たな需要を開拓した。また、通信規格「LTE」に対応したスマートウォッチも登場。携帯電話がなくても単独で通話やメッセージなどが使えるようになり利便性が大きく高まった。Apple Watchの販売も伸び、それとともにスマートウォッチの市場全体の規模も拡大している。また、19年1月にはアルファベット傘下のグーグルが、時計メーカー「フォッシル」のスマートウォッチ部門を買収することを発表しており、同市場は今後、一段と競争が激化するとともに規模は拡大するとみられている。アップルやアルファベットのほか、フィットビットなどが関連銘柄となる。
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スマートシティ
スマートシティとは、都市の抱えるさまざまな課題に対して、ICT(情報通信技術)や自動運転、MaaSといった次世代モビリティ、ロボット、スマートホームといった新技術のほか、センサーで収集したデータなどを活用することで、都市インフラの整備や管理、運営などの最適化を通じて、人々の生活の質の向上を目指す都市のこと。 現代の都市は人口集中や高齢化、エネルギー消費の増加、災害・治安対策といった多様な課題に直面するが、これに対してICTなどを駆使し、交通渋滞の解消、再生可能エネルギーの活用や省エネ化、自然と共生し得る都市空間の構築、災害に強い街づくり、資源循環など推し進めて、都市全体の最適化を目指す。 スマートシティ構築の取り組みは世界で進められているが、かつてのエネルギー効率重視の都市構想から姿を大きく姿を変えてきている。世界的な人口の増加と都市集中が進むなか、人と環境の双方に配慮しながら成長とサステイナビリティを確保するための、柔軟で全体の最適化を行える仕組みが求められている。それを実現するためのAIやビッグデータ解析、センサー、モバイル端末、再生可能エネルギー、自動運転、蓄電池としても利用できる電気自動車など、各種の要素技術が実用化や普及段階を迎えたことが、各国のスマートシティへの取り組みを大きく後押ししている。 米国ではニューヨークやサンフランシスコなどでスマートシティ・プロジェクトが進められているほか、日本ではトヨタが2021年2月、静岡県で実験都市「ウーブン・シティ」に着工しており、未来の街づくりが期待を集めている。
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スマート農業
「スマート農業」とは、ロボットやAI(人工知能)、IoTなど先端施術を活用する新たな農業のこと。「Agriculture(農業)」と「Technology(科学技術)」を組み合わせた造語で「AgTech」(アグテック)」と称されることもある。先進国を中心に農業分野では、担い手の高齢化や人手不足、労働集約的な作業の非効率性、さらには気候変動による干ばつなどの発生といった作物の安定供給を脅かす課題を解消するために、「スマート農業」の重要性が高まっている。具体的には、自動走行トラクターによる耕耘やドローンを使った農薬散布、収穫ロボットや植物工場の導入、さらにはドローン・人工衛星で集めたセンシングデータや気象情報をAI解析することで農作物の生育や病虫害を予測するなど、活用の範囲は広い。世界最大の農業国である米国は、大農法と呼ばれる広大な農場を大型機械で管理する大規模農業を特徴としており生産性も高い。加えて、ドローンによる農薬散布や害虫・病気の自動検出、データ解析に基づく経営の支援など、農業の競争力に磨きをかける取り組みが進んでいる。また、国土面積が九州とほぼ同じにすぎないオランダを、世界第2位の農業大国に押し上げた原動力となったのも、ICT・IoTなど先端技術を活用した精密な「スマート農業」であったとされる。また、2022年に勃発したロシアによるウクライナ侵攻は、世界的に食糧供給の不安定化への懸念を強めており、生産力強化の切り札として「スマート農業」に対する期待は一段と高まりそうだ。
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スマートフォン
タッチパネルで操作ができる、パソコンに近い性能を持つ携帯電話のこと。従来型の携帯電話(フィーチャーフォン、ガラケー)と区別するためにスマートフォンと呼ばれる。スマートフォンの特徴として、インターネットの使い勝手の良さ、アプリの追加による万能性、SNSとの親和性の高さなどが挙げられる。 2007年に米アップルが投入した「iPhone」がスマートフォンのスタイルを決定づけ、多くの追随モデルを生んだ。アップルは主力の「iPhone」を軸にエコシステムを築き上げ、後にプラットフォーマーとして米企業で初の時価総額1兆ドル企業へと躍進する。 長くサムスン、アップルの2強時代が続いたスマートフォン業界だが、高機能化・高性能化の余地が次第に狭まる中、中国企業の躍進、中国・インドなど新興国市場を巡る争奪戦といった地殻変動の兆しも表れている。
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スマートホーム
「スマートホーム」とは、IoTやAIの活用により家電製品やさまざまなデバイスを結びつけることで快適な生活の提供を目指す住宅、またはそのシステムを指す。住宅のIT化を進めることで、インターネットにつながる家電や設備機器をスマートフォンやAIスピーカー等を通じて操作可能にするなど、より便利で安全、高機能なサービスをユーザーに提供する。2022年10月にはアップル、アマゾン、グーグルなど400社超が参画するスマートホームのIoT共通規格「Matter(マター)」が正式リリースされた。同規格に準拠した機器はメーカーの垣根を越えて操作することが可能になり、利便性は飛躍的に向上する。このため、「Matter」はスマートホーム機器普及の起爆剤として期待されている。また、省エネ化・脱炭素化に向けた社会的な要請が強まるなか、エネルギー消費量を可視化しつつ制御を行う「HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」とスマートホーム機器の連携によるエネルギー管理の強化も進展しそうだ。スマートホームの構築には、電気自動車(EV)を電力源として活用する動きなどもあり、幅広い産業が関係してくる。スマートホームの市場規模は2030年に5370億ドルに達するとの予測もなされている。
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3Dプリンター
3Dプリンターとは、樹脂層を細かく積層させることで立体(3D)モデルを製作する装置のこと。工業製品の設計・開発段階で試作品を作る際の金型などが不要となるためコスト削減ができ、複雑な構造の製品の製作が短時間で可能となるといった特徴を持つ。同プリンターは、第4次産業革命に向けて不可欠な機器として高い関心を集めている。宇宙基地の建築には、複雑な立体構造を再現できる3Dプリンターが活用されるとの見方もある。一部では、3Dプリンターの市場規模は22年までに年平均18%成長し230億ドル(約2兆5300億円)に達するとの予想もある。3Dプリンターの関連銘柄には、米国大手のスリーディー システムズ やストラタシス、エクスワンなどがある。
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スーパーボウル関連
アメリカンフットボールのプロリーグであるナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の優勝決定戦「スーパーボウル」が、毎年2月上旬の日曜日に開催される。アメリカンフットボールは米国で最も人気のあるスポーツであるが、その最高峰の大会であるスーパーボウルは世界200カ国以上に放送され、視聴者数は全米で1億人を超える。スーパーボウルのテレビコマーシャル枠は世界で最も高価とされ広告料は高騰を続けているが、視聴者の関心は高く、広告出稿を機に飛躍した企業も少なくない。1984年にはアップルが伝説的なCM「1984」を放映しイノベーターとしてのイメージを決定づけた。また、前半戦と後半戦の間に行われるハーフタイムショーには過去、U2、ローリング・ストーンズ、ビヨンセ、レディー・ガガなど名立たるアーティストが登場しており、試合に劣らず一大エンターテインメントショーとしての注目度は高い。スーパーボウルは、アメリカン・フットボール・カンファレンス(AFC)とナショナル・フットボール・カンファレンス(NFC)の覇者同士により競われるが、株式市場ではNFCのチームが勝つとその年の相場は上昇し、逆にAFCのチームが勝つと下落するという「スーパーボウル指数」と呼ばれるアノマリーでも知られている。
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スーパーマーケット
食料や日用品の調達先としてスーパーマーケットが存在感を高めている。新型コロナウイルスの感染拡大で外出が自粛され、都市内の多くの店が営業を取り止めるなかでも食料など生活必需品を扱うスーパーマーケットは営業を許されており、消費者は買いだめを行うことも多い。このため、コロナ禍のなかでも以前よりも売り上げを伸ばす例は少なくない。スーパーマーケットのなかでもウォルマートやコストコ・ホールセールなどは低価格路線を強めており、景気悪化時にはその競争力を発揮しやすい。また、両社は世界規模で事業を展開しており、新興国などでの高い成長が期待されている。クローガーは食品スーパーを中心に全米で事業展開している。アマゾンは食料品の通販も展開しており、スーパーの事業領域にも参入している。また、食事キット配送サービスを手掛けながらキットをスーパー店頭でも販売するブルーエプロンのような企業もある。
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制御システム
制御システムは各種機器の管理・制御を行い、プラントや工場のほか、航空機や船舶、車両、高機能ロボットや次世代自動車などを効率よく稼働させるうえで不可欠な存在となっている。各種システムや装置を制御するためのセンサーやモーター、スイッチ、タイマー、バルブや温度調節器などにより構成される。機器の位置や速度、向き、トルクなどを制御する技術はモーション・コントロールと呼ばれ、産業用ロボットや工作機械、産業機器を動かすうえで必須の技術となっている。景気が拡大局面に入り設備投資が活発化すると、生産設備の要(かなめ)の役を担う制御システムを手掛ける関連企業の業績拡大も期待できる。関連銘柄にはパーカー・ハニフィン(PH)やアライド・モーション・テクノロジーズ(AMOT)、フローサーブ(FLS)などがある。
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生成AI
ジェネレーティブAIともいう。あらかじめ学習した大量のデータをもとに、文章や画像、音楽、プログラムのコードなどを新たに作成する人工知能(AI)の総称。代表的な生成AIとしては会話型チャットボットの「ChatGPT」や画像生成AIツールの「DALL-E」などがあり、いくつかの材料を読み込ませることで自動的にコンテンツの生成を可能にする。人間の思考や創造性を補完し得る技術として注目され、ビジネスでは業務効率化に対する期待も大きい。特にマイクロソフトが出資する新興企業の米オープンAIが公開した「ChatGPT」は、質問に対してあたかも人間のように自然な文章で回答を行うことが可能であり、その性能の高さは世界中に衝撃を与えた。米ビッグテック各社はAIを成長戦略の中核に据えており、アルファベット傘下のグーグルは「Gemini(ジェミニ)」、マイクロソフトは「Copilot(コパイロット)」、メタ・プラットフォームズは「Llama(ラマ)3」、アマゾンが「アマゾン ベッドロック」を投入するなど、熾烈な開発競争を繰り広げている。マグニフィセント・セブンの中で生成AIに対する取り組みが遅れていたアップルも同社製品で利用できるAI機能「Apple Intelligence(アップル・インテリジェンス)」の提供とオープンAIの「ChatGPT」との連携を打ち出している。一方、2025年1月、中国企業のディープシーク(DeepSeek)が米国勢の最先端モデルの数分の1程度と低コストでありながら、匹敵する性能を持つ生成AIを発表。AI開発における米国の優位性を脅かすものと受け止められ、株式市場では関連銘柄が下落する「ディープシーク・ショック」が起きた。低コスト生成AIがもたらす影響については業界全体にメリットをもたらすとの見方もあり、今後そのインパクトを見極めていく必要がありそうだ。
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生体認証
「生体認証」は、人間の生体情報を用いて特定の個人を認証する方式で、バイオメトリック認証やバイオメトリクス認証とも呼ばれる。指紋や虹彩、静脈、顔、声帯など個人に特有のパターンを照合することで個人を認証する。生体認証はパスワードなどを用いる認証方式に比べて精度が高く、偽造やなりすましがされにくく、ユーザーの利便性も高いといった利点がある。ITの発達に伴い企業情報や個人データの漏洩・流出などがたびたび問題となる中、情報セキュリティの重要性は一段と高まっている。生体認証はそのセキュリティ強化の要(かなめ)となる技術として期待されている。センサーの性能向上や画像認識技術の進化、ハードの小型化など、生体認証の普及の壁となっていた技術的問題はほぼ解消され、スマートフォンやパソコン、ATMといった身近な機器への採用も進んでいる。また、テロ対策での顔認証技術の導入、タイムカードに代えて指紋認証を勤怠管理に用いる企業なども増えており、今後も幅広い分野で関連市場の拡大が見込まれる。
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生命保険
「生命保険」は、人の生死を保険事故(保険会社などが保険金支払義務を具体化する事故)とする保険で、傷害保険や医療保険などと同じように、人の身体に関する偶然な出来事を対象とする保険。 あらかじめ定められた一定の金額を支払う定額保険の代表的なもので、実際に生じた損害をてん補する損害保険と区別される。株式市場では、銀行、証券などと並んで金融関連株の一角として位置づけられる。
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清涼飲料
アルコール分1%未満の飲料を指し、コーヒー飲料、炭酸飲料、ミネラルウォーター、機能性飲料、果実飲料、野菜ジュース、スポーツ飲料などが含まれる。近年は健康志向の高まりを背景に、低カロリー飲料、茶系・野菜飲料、機能性飲料などが人気を集めており、メーカーは新製品の開発に鎬を削っている。猛暑の際には、サマーストックとして関連企業が株式市場で注目されることがある。
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石炭
石炭は古くから燃料として使われ、「黒いダイヤ」とも呼ばれた時期がある。ただ、石油が主要エネルギーの地位についてからは石炭の地位は低下。燃焼時に発生する二酸化炭素が地球温暖化の一因であることも敬遠される要因となった。こうした流れを背景に、英豪資源大手のリオ・ティントは唯一残された石炭鉱山の全権益を売却し、資源ポートフォリオに石炭を有さない初の資源メジャーとなった。地球環境への配慮などを標榜するESG投資が広がるなか、発電向けの一般炭事業を見直す動きが続いている。米国は石炭生産量、輸出量で世界第4位の“石炭大国”だが、こうした流れを映して同国の石炭生産量は減少傾向にあった。だが、コロナ禍からの経済回復に伴うエネルギー需要、石油・天然ガス価格の高騰、ロシアによるウクライナ軍事侵攻などを受けて、欧州でドイツやフランスが石炭火力発電の再稼働を決めるなど、石炭をエネルギー資源として見直す動きが顕在化している。また、石炭については、石炭ガス化複合発電をはじめ技術改良により二酸化炭素の排出量削減が可能となっており、発電用燃料として再評価する向きもある。