テーマ
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宅配
米国の宅配業界では小口貨物のユナイテッド パーセル サービスや航空貨物輸送のフェデックスなどが活躍している。特に、新型コロナウイルスの感染が拡大してからは、外出自粛による巣ごもり消費の拡大に伴い宅配サービスを活用する機会が増えている。フードデリバリーでは、出前注文サイトを運営するグラブハブのほか、ウーバー・テクノロジーズ(NYSE:UBER)が展開するウーバー・イーツなどが急成長している。また、在宅勤務の広がりによりパソコンや家電などの宅配需要に加え、服や雑貨といった裾野の広い分野でデリバリー需要が拡大している。ECサイトの構築ではショッピファイが活躍している。生活スタイルの変化に伴い、新型コロナウイルスの感染収束後も宅配に対する需要は増加基調が続くことが予想されている。
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たばこ
世界のたばこ産業は、アメリカを中心とした健康被害を巡る巨額訴訟などを背景に業界再編が加速している。世界の大手上場たばこ企業は、米系のフィリップ モリス インターナショナルとアルトリアグループ、日本のJT、英国のブリティッシュ アメリカン タバコといった企業に集約されてきた。さらに、フィリップモリスとアルトリアは対等合併に向け協議を行っていたが、合併協議は破談となった。世界的な健康志向の高まりで、たばこ企業への風当たりは強いが、米国の大手たばこ企業は食品企業へのM&Aなどで多角化を推進し利益を稼ぎ出すことで、投資家からの着実な評価を得ている。世界最大のたばこ会社であるフィリップモリスはマールボロ、ラーク、バージニア・スリムなどのブランドを擁し、米国市場外での事業を手掛けている。アルトリアもマールボロを有し米国を中心に事業展開している。ブリティッシュ アメリカン タバコはラッキーストライクやケントなどのブランドで知られている。
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タブレット端末
液晶ディスプレーの表示部分に指で操作するタッチパネルが搭載されている携帯情報端末の総称。一般にキーボードがなく本格的な仕事には不向きな半面、小さくて持ち運びしやすいといったメリットがある。アップルが投入したタブレット端末「iPad」を皮切りに、グーグルの基本ソフト「Android」を搭載した端末も相次いで投入され、一時はパソコンに取って代わる勢いをみせたが、スマートフォンの大型化もあって成長速度は鈍っている。 市場の成熟化に伴い、取り外しが可能なキーボードや専用のタッチペンが用意されたプロ向けのハイエンド端末や、電子書籍やネット閲覧、動画鑑賞を主目的とする廉価版まで多様な機種があり、パーソナルユースのほか、教育や医療、製造現場までさまざまな環境で利用されている。
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脱プラスチック
経済大国の米国は、プラスチック容器包装の1人当たりの廃棄量が世界1位のプラスチック大国でもある。プラスチックは環境汚染を発生させるほか、海洋生物が摂取することによる生態系への影響などが懸念されている。脱プラスチックに向けた動きは加速しており、米プラスチック協定では2025年までに全てのプラスチック包装について再利用やリサイクル、堆肥化を可能にする、という戦略を発表している。また、例えば米カリフォルニア州では包装と使い捨てプラスチックを大幅に減らす法律を22年に制定し、28年までにプラスチック包装材のリサイクル率を30%まで引き上げ、32年までに65%以上をリサイクルすることを求めた。大手コーヒーチェーン・スターバックスが世界中の店舗でプラスチックのストロー廃止を宣言したことなどが契機となり、脱プラスチックに向けた動きは活発化しており、生分解性プラスチックの導入やリサイクルが推進されている。
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蓄電池
電力を蓄える電池のこと。太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーには、エネルギー源が枯渇しない、温室効果ガスの排出量が少ないといったメリットがある一方、天候や時間帯に発電量が左右されがちというデメリットがある。これらをカバーするために活用されているのが蓄電池であり、発電された電力を蓄電し、電力需給が逼迫した際には放電することで、これらの課題をカバーする。蓄電池は再生可能エネルギーの普及には不可欠なシステムとして、脱炭素社会の実現に向けたキーデバイスの一つといわれている。また、集中豪雨や巨大ハリケーン、地震などの自然災害が引き起こす長期停電の備えとしても蓄電池の重要性は高まっている。
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知的財産
米国と中国のハイテク覇権を巡る争いが激化している。ハイテク産業の育成・強化を進める中国は2019年に国際特許出願件数で米国を逆転し世界首位に立った。特にAI(人工知能)や自動運転車、再生医療など重要視されているハイテクの多数の分野で中国の躍進は著しく、米国は危機感を強めている。5G基地局で世界首位に立った中国ファーウェイに対する苛烈な制裁姿勢はその表れであろう。知的財産戦略の優劣は国の競争力を大きく左右する可能性があるだけに、ハイテク産業を牽引する巨大テック企業群を擁し、特許の質ではなお中国に対し優位にあるとされる米国においても、知的財産の重要性は今後一段と高まっていくとみられる。こうした流れの中で、特にAIや量子コンピューター、自動運転車、再生医療、5G、ブロックチェーンなど次世代の基幹技術に関わる知的財産を有する米国企業の動向が注目されよう。
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チャットボット
対話型AIは、人間とコンピュータとのやりとりを人間同士の会話に近づけるためのテクノロジー。マイクロソフトが出資する米新興企業の米オープンAIは2022年11月に対話型AIを利用したチャットボット(自動応答システム)の「ChatGPT(チャットGPT)」を公開した。質問に対してあたかも人間のように自然な文章で回答が行えるチャットGPTは、その高い性能により世界中に衝撃を与えた。公開から2カ月で月間アクティブユーザー数は1億人に達したとみられており、この利用者数の急速な拡大は、チャットGPTを他のAIに比べ優位な位置に押し上げているとみられている。チャットGPTに対抗する格好で、アルファベット傘下のグーグルが対話型AIサービス「Bard(バード)」を公開するなど、対話型AIを巡って世界各国で開発機運が高まっている。対話型AIは、検索サービスの業界に地殻変動を起こすことが予想されているほか、コンサルティングや記事執筆、プログラミングコード生成など様々な業界に革命的な変化をもたらす可能性があり、その動向は高い関心を集めている。
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中型株ETF
中型株により構成された指数をベンチマークとするETF。
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中古車
米国の中古車販売の市場規模は、日本円で30兆円前後に上る巨大な産業であり、年間の販売台数は4000万台強と新車販売の約3倍に達している。新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年以降、移動手段を公共交通機関から自動車に移す動きもあり、中古車の販売は好調な状況が続いている。米国の中古車オークション大手マンハイムが公表している米国の中古車価格の指標「マンハイム指数」は21年に急上昇している。その要因としては、新車に比べ割安な中古車の需要が盛り上がったことや、半導体不足で新車供給が細ったことで中古車へ需要がシフトしたことなどが挙げられている。中古車販売会社には、カーロッツ(LOTZ)やカーヴァナ(CVNA)、カーグルズ(CARG)、カーマックス(KMX)などがある。
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中国ETF
中国の証券取引所に上場する株式で構成される指数をベンチマークとするETF。著しい経済成長により米国に比肩する経済大国へと変貌を遂げている同国だが、その産業構造は「低コストの世界の工場」から急速に「先端ハイテク主導による高付加価値化」へとシフトしつつある。米国のプラットフォーマーに対抗し得る企業も育つ一方で、中米両国の貿易摩擦は激化している。世界経済の覇権を米国と争うにまで至った同国の経済成長は、株式市場においても大きなテーマであり、中国株ETFは有力な投資手段ともなる。
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中国ADR
中国企業は、自国の資本市場が十分な機能を備えていなかったこともあり、有力企業は米国や香港といった市場に積極的に上場してきた。例えば「BAT」と称される中国検索サイト最大手の百度(バイドゥ)や巨大IT企業、阿里巴巴集団(アリババグループ ホールディング)、騰訊控股有限公司(テンセント ホールディングス)はニューヨーク証券取引所やナスダック市場、あるいは香港市場に上場している。なかでも、世界最大の金融市場を有する米国にはハイテク企業を含む数多くの中国企業がADRを上場している。しかし、米中摩擦が激化するなか、中国政府は海外へのデータ流出を警戒し、中国企業による海外上場に対し規制強化を打ち出している。中国企業の間には、IPOなどを含め米国での上場を取りやめ、香港市場での上場に切り替えるといった動きも出ている。このため、米国に上場する中国ADR銘柄の今後の動向が関心を集めている。ただ、中国企業の成長期待は高く、必要以上に株価が売り込まれる場面があれば、中長期的にみてバリュエーション面での割安感が強まるとの見方もある。
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中南米関連
南米は鉱山など豊富な地下資源を有し、その経済は高い潜在的な成長性を有している。「米国の裏庭」とも呼ばれ、米国企業の影響力の強い地域としても知られる。ただ、足もとで南米最大の経済大国であるブラジルは低成長が続いているほか、アルゼンチンやベネズエラなど経済不振に陥っている国も目立つ。その一方でチリやペルー、ボリビアなどは順調な経済成長を示している。南米地域には成長に向けて資源産業への依存度を減らし、より裾野の広い産業基盤を構築することが求められている。関連銘柄は、南米最大の電子商取引(EC)企業でアルゼンチンに本社を置くメルカドリブレ、ブラジルの大手航空機メーカーのエンブラエルや総合飲料会社のアムベブ、大手資源会社のヴァーレ。それにチリの大手化学メーカーであるソシエダード・キミカ・イ・ミネラ、アルゼンチンの総合エネルギー会社YPFなど。
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通信
通信とは、電気や電波を使って音声や文字、画像などのデータなどをやりとりすること。通信には固定電話、携帯電話、IP電話、光ファイバーなどさまざまなツールが有線、無線、その組み合わせにより用いられる。 電話は最も身近なコミュニケーションツールだが、携帯電話、さらにはスマートフォンの登場により情報収集に秀でたインターネット端末へと進化し、従来の音声やテキストのみならず動画、音楽などより大容量のデータも容易に取り扱うことが可能になった。 スマートフォンの普及に伴い、通信インフラも高速・大容量のデータに対応すべく進化が続く。次世代の移動体通信方式である5Gでは、その通信速度は毎秒10ギガ(ギガは10億)ビット超とLTEの1000倍の容量を持ち、無線区間の低遅延化や、センサーネットワークなどにおける多数同時接続が可能となる。自動運転やIoTを支えるインフラとして「通信」の重要性は一段と高まっている。
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月探査
米国が主導し月に宇宙飛行士を再び送り込む「アルテミス計画」が本格始動した。同計画では、アポロ計画以来、約半世紀ぶりの有人月面着陸を目指している。米航空宇宙局(NASA)は第一弾として、2022年11月に新型ロケットを使った宇宙船「オリオン」の打ち上げに成功しており、24年に有人飛行試験、25年の月面着陸を目標としている。更に、月面に基地を作り、火星への有人飛行も目指している。月探査に関しては、中国やロシアなども注力しており、日本やヨーロッパも参加するアルテミス計画との国際的な競合も激しくなっている。月探査を含む宇宙開発はビッグビジネスへの成長期待が膨らんでおり、宇宙ロケットの製造や打ち上げ、インフラ整備、宇宙基地の開発などに絡む関連企業への注目度は高まっている。
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鉄鋼
鉄鋼とは鉄を主な成分とする金属材料の総称。純鉄や鋼、鋳鋼、合金鋼、銑鉄、鋳鉄、フェロアロイなどがある。最も加工が容易な金属であり、安価である特徴を持つ。自動車や飛行機、鉄道、刀剣、建築材料、飲料缶などあらゆる分野で使われている。世界の大手鉄鋼メーカーは、中国や日本、韓国などの企業が上位を占めており、米国勢は中位以下にとどまっている。近年の業界環境は、世界の鉄鋼需要の半分を占めると言われる中国が新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ政策」を取ったことが同国に景気低迷をもたらし、世界の鉄鋼業界の不振につながった。しかし、中国が2022年12月にゼロコロナ政策を事実上撤回したことで、鉄鋼業界には追い風が吹くとの期待が強まっている。
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鉄鉱石
鉄鉱石は鉄分を多く含有する鉱産物で鉄鋼製品を生産するために不可欠な原料であり、オーストラリアやブラジルなどが原産国。鉄鉱石事業で世界最大規模を誇るのがヴァーレであり、リオ ティント、BHPビリトンとともに鉄鉱石3大メジャーと称される。なお、中国の鉄鋼生産量などが鉄鉱石価格に影響を与えることがあり、近年は中国経済動向と連動して注目されることが多い。
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鉄道関連
米国はかつて世界最大の鉄道王国であったが、モーターリゼションの進展により自動車が近距離運送の主役を担い、また遠距離運送で航空機が台頭したことで、鉄道業界では地盤沈下と寡占化が進んだ。現在では主要な鉄道は旅客輸送から退き、穀物や原油、工業製品などの貨物輸送を主力としている。特に鉄道における燃料費や労働費の安さが見直される中、鉄道とトラックを組み合わせたインターモーダル輸送(複合輸送)が存在感を増している。また、同国の鉄道の特徴として、私企業が鉄道経営を担っている点が挙げられる。
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テレワーク
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、企業のテレワーク需要が高まっている。新型コロナウイルスによる影響は将来的には落ち着いていくとみられるが、テレワーク促進の動きは長期的な流れとなることが予想されている。出社や出張も抑制される動きが強まるなか、テレビ会議ソフトを手掛けるズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)やシスコ・システムズ(CSCO)が注目を集めている。また、組織による共同作業を可能とするコラボレーションツールの活躍機会も増える。SkypeやTeamsを擁するマイクロソフト(MSFT)、Slackのスラック・テクノロジーズ(WORK)などが関連銘柄となる。
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天然ガス
天然ガスは地球にやさしいクリーンなエネルギーと呼ばれている。地球温暖化で二酸化炭素(CO2)の削減が求められるなか、天然ガスは発電用の燃料などとして広く使われている。これまで技術的な制約などにより地下数百メートルに埋もれているガスが主に利用されてきたが、“シェール革命”により地下数千メートルの頁岩からシェールガスの採掘が可能になったことで天然ガスを巡る勢力図は大きく変化した。 シェールガス増産により、ロシアを抜き天然ガスの世界最大の生産国となったのが米国である。シェールガスをマイナス162度で液化したLNG(液化天然ガス)輸出にも注力し、エネルギー分野での支配的な地位の確立を目指している。 また、安価なガスの増産を背景に、ガスを燃料とする火力発電の石炭火力に対する競争力が高まっており、温暖化ガス排出量の低減にも貢献している。
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テーマ型ETF
株式市場において投資家の関心が高い投資テーマに着目し、関連企業への投資を行うETF(上場投資信託)。株式市場では技術潮流や社会的な課題、自然環境などを背景に、半導体やクリーンエネルギー、ゲノム、サイバーセキュリティといったさまざまなテーマが話題となり、投資家の注視を集める。ただ、各々のテーマに関連する企業は多いうえ、海外企業の成長性を個々に吟味するには一定の知識・ノウハウも求められる。テーマ型ETFでは、投資対象としてプロが精査した銘柄が組み込まれており、リスク分散の観点からも有力な選択肢となる。一方でテーマ型ETFは相対的に手数料が高めであるほか、投資対象銘柄を少数に絞り込んでいるタイプもある点には注意を要する。
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テーマパーク
映画やアニメなど特定のテーマをベースにした観光施設で、ホテルや商業施設を含めた大型リゾート地として開発されることもある。
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ディエム
ディエムの前身は米メタ・プラットフォームズ(※フェイスブック、インスタグラムを運営)を中心にリブラ協会が発行を計画していた暗号資産「リブラ(Libra)」。リブラはビットコインに代表される仮想通貨と同様にブロックチェーン技術を基盤とするが、複数の法定通貨や資産によって裏付けられたステーブルコインであり、投機的な価格変動を抑える仕組みを備えるものとなる計画だった。新興国を中心に世界で数十億人存在する銀行口座を持たない個人にも、スマートフォンでネット接続さえできれば金融サービスを提供できる、いわば次世代のグローバルな金融インフラの構築を目指す野心的なプロジェクトであった。国をまたぐ送金でも時間を要さずに低コストで行えるため、送金や決済機能を中心にその可能性が注目されていた。しかし、メタが中心企業ということもあり、個人情報保護やマネーロンダリングなど安全性への懸念、既存の金融システムへの影響などを警戒する声もあり、米議会を中心に各国の政府関係者、金融当局の一部に発行中止や規制強化を求める動きが表面化。有力企業が運営団体への参加を見送ったこともあって、リブラを主導するメタのザッカーバーグCEOは「米当局の認可を得られるまで全世界で発行に関与しない」と議会で述べ、当初目標としていた20年発行を事実上断念。その後、複数の法定通貨バスケットの採用を見送り、単一通貨を裏付け資産するステーブルコインとして、リブラは20年12月に「Diem(ディエム)」に名称変更された。当面、ドルを裏付け資産とする「米ドル版ディエム」の発行を目指すとしており、今後の動向が注目されている。
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ディスカウントストア
格安・ディスカウント商品の販売は、常に着実な需要があり、特に不景気に強い業態といえる。米国にはディスカウント製品の大量販売で世界最大の小売りチェーンとなった、ウォルマートのような企業もある。また、日本の100円ショップにあたる「1ドルショップ」最大手のダラー ジェネラルのような低価格製品を扱う企業も成長している。インターネットを活用したディスカウント販売なども活発だ。
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ディフェンシブ
「ディフェンシブ銘柄」は、景気変動の影響を受けにくく常に一定の需要が見込め、安定した業績が期待できる企業の株式のことを指す。電力・ガスなどの公益企業、食品や家庭用品といった生活必需品、それにヘルスケアや通信といった業界がディフェンシブセクターとして知られている。「好財務体質」で「高配当」、「低ボラティリティ」などの特徴も持つ企業が多いため、相場の波乱局面や景気後退期に物色されやすい。会社設立から長い年月が経つ成熟企業が多く株価の大幅な値上がりは期待しにくいものの、高い安定性を持つことから年金資金などの長期投資にも適している。
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DIY
DIYとは「Do It yourself」の略称。「自分で作ろう」という自立の精神を表す言葉で、住宅の補修・改修などを指すことが多い。第二次世界大戦後の英国が発祥の地だが、その後、米国が世界トップの市場として急成長した。米国では住宅需要の拡大とともに、DIYの市場は順調に成長している。足もとでは新型コロナウイルスの感染拡大により外出が自粛されるなか、ペンキの塗り替えや部屋の改装といった自宅の補修需要が拡大した。また、テレワークが一般化するとともに住宅需要は拡大しており、同時に自宅を改良するDIYの市場も膨らんでいる。関連銘柄は、ホームセンターのホーム・デポ (NYSE:HD)やロウズ・カンパニーズ(NYSE:LOW)、工具のスタンレー・ブラック・アンド・デッカー(NYSE:SWK)など。
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デジタル印刷
デジタルイメージを直接様々なものに印刷する技法で、インクジェットプリンターやレーザープリンター使用して普通紙だけでなく印画紙、キャンバス、ガラス、大理石など様々なものに印刷が可能。有版であるオフセット印刷と異なり、無版であることから、デジタル印刷では入稿から印刷までのプロセスを自動化することができ、内容の修正などが容易。
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デジタルトランスフォーメーション
「デジタルトランスフォーメーション(DX)」とは、事業に大きなイノベーションを起こすために、IT技術を導入し、ビジネスモデル全体の改革を行っていくというもの。DXの促進は世界的な一大潮流となっており、企業のIT投資拡大を押し上げている。特に、新型コロナウイルスの感染拡大で、非対面型のビジネス環境の整備が急務となるなか、クラウドベースで電子商取引(EC)のプラットフォームを構築したり、テレワークの環境を整えたりする需要が急拡大している。このDXの基盤構築で高シェアを獲得し、世界をリードしているのが米国のIT企業だ。アップルやアマゾン、アルファベット(※グーグルを運営)、メタ(※フェイスブックを運営)、マイクロソフトなどのテックジャイアントを筆頭に、ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズや電子署名などを手掛けるドキュサイン、クラウドを通じた本人確認サービスを手掛けるオクタなど数多くの新興企業が続々と誕生してきている。
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電気自動車関連
世界の自動車業界では、電気自動車(EV)へのシフトが急速に進んでいる。EVはガソリン車に比べ部品数は大幅に少なく、その普及が進むことは現在の自動車業界の勢力図が一変することを意味する。ただ、EV普及には長距離・長時間の運転に耐えるバッテリーの開発が求められるほか、充電インフラの構築も必要となる。このため、既存の自動車産業への影響などを考慮して、英国は当初2030年としていたガソリン車の販売禁止を2035年までに延ばし、EUは2035年以降の禁止方針を転換して条件付きで認める方向だ。ただ、基調として世界各国におけるEV推進の姿勢は崩れていない。EV普及をテコに自動車産業の覇権奪取をうかがう中国を軸に、EV大手のテスラを擁する米国のほか、欧州、日本など各国が開発・製造に向けて鎬を削っている。関連銘柄としては、部品を含むEVメーカーや充電設備の製造企業、中核部品となるリチウムイオン電池向けリチウム原料の生産企業などが挙げられる。
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電子カルテ
医療現場でのITの活用が急速に進んでいる。医療ITでベースとなるのが、患者一人ひとりのデータを蓄積する電子カルテだ。最新IT技術が現場へ導入されはじめたことで、診療録を電子化した電子カルテの機能も進化している。システム化により単に効率を高めるだけでなく、患者の検査、治療内容、リハビリ計画などのスケジュールの管理に加え、会計業務まで一貫して管理することが可能になる。米国企業の世界展開も進んでおり、サーナーの電子カルテシステムは世界30カ国以上の医療施設で導入が広がっている。
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電子機器受託生産
電子機器受託生産は、EMS(Electronics Manufacturing Services)とも呼ばれ、自社ブランドを持たず、外部企業から製造を委託された製品を作ること。企業によるアウトソーシング(外部委託)需要が増えるとともに、EMSは成長している。また、自社で工場など生産部門を持たないファブレス企業からの受託が多い。近年、ファブレス企業が増加するのと歩調を合わせ、EMSも発展、成長を続けている。
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電子決済サービス
電子決済とは、現金を使わずに、IT機器やインターネットを利用して電子的手段により商品の代金の支払いなどを行うこと。米国は「カード社会」であり、もともとクレジットカードを使った電子決済が一般化している。現金を使わないキャッシュレス化が世界的に進行するなか、注目を集めているのがスマートフォンなどを使い現金決済を行う「モバイル決済」だ。アップルが「アップルペイ」、アリババが「アリペイ」を展開するなど、大手IT企業も電子決済サービスを積極的に展開している。ペイパルやスクエアといったフィンテック関連企業によるスマートフォンなどを利用した電子決済サービスも注目を集めている。
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電子書籍
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛で電子書籍が注目を集めている。電子書籍は、パソコンやスマートフォンのほかアマゾンが販売する専用端末「Kindle」やアップルの「iPad」などタブレットを利用して読むことが多く、書籍はインターネット経由で入手するため書店に出向かなくても最新の本や新聞、雑誌を容易に入手できる。特に、米国では書籍を朗読したものを録音した音声コンテンツであるオーディオブックの市場も拡大している。関連銘柄は、前出のアマゾンやアップル、それにアルファベット、アドビといったIT大手のほか、出版大手のガネットやニューズ・コーポレーションなど。
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電子部品
電子部品は各種の電機製品を構成するパーツであり、コンデンサーやリレー、バッテリー、コネクター、半導体などその種類は幅広く、製品の機能・性能を大きく左右する。近年はスマートフォン向けの需要が高まっており、株価もその動向に左右される傾向が強まっている。
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電池関連
電池は、次世代の電気自動車(EV)やスマートフォンなどの性能を左右するキーデバイスであり、高出力化や急速充電、長寿命化、安全性の向上など性能を巡る開発競争は世界的に激しさを増している。現在の主流であるリチウムイオン電池は日本のパナソニックのほか、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)、韓国のサムスンSDIなど日中韓メーカーが主力。米国株式市場に上場する電池関連株には、燃料電池関連のバラード パワー システムズやプラグ パワー、乾電池などで実績を持つエナジャイザー ホールディングズ、太陽電池関連のファースト ソーラーなどがある。
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電力会社
電力会社は、ガス会社や上下水道などの公益企業とともに、株式市場では「ユーティリティ(Utility)銘柄」と呼ばれる。電力は産業活動、人々の日常生活において欠かせない基本エネルギーであり、着実な需要を背景に電力会社の業績には安定性がある。このため、景気低迷期には強い下値抵抗力を発揮するディフェンシブ・ストックとして注目を集めやすい特徴を持つ。また、高配当利回り銘柄も少なくなく、長期投資に向くセクターと言える。脱炭素化の流れを受けて、電力業界では太陽光や風力発電など再生エネルギーへのシフトが加速する一方、電力の安定供給の観点からCO2を排出しないエネルギー源として原子力発電を見直す動きもみられる。特に近年、生成AI(人工知能)の活用が急速に広がるなか、膨大なデータ計算・保存を担うデータセンターの世界で増設が進んでいるが、消費電力の急増による電力の需給圧迫を懸念する声も強まっている。生成AIの活用は国や産業の競争力を左右するとの見方もあり、今後、大きく増える電力需要をまかなえる供給体制を築けるかが電力会社のみならず各国政府の課題となってきそうだ。
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データセンター
データセンターとはインターネット用のサーバーやデータ通信などの装置を設置・運用することに特化した建物のこと。大容量コンテンツなど大量データの高速通信に対応し、地震などの災害対策やセキュリティ対策にも高い配慮がなされている。次世代通信規格「5G」の時代を迎えて飛躍的に通信速度が向上し、膨大なデータを瞬時に転送することが可能になったことから、データセンターに対する需要は高まっている。また、生成AI(人工知能)を活用していくためには、高速で安全性の高いデータセンターが必要になるとみられている。米IT大手がクラウドネットワーク構築のために大規模なデータセンターを所有しているほか、サーバー向け半導体やネットワーク機器関連などが関連銘柄となる。
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トイレタリー
日用品で化粧品や洗剤、洗面用具など肌を清潔に保ち、身だしなみを整える化学薬品の総称。医薬品(医薬部外品)なども含まれる。
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東京オリンピック
「オリンピック」は4年に1度開催されるスポーツの祭典。世界最大規模のイベントとして注目度が高く、夏季オリンピックと冬季オリンピックが、それぞれ2年毎に交互に開催される。2016年にブラジルで開かれた夏季のリオデジャネイロオリンピックでは、206カ国から約1万1000人のアスリートが参加して行われた。18年に韓国の平昌(ピョンチャン)で開かれた冬季オリンピックは92カ国から約3000人が参加している。20年には東京で夏季オリンピックが開催される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で1年延期され、21年7月23日から8月8日まで開催された。また、障がい者スポーツ大会の「パラリンピック」もオリンピックの終了後に同じ場所で行われ、東京大会は同年8月24日から9月5日に開催。オリンピック期間中は世界中の人々の関心を一身に集めることから、スポーツに関わる企業にとっては大きなビジネスチャンスとなり、テレビなどの放映権料やスポンサー料は大会ごとにつり上がっている。関連銘柄は、テレビ局や新聞などのメディア各社やオリンピックのスポンサー企業、シューズやユニフォームなどを扱うスポーツ関連メーカーなどが挙げられる。
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投資銀行
「投資銀行」は、企業が資金調達のために発行する株式や債券の引き受けを主な業務とし、M&Aの仲介や資産の証券化など財務戦略に関するアドバイスを行う金融機関。米金融機関では大手を中心にM&A助言を展開する投資銀行業務と株式・債券の引受業務を統合し一体運営する動きが本格化している。
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糖尿病
世界的に糖尿病の患者数は爆発的に増加している。米国では3000万人以上が糖尿病を患い、予備軍を含めれば1億人以上が対象者ともみられている。糖尿病は血糖値を下げるホルモンのインスリンが十分に働かないため、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増える病気。糖尿病は食べすぎや運動不足といった生活習慣が原因のひとつとなっており、放置すると心臓病や失明、腎不全などといった病気につながる恐れがある。糖尿病の関連銘柄には、イーライ リリィやメルク、アストラゼネカなどの大手製薬企業や、人工透析センターのダヴィータ、血糖値測定器のデクスコムなどがある。
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特別買収目的会社(SPAC)関連
SPAC(スパック)とは、「特別買収目的会社(Special Purpose Acquisition Company)」のことで、上場時に資金調達を行い、通常2年以内に未上場企業を買収・合併することを目的にしている。自らは事業を行わず、上場時にはどの企業を買収するかは不透明なこともあり「ブランク・チェック・カンパニー(白紙小切手会社)」とも呼ばれる。上場で調達した資金などで買収・合併を行い、買収・合併された会社が存続会社となる。米国では、20年には200社を超えるSPACが上場し、21年も昨年の上場企業数を上回るとみられており大きなブームとなっている。事業会社にとってSPACの買収・合併による上場は、通常の新規株式公開(IPO)に比べコストが安く、上場の準備期間が短縮できるなどのメリットがある。その一方でSAPCを通じた上場は企業内容の精査に欠ける場合もあり、玉石混交となりかねないことなどが注意点として指摘されている。SPACを通じて上場した企業には、宇宙旅行会社のヴァージン・ギャラクティック・ホールディングス(SPCE)や電気自動車・水素自動車のニコラ(NKLA)、eスポーツやオンラインカジノのドラフトキングス(DKNG)などがある。
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塗料
物の表面に乾燥した膜をつくることによって、物を保護したり、外観を整えて物を美しく見せるもの。定期的に塗り替えることにより、物を半永久的に保護できることが利点。
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銅
銅は高い加工性や導電率、耐食性などの特徴を持ち、自動車や船舶、家電製品、建造物など幅広い分野で使われている。銅の価格は世界景気の先行指標としても位置づけられており、「ドクター・コッパー」とも呼ばれている。特に、中国景気の影響は強く、足もとでは世界景気の回復期待を背景に銅価格は最高値圏に上昇している(2021年5月下旬現在)。また、ガソリン車に比べ電気自動車(EV)で使用される銅の量は大幅に増えるともみられており、EVの普及加速は銅産業に追い風となると期待されている。銅の埋蔵量が多い国はチリ、オーストラリア、ペルー、メキシコ、米国など。関連銘柄には、大手鉱山会社のフリーポート・マクモラン(FCX)やサザン・コッパー(SCCO)、BHPグループ(BBL)などがある。
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動画配信
IT大手やメディア企業の今後の事業戦略において主戦場のひとつとなっているのが「動画配信」だ。インターネットを通じて映画やドラマ、スポーツなどのコンテンツを流す動画配信では、ネットフリックスが先行し新たな市場を開拓した。足もとでは動画配信事業に新規参入したり、同事業を強化したりする動きが相次ぎ、戦国時代の様相を呈している。アップルは2019年11月から動画配信サービスを開始。ウォルト・ディズニーも動画配信サービス「Hulu」の経営権を取得したほか、「ディズニープラス」のブランド名でも配信サービスを展開。アルファベット傘下のグーグルは「YouTube」を持ち、アマゾンは「Amazonプライム・ビデオ」を展開するなど、主力IT関連企業はこぞって動画配信事業に乗り出している。ネットフリックスが独自製作作品を世界中でヒットさせるなど、その存在感は一段と高まっている。
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道路
米国は四輪車普及率で世界首位の自動車大国であり、個人の移動手段として自動車は圧倒的な地位を占める。この自動車大国を支えるのが、日本の約25倍にも及ぶ広大な国土の主要拠点を結ぶ道路網、特に高速道路網の存在である。米国は道路の総延長距離、高速道路にあたる州間高速道路の距離数でともに世界一の水準にある。ただ、近年、道路延長の伸び率を大きく凌駕するペースで道路交通量が増大するなか、老朽化が進む幹線道路の維持・補修、更新が大きな課題となっている。
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独立系石油会社・エネルギー関連
石油メジャー以外のエネルギー関連企業を独立系石油会社と呼ぶこともある。メジャーと比較して企業規模はひと回り小さいものの、成長性のある企業も少なくない。主に従来の手法で原油ならびに天然ガスを生産してきた。しかし、シェールオイルブームの到来で彼らより更に規模の小さい、シェールオイル・ガス開発に特化した業者が次々に成功するなかで、各社とも川下や海外の余剰な資産を売却し、米国内のシェール開発に乗り出している。独立系石油会社には、オクシデンタル ペトロリアムやマラソン オイル、アパッチ、石油開発企業にはシュルンベルジェなどがある。
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ドラッグストア
医薬品を中心に日用品、化粧品、文房具、食品などを幅広く扱う小売業態を指す。米国のドラッグストアの特徴としては、店舗内で簡易な診療・予防接種が可能なリテール・クリニックと呼ばれる小型診療所を備えている店舗があること。高額な保険料・医療費が指摘されている米国では、手軽で安価な医療サービスを求める人々のニーズに応える仕組みとして受け入れられている。もう一つの特徴としては飲食施設を備えたイートイン機能の充実である。医療費の高騰等はドラッグストア業態にとっては追い風であるが、一方で膨張するアマゾンなどネット企業による市場の浸食も懸念される。このため、ドラッグストア業界では規模の拡大による寡占化が進行する一方、地域に根づいたヘルスケアステーションとしての店舗の魅力の向上や、ウォルグリーンにみられるようにオムニチャネル戦略の強化などに力を注いでいる。
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ドローン
無人飛行機「ドローン」の市場は今後、急速な拡大が見込まれている。米国は世界に先駆けて商用ドローンの規制緩和に踏み切った実績を持ち、中国と並ぶ世界最大規模のマーケットとなっている。普及の初期段階ではホビー用が主流だったが、商用分野や軍事用での活用へと軸足が移りつつある。商用分野では、老朽したインフラや高所の点検作業、空中からの撮影、スマート農業(農薬散布や作物の育成データ収集)などで活用されているが、今後、目視外飛行や夜間飛行、頭上飛行などの規制緩和が進めば、市場は本格的なテイクオフが期待できる。軍事用途では、2022年のロシアによる侵攻に対して、ウクライナが監視から攻撃までドローンを駆使して立ち向かい、ドローンが戦場における必須の重要兵器となったこと実証した。また、2022年12月に日本で有人地帯で目視せずに機体を飛ばすことが可能になる「レベル4」が解禁されるなど、各国で空の物流をはじめ商業化に向けた取り組みが加速している。
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中食
家庭外で調理されたものを購入して自宅などで食事することを「中食(なかしょく)」と呼ぶ。料理店などに出かけて食事をする「外食」、購入した素材を調理して家庭で食べる「内食」に対応する概念。「中食」に該当する用語として、米国では「ホーム・ミール・リプレイスメント(HMR:家庭料理に代わる食事)」や「ミールソリューション(MR)」が用いられる。女性の社会進出が進み、共働き世帯が増えている同国においては、調理時間の短縮を図ることのできる「中食」はそのメリットが評価されて大きな市場を構成している。関連企業は、テイクアウトや食品宅配を手掛ける企業、総菜など提供する食品スーパーやコンビニエンスストア、冷凍食品を製造する食品会社などとなる。特に2019年末に発生した新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)がもたらした外出規制などにより外食産業が打撃を受ける中、活路を切り拓く手段としてテイクアウトサービス(ドラブスルー方式を含む)、ネットを活用した食品宅配サービスなどへの注目が高まった。
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NAND型フラッシュメモリ
フラッシュメモリーはデーターの消去・書き込みを自由にできる半導体メモリーのこと。NAND型は安価で高速の書き込みや消去ができる特長がある。パソコンなどで使われるUSBメモリーやデジタルカメラ用のメモリーカードなどに使われている。 NAND型フラッシュメモリーを1987年に発明したのは東芝だったが、その半導体メモリー子会社は売却され、米投資ファンド・ベインキャピタルが率いる「日米韓連合」の傘下に入った。同メモリーで世界首位を走るのは韓国サムスン電子で、その販売シェアは2位の東芝メモリを大きく突き放している。米国企業ではマイクロン・テクノロジーがNAND型を主要事業としているが、ハイテク産業での覇権を目指す中国企業も大規模投資で攻勢をかけており、競争環境は厳しさを増している。