テーマ
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鉄鉱石
鉄鉱石は鉄分を多く含有する鉱産物で鉄鋼製品を生産するために不可欠な原料であり、オーストラリアやブラジルなどが原産国。鉄鉱石事業で世界最大規模を誇るのがヴァーレであり、リオ ティント、BHPビリトンとともに鉄鉱石3大メジャーと称される。なお、中国の鉄鋼生産量などが鉄鉱石価格に影響を与えることがあり、近年は中国経済動向と連動して注目されることが多い。
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鉄道関連
米国はかつて世界最大の鉄道王国であったが、モーターリゼションの進展により自動車が近距離運送の主役を担い、また遠距離運送で航空機が台頭したことで、鉄道業界では地盤沈下と寡占化が進んだ。現在では主要な鉄道は旅客輸送から退き、穀物や原油、工業製品などの貨物輸送を主力としている。特に鉄道における燃料費や労働費の安さが見直される中、鉄道とトラックを組み合わせたインターモーダル輸送(複合輸送)が存在感を増している。また、同国の鉄道の特徴として、私企業が鉄道経営を担っている点が挙げられる。
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テレワーク
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、企業のテレワーク需要が高まっている。新型コロナウイルスによる影響は将来的には落ち着いていくとみられるが、テレワーク促進の動きは長期的な流れとなることが予想されている。出社や出張も抑制される動きが強まるなか、テレビ会議ソフトを手掛けるズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)やシスコ・システムズ(CSCO)が注目を集めている。また、組織による共同作業を可能とするコラボレーションツールの活躍機会も増える。SkypeやTeamsを擁するマイクロソフト(MSFT)、Slackのスラック・テクノロジーズ(WORK)などが関連銘柄となる。
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天然ガス
天然ガスは地球にやさしいクリーンなエネルギーと呼ばれている。地球温暖化で二酸化炭素(CO2)の削減が求められるなか、天然ガスは発電用の燃料などとして広く使われている。これまで技術的な制約などにより地下数百メートルに埋もれているガスが主に利用されてきたが、“シェール革命”により地下数千メートルの頁岩からシェールガスの採掘が可能になったことで天然ガスを巡る勢力図は大きく変化した。 シェールガス増産により、ロシアを抜き天然ガスの世界最大の生産国となったのが米国である。シェールガスをマイナス162度で液化したLNG(液化天然ガス)輸出にも注力し、エネルギー分野での支配的な地位の確立を目指している。 また、安価なガスの増産を背景に、ガスを燃料とする火力発電の石炭火力に対する競争力が高まっており、温暖化ガス排出量の低減にも貢献している。
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テーマ型ETF
株式市場において投資家の関心が高い投資テーマに着目し、関連企業への投資を行うETF(上場投資信託)。株式市場では技術潮流や社会的な課題、自然環境などを背景に、半導体やクリーンエネルギー、ゲノム、サイバーセキュリティといったさまざまなテーマが話題となり、投資家の注視を集める。ただ、各々のテーマに関連する企業は多いうえ、海外企業の成長性を個々に吟味するには一定の知識・ノウハウも求められる。テーマ型ETFでは、投資対象としてプロが精査した銘柄が組み込まれており、リスク分散の観点からも有力な選択肢となる。一方でテーマ型ETFは相対的に手数料が高めであるほか、投資対象銘柄を少数に絞り込んでいるタイプもある点には注意を要する。
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テーマパーク
映画やアニメなど特定のテーマをベースにした観光施設で、ホテルや商業施設を含めた大型リゾート地として開発されることもある。
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ディエム
ディエムの前身は米メタ・プラットフォームズ(※フェイスブック、インスタグラムを運営)を中心にリブラ協会が発行を計画していた暗号資産「リブラ(Libra)」。リブラはビットコインに代表される仮想通貨と同様にブロックチェーン技術を基盤とするが、複数の法定通貨や資産によって裏付けられたステーブルコインであり、投機的な価格変動を抑える仕組みを備えるものとなる計画だった。新興国を中心に世界で数十億人存在する銀行口座を持たない個人にも、スマートフォンでネット接続さえできれば金融サービスを提供できる、いわば次世代のグローバルな金融インフラの構築を目指す野心的なプロジェクトであった。国をまたぐ送金でも時間を要さずに低コストで行えるため、送金や決済機能を中心にその可能性が注目されていた。しかし、メタが中心企業ということもあり、個人情報保護やマネーロンダリングなど安全性への懸念、既存の金融システムへの影響などを警戒する声もあり、米議会を中心に各国の政府関係者、金融当局の一部に発行中止や規制強化を求める動きが表面化。有力企業が運営団体への参加を見送ったこともあって、リブラを主導するメタのザッカーバーグCEOは「米当局の認可を得られるまで全世界で発行に関与しない」と議会で述べ、当初目標としていた20年発行を事実上断念。その後、複数の法定通貨バスケットの採用を見送り、単一通貨を裏付け資産するステーブルコインとして、リブラは20年12月に「Diem(ディエム)」に名称変更された。当面、ドルを裏付け資産とする「米ドル版ディエム」の発行を目指すとしており、今後の動向が注目されている。
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ディスカウントストア
格安・ディスカウント商品の販売は、常に着実な需要があり、特に不景気に強い業態といえる。米国にはディスカウント製品の大量販売で世界最大の小売りチェーンとなった、ウォルマートのような企業もある。また、日本の100円ショップにあたる「1ドルショップ」最大手のダラー ジェネラルのような低価格製品を扱う企業も成長している。インターネットを活用したディスカウント販売なども活発だ。
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ディフェンシブ
「ディフェンシブ銘柄」は景気変動の影響を受けにくく、提供する製品・サービスに常に一定の需要が見込め、安定した業績が期待できる企業を指す。電力・ガスなどの公益企業、食品や家庭用品といった生活必需品、それにヘルスケアや通信といった業界がディフェンシブセクターとして知られる。「好財務体質」で「高配当」、「低ボラティリティ」などの特徴を持つ企業が多いため、相場の波乱局面や景気後退期に物色されやすい。会社設立から長い年月が経つ成熟企業が多く、株価の大幅な値上がりは期待しにくいものの、安定性の高さから年金資金などの長期投資にも適している。足もとでは2025年1月に発足したトランプ政権の関税政策などにより世界経済の先行きに不透明感が強まっており、一部では米国がリセッションに陥る可能性も懸念されている。こうした局面では、投資家の関心は景気後退に対して抵抗力を持つディフェンシブ関連株に向かいやすく、トランプ政権の動向とともに関連株の動きには注目していきたい。
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DIY
DIYとは「Do It yourself」の略称。「自分で作ろう」という自立の精神を表す言葉で、住宅の補修・改修などを指すことが多い。第二次世界大戦後の英国が発祥の地だが、その後、米国が世界トップの市場として急成長した。米国では住宅需要の拡大とともに、DIYの市場は順調に成長している。足もとでは新型コロナウイルスの感染拡大により外出が自粛されるなか、ペンキの塗り替えや部屋の改装といった自宅の補修需要が拡大した。また、テレワークが一般化するとともに住宅需要は拡大しており、同時に自宅を改良するDIYの市場も膨らんでいる。関連銘柄は、ホームセンターのホーム・デポ (NYSE:HD)やロウズ・カンパニーズ(NYSE:LOW)、工具のスタンレー・ブラック・アンド・デッカー(NYSE:SWK)など。
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デジタル印刷
デジタルイメージを直接様々なものに印刷する技法で、インクジェットプリンターやレーザープリンター使用して普通紙だけでなく印画紙、キャンバス、ガラス、大理石など様々なものに印刷が可能。有版であるオフセット印刷と異なり、無版であることから、デジタル印刷では入稿から印刷までのプロセスを自動化することができ、内容の修正などが容易。
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デジタルトランスフォーメーション
「デジタルトランスフォーメーション(DX)」とは、事業に大きなイノベーションを起こすために、IT技術を導入し、ビジネスモデル全体の改革を行っていくというもの。DXの促進は世界的な一大潮流となっており、企業のIT投資拡大を押し上げている。特に、新型コロナウイルスの感染拡大で、非対面型のビジネス環境の整備が急務となるなか、クラウドベースで電子商取引(EC)のプラットフォームを構築したり、テレワークの環境を整えたりする需要が急拡大している。このDXの基盤構築で高シェアを獲得し、世界をリードしているのが米国のIT企業だ。アップルやアマゾン、アルファベット(※グーグルを運営)、メタ(※フェイスブックを運営)、マイクロソフトなどのテックジャイアントを筆頭に、ビデオ会議システムのズーム・コミュニケーションズや電子署名などを手掛けるドキュサイン、クラウドを通じた本人確認サービスを手掛けるオクタなど数多くの新興企業が続々と誕生してきている。
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電気自動車関連
世界の自動車業界では、電気自動車(EV)へのシフトが急速に進んでいる。EVはガソリン車に比べ部品数は大幅に少なく、その普及が進むことは現在の自動車業界の勢力図が一変することを意味する。ただ、EV普及には長距離・長時間の運転に耐えるバッテリーの開発が求められるほか、充電インフラの構築も必要となる。このため、既存の自動車産業への影響などを考慮して、英国は当初2030年としていたガソリン車の販売禁止を2035年までに延ばし、EUは2035年以降の禁止方針を転換して条件付きで認める方向だ。ただ、基調として世界各国におけるEV推進の姿勢は崩れていない。EV普及をテコに自動車産業の覇権奪取をうかがう中国を軸に、EV大手のテスラを擁する米国のほか、欧州、日本など各国が開発・製造に向けて鎬を削っている。関連銘柄としては、部品を含むEVメーカーや充電設備の製造企業、中核部品となるリチウムイオン電池向けリチウム原料の生産企業などが挙げられる。
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電子カルテ
医療現場でのITの活用が急速に進んでいる。医療ITでベースとなるのが、患者一人ひとりのデータを蓄積する電子カルテだ。最新IT技術が現場へ導入されはじめたことで、診療録を電子化した電子カルテの機能も進化している。システム化により単に効率を高めるだけでなく、患者の検査、治療内容、リハビリ計画などのスケジュールの管理に加え、会計業務まで一貫して管理することが可能になる。米国企業の世界展開も進んでおり、サーナーの電子カルテシステムは世界30カ国以上の医療施設で導入が広がっている。
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電子機器受託生産
電子機器受託生産は、EMS(Electronics Manufacturing Services)とも呼ばれ、自社ブランドを持たず、外部企業から製造を委託された製品を作ること。企業によるアウトソーシング(外部委託)需要が増えるとともに、EMSは成長している。また、自社で工場など生産部門を持たないファブレス企業からの受託が多い。近年、ファブレス企業が増加するのと歩調を合わせ、EMSも発展、成長を続けている。