テーマ
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葬祭
霊園の運営のほか、棺や墓標、記念碑、永代供養などの葬儀、埋葬にかかわるサービス、製品を提供する銘柄群が葬祭関連に位置づけられる。米国は海外移住者の流入に支えられて人口増を続けてきた先進国では例外的な国ではあるが、高齢化の進行は免れず、2035年までに65歳以上の高齢者が18歳未満の若年層の人口を逆転すると予想されている。日本同様に高齢者の割合が高まるにつれて死亡人口も傾向として増勢を辿るため、葬祭関連市場の規模拡大が想定される。米国市場に上場している葬祭関連ではサービス・コーポレーション・インターナショナル、ストーンモア・パートナーズ、キャリエージ・サービス、マシューズ・インターナショナルなどがある。
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素材
素材産業は、加工組み立ての前段階でメーカーにその材料を提供する企業群を指す。化学、鉄鋼、非鉄、繊維などがその範疇に含まれる。経済が活性化すれば関連企業の収益機会も広がることから株式市場では「景気敏感」の産業に位置づけられるが、市況の動向にも業績は左右される。
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その他金融
米国の金融産業の裾野は広く、事業をグローバルベースで展開する関連企業も多い。金融の主力業態である銀行、証券、生命保険・損害保険などのほかに、クレジットカード関連、資産運用会社、証券取引所、金融情報関連企業など幅広くサービスが提供されている。関連銘柄としてはクレジットカードのビザやマスターカード、取引所運営のインターコンチネンタル エクスチェンジやナスダック、資産運用会社のブラックロックやインベスコなどが挙げられる。
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ソフトバンク・ビジョン・ファンド関連
ソフトバンクグループが設立した巨大ファンド。1号ファンドは、次世代のイノベーションを起こす可能性のある企業やプラットフォームビジネスに対し、大規模かつ長期的な投資を行うことを目的として2017年5月から運用を開始。サウジアラビアのパブリック・インベストメント・ファンド、アップル、鴻海精密工業、クアルコム、シャープなどが参加し、投資先の選定はソフトバンクグループが担当する。運用規模1030億ドル(約11兆円)の巨大ファンドを誕生させたソフトバンクグループは以降、投資会社としての性格を鮮明にする。第1号ファンドの投資先はライドシェアのウーバー・テクノロジーズやグラブ、滴滴出行のほか、チャットツール大手のスラック・テクノロジーズ、シェアオフィスを運営するウィー・カンパニー、ガーダント・ヘルス、ARMホールディングス、GMクルーズなど。なお、2018年1月に主要投資先だったエヌビディアについてはその全株式を売却している。第1号ファンドの資金をほぼ使い切ったソフトバンクグループは、2019年7月に2号ファンドの設立を発表。運用規模は1080億ドル(約11.7兆円)とし、AI(人工知能)関連を中心とした先端ユニコーンへの集中投資を図る方針。アップルや鴻海精密工業、マイクロソフト、みずほ銀行など3メガ銀のほか、第一生命などが出資を行う。
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ソフト・システム開発
コンピューターで使用する文書作成や表計算などのソフトを設計・製造することを一般的にソフト(ウェア)開発という。また、コンピューターを使った業務を改善したり、これまでできなかったことを実現するためにプログラムを開発することを一般的にシステム開発という。
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空飛ぶクルマ(空飛ぶタクシー)
「空飛ぶクルマ(タクシー)」とは、航空機などに比べ手軽に利用できる、空の移動を可能にする乗り物。主に高度数百メートルの短中距離飛行を対象に、電動・自動での垂直離着陸を想定した移動手段であり、「eVTOL:イーブイトール」とも呼ばれる。滑走路が不要で都市部での移動時間の短縮、離島・山間部での利用、災害などにより道路が寸断された場合の緊急時の輸送力の確保といったさまざまな場面での活躍が期待され、次世代移動サービスとして米国や欧州、日本などで開発が進んでいる。2021年には「空飛ぶタクシー」の実用化を目指すジョビー・アビエーションがニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場するなど、株式市場での存在感が高まりつつある。24年のパリ五輪では、空飛ぶタクシーの運航が行われる可能性がある。
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損害保険
損害保険は偶然のリスクにより発生した損害を補償するための保険。自動車事故に備える自動車保険や火災に備える火災保険、事故による入院や死亡などの損害に備える傷害保険などがある。損害保険会社は安定的な収益が見込めるが、ハリケーンや地震など大規模災害が発生した場合など、保険金支払い懸念から株価は売られたりする場合もある。
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ソーシャルメディア
インターネット上で提供されるサービスで、サービスの利用者自身が情報を発信し、コンテンツが形成されるメディアの総称。インタラクティブなコミュニケーションがその特徴であり、ミニブログやボッドキャスト、動画や画像の共有サイト、ショッピングサイトの購入者評価欄などが含まれる。代表的なソーシャルメディアとしてはメタ・プラットフォームズ(※フェイスブックを運営)が提供する写真共有アプリケーションのインスタグラム、スナップの写真共有アプリのスナップチャット、ミニブログのツイッター、マイクロソフト傘下のビジネス特化SNSのリンクトインなどがある。
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太陽光発電関連
太陽光発電は、太陽光を利用した再生可能エネルギーの中核をなす発電方式。 米国で太陽光など再生可能エネルギー普及を後押しするのが、小売電力事業者に対して再生可能エネルギーの利用を義務づける再生可能エネルギーポートフォリオ基準(RPS)制度である。 また、再生可能エネルギーにおいて課題とされた発電コストも、安価なアジア製太陽電池の普及もあって大規模太陽光発電を中心に大幅に引き下げが進み、成長に弾みをつけている。米エネルギー省は2017年9月、太陽光発電のコスト低下が2020年の目標を3年前倒しで達成したと発表している。
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宅配
米国の宅配業界では小口貨物のユナイテッド パーセル サービスや航空貨物輸送のフェデックスなどが活躍している。特に、新型コロナウイルスの感染が拡大してからは、外出自粛による巣ごもり消費の拡大に伴い宅配サービスを活用する機会が増えている。フードデリバリーでは、出前注文サイトを運営するグラブハブのほか、ウーバー・テクノロジーズ(NYSE:UBER)が展開するウーバー・イーツなどが急成長している。また、在宅勤務の広がりによりパソコンや家電などの宅配需要に加え、服や雑貨といった裾野の広い分野でデリバリー需要が拡大している。ECサイトの構築ではショッピファイが活躍している。生活スタイルの変化に伴い、新型コロナウイルスの感染収束後も宅配に対する需要は増加基調が続くことが予想されている。
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たばこ
世界のたばこ産業は、アメリカを中心とした健康被害を巡る巨額訴訟などを背景に業界再編が加速している。世界の大手上場たばこ企業は、米系のフィリップ モリス インターナショナルとアルトリアグループ、日本のJT、英国のブリティッシュ アメリカン タバコといった企業に集約されてきた。さらに、フィリップモリスとアルトリアは対等合併に向け協議を行っていたが、合併協議は破談となった。世界的な健康志向の高まりで、たばこ企業への風当たりは強いが、米国の大手たばこ企業は食品企業へのM&Aなどで多角化を推進し利益を稼ぎ出すことで、投資家からの着実な評価を得ている。世界最大のたばこ会社であるフィリップモリスはマールボロ、ラーク、バージニア・スリムなどのブランドを擁し、米国市場外での事業を手掛けている。アルトリアもマールボロを有し米国を中心に事業展開している。ブリティッシュ アメリカン タバコはラッキーストライクやケントなどのブランドで知られている。
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タブレット端末
液晶ディスプレーの表示部分に指で操作するタッチパネルが搭載されている携帯情報端末の総称。一般にキーボードがなく本格的な仕事には不向きな半面、小さくて持ち運びしやすいといったメリットがある。アップルが投入したタブレット端末「iPad」を皮切りに、グーグルの基本ソフト「Android」を搭載した端末も相次いで投入され、一時はパソコンに取って代わる勢いをみせたが、スマートフォンの大型化もあって成長速度は鈍っている。 市場の成熟化に伴い、取り外しが可能なキーボードや専用のタッチペンが用意されたプロ向けのハイエンド端末や、電子書籍やネット閲覧、動画鑑賞を主目的とする廉価版まで多様な機種があり、パーソナルユースのほか、教育や医療、製造現場までさまざまな環境で利用されている。
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脱プラスチック
経済大国の米国は、プラスチック容器包装の1人当たりの廃棄量が世界1位のプラスチック大国でもある。プラスチックは環境汚染を発生させるほか、海洋生物が摂取することによる生態系への影響などが懸念されている。脱プラスチックに向けた動きは加速しており、米プラスチック協定では2025年までに全てのプラスチック包装について再利用やリサイクル、堆肥化を可能にする、という戦略を発表している。また、例えば米カリフォルニア州では包装と使い捨てプラスチックを大幅に減らす法律を22年に制定し、28年までにプラスチック包装材のリサイクル率を30%まで引き上げ、32年までに65%以上をリサイクルすることを求めた。大手コーヒーチェーン・スターバックスが世界中の店舗でプラスチックのストロー廃止を宣言したことなどが契機となり、脱プラスチックに向けた動きは活発化しており、生分解性プラスチックの導入やリサイクルが推進されている。
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蓄電池
電力を蓄える電池のこと。太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーには、エネルギー源が枯渇しない、温室効果ガスの排出量が少ないといったメリットがある一方、天候や時間帯に発電量が左右されがちというデメリットがある。これらをカバーするために活用されているのが蓄電池であり、発電された電力を蓄電し、電力需給が逼迫した際には放電することで、これらの課題をカバーする。蓄電池は再生可能エネルギーの普及には不可欠なシステムとして、脱炭素社会の実現に向けたキーデバイスの一つといわれている。また、集中豪雨や巨大ハリケーン、地震などの自然災害が引き起こす長期停電の備えとしても蓄電池の重要性は高まっている。
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知的財産
米国と中国のハイテク覇権を巡る争いが激化している。ハイテク産業の育成・強化を進める中国は2019年に国際特許出願件数で米国を逆転し世界首位に立った。特にAI(人工知能)や自動運転車、再生医療など重要視されているハイテクの多数の分野で中国の躍進は著しく、米国は危機感を強めている。5G基地局で世界首位に立った中国ファーウェイに対する苛烈な制裁姿勢はその表れであろう。知的財産戦略の優劣は国の競争力を大きく左右する可能性があるだけに、ハイテク産業を牽引する巨大テック企業群を擁し、特許の質ではなお中国に対し優位にあるとされる米国においても、知的財産の重要性は今後一段と高まっていくとみられる。こうした流れの中で、特にAIや量子コンピューター、自動運転車、再生医療、5G、ブロックチェーンなど次世代の基幹技術に関わる知的財産を有する米国企業の動向が注目されよう。
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チャットボット
対話型AIは、人間とコンピュータとのやりとりを人間同士の会話に近づけるためのテクノロジー。マイクロソフトが出資する米新興企業の米オープンAIは2022年11月に対話型AIを利用したチャットボット(自動応答システム)の「ChatGPT(チャットGPT)」を公開した。質問に対してあたかも人間のように自然な文章で回答が行えるチャットGPTは、その高い性能により世界中に衝撃を与えた。公開から2カ月で月間アクティブユーザー数は1億人に達したとみられており、この利用者数の急速な拡大は、チャットGPTを他のAIに比べ優位な位置に押し上げているとみられている。チャットGPTに対抗する格好で、アルファベット傘下のグーグルが対話型AIサービス「Bard(バード)」を公開するなど、対話型AIを巡って世界各国で開発機運が高まっている。対話型AIは、検索サービスの業界に地殻変動を起こすことが予想されているほか、コンサルティングや記事執筆、プログラミングコード生成など様々な業界に革命的な変化をもたらす可能性があり、その動向は高い関心を集めている。
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中型株ETF
中型株により構成された指数をベンチマークとするETF。
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中古車
米国の中古車販売の市場規模は、日本円で30兆円前後に上る巨大な産業であり、年間の販売台数は4000万台強と新車販売の約3倍に達している。新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年以降、移動手段を公共交通機関から自動車に移す動きもあり、中古車の販売は好調な状況が続いている。米国の中古車オークション大手マンハイムが公表している米国の中古車価格の指標「マンハイム指数」は21年に急上昇している。その要因としては、新車に比べ割安な中古車の需要が盛り上がったことや、半導体不足で新車供給が細ったことで中古車へ需要がシフトしたことなどが挙げられている。中古車販売会社には、カーロッツ(LOTZ)やカーヴァナ(CVNA)、カーグルズ(CARG)、カーマックス(KMX)などがある。
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中国ETF
中国の証券取引所に上場する株式で構成される指数をベンチマークとするETF。著しい経済成長により米国に比肩する経済大国へと変貌を遂げている同国だが、その産業構造は「低コストの世界の工場」から急速に「先端ハイテク主導による高付加価値化」へとシフトしつつある。米国のプラットフォーマーに対抗し得る企業も育つ一方で、中米両国の貿易摩擦は激化している。世界経済の覇権を米国と争うにまで至った同国の経済成長は、株式市場においても大きなテーマであり、中国株ETFは有力な投資手段ともなる。
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中南米関連
南米は鉱山など豊富な地下資源を有し、その経済は高い潜在的な成長性を有している。「米国の裏庭」とも呼ばれ、米国企業の影響力の強い地域としても知られる。ただ、足もとで南米最大の経済大国であるブラジルは低成長が続いているほか、アルゼンチンやベネズエラなど経済不振に陥っている国も目立つ。その一方でチリやペルー、ボリビアなどは順調な経済成長を示している。南米地域には成長に向けて資源産業への依存度を減らし、より裾野の広い産業基盤を構築することが求められている。関連銘柄は、南米最大の電子商取引(EC)企業でアルゼンチンに本社を置くメルカドリブレ、ブラジルの大手航空機メーカーのエンブラエルや総合飲料会社のアムベブ、大手資源会社のヴァーレ。それにチリの大手化学メーカーであるソシエダード・キミカ・イ・ミネラ、アルゼンチンの総合エネルギー会社YPFなど。
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通信
通信とは、電気や電波を使って音声や文字、画像などのデータなどをやりとりすること。通信には固定電話、携帯電話、IP電話、光ファイバーなどさまざまなツールが有線、無線、その組み合わせにより用いられる。 電話は最も身近なコミュニケーションツールだが、携帯電話、さらにはスマートフォンの登場により情報収集に秀でたインターネット端末へと進化し、従来の音声やテキストのみならず動画、音楽などより大容量のデータも容易に取り扱うことが可能になった。 スマートフォンの普及に伴い、通信インフラも高速・大容量のデータに対応すべく進化が続く。次世代の移動体通信方式である5Gでは、その通信速度は毎秒10ギガ(ギガは10億)ビット超とLTEの1000倍の容量を持ち、無線区間の低遅延化や、センサーネットワークなどにおける多数同時接続が可能となる。自動運転やIoTを支えるインフラとして「通信」の重要性は一段と高まっている。
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月探査
米国が主導し月に宇宙飛行士を再び送り込む「アルテミス計画」が本格始動した。同計画では、アポロ計画以来、約半世紀ぶりの有人月面着陸を目指している。米航空宇宙局(NASA)は第一弾として、2022年11月に新型ロケットを使った宇宙船「オリオン」の打ち上げに成功しており、24年に有人飛行試験、25年の月面着陸を目標としている。更に、月面に基地を作り、火星への有人飛行も目指している。月探査に関しては、中国やロシアなども注力しており、日本やヨーロッパも参加するアルテミス計画との国際的な競合も激しくなっている。月探査を含む宇宙開発はビッグビジネスへの成長期待が膨らんでおり、宇宙ロケットの製造や打ち上げ、インフラ整備、宇宙基地の開発などに絡む関連企業への注目度は高まっている。
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鉄鋼
鉄鋼とは鉄を主な成分とする金属材料の総称。純鉄や鋼、鋳鋼、合金鋼、銑鉄、鋳鉄、フェロアロイなどがある。最も加工が容易な金属であり、安価である特徴を持つ。自動車や飛行機、鉄道、刀剣、建築材料、飲料缶などあらゆる分野で使われている。世界の大手鉄鋼メーカーは、中国や日本、韓国などの企業が上位を占めており、米国勢は中位以下にとどまっている。近年の業界環境は、世界の鉄鋼需要の半分を占めると言われる中国が新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ政策」を取ったことが同国に景気低迷をもたらし、世界の鉄鋼業界の不振につながった。しかし、中国が2022年12月にゼロコロナ政策を事実上撤回したことで、鉄鋼業界には追い風が吹くとの期待が強まっている。
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鉄鉱石
鉄鉱石は鉄分を多く含有する鉱産物で鉄鋼製品を生産するために不可欠な原料であり、オーストラリアやブラジルなどが原産国。鉄鉱石事業で世界最大規模を誇るのがヴァーレであり、リオ ティント、BHPビリトンとともに鉄鉱石3大メジャーと称される。なお、中国の鉄鋼生産量などが鉄鉱石価格に影響を与えることがあり、近年は中国経済動向と連動して注目されることが多い。
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鉄道関連
米国はかつて世界最大の鉄道王国であったが、モーターリゼションの進展により自動車が近距離運送の主役を担い、また遠距離運送で航空機が台頭したことで、鉄道業界では地盤沈下と寡占化が進んだ。現在では主要な鉄道は旅客輸送から退き、穀物や原油、工業製品などの貨物輸送を主力としている。特に鉄道における燃料費や労働費の安さが見直される中、鉄道とトラックを組み合わせたインターモーダル輸送(複合輸送)が存在感を増している。また、同国の鉄道の特徴として、私企業が鉄道経営を担っている点が挙げられる。
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テレワーク
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、企業のテレワーク需要が高まっている。新型コロナウイルスによる影響は将来的には落ち着いていくとみられるが、テレワーク促進の動きは長期的な流れとなることが予想されている。出社や出張も抑制される動きが強まるなか、テレビ会議ソフトを手掛けるズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)やシスコ・システムズ(CSCO)が注目を集めている。また、組織による共同作業を可能とするコラボレーションツールの活躍機会も増える。SkypeやTeamsを擁するマイクロソフト(MSFT)、Slackのスラック・テクノロジーズ(WORK)などが関連銘柄となる。
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天然ガス
天然ガスは地球にやさしいクリーンなエネルギーと呼ばれている。地球温暖化で二酸化炭素(CO2)の削減が求められるなか、天然ガスは発電用の燃料などとして広く使われている。これまで技術的な制約などにより地下数百メートルに埋もれているガスが主に利用されてきたが、“シェール革命”により地下数千メートルの頁岩からシェールガスの採掘が可能になったことで天然ガスを巡る勢力図は大きく変化した。 シェールガス増産により、ロシアを抜き天然ガスの世界最大の生産国となったのが米国である。シェールガスをマイナス162度で液化したLNG(液化天然ガス)輸出にも注力し、エネルギー分野での支配的な地位の確立を目指している。 また、安価なガスの増産を背景に、ガスを燃料とする火力発電の石炭火力に対する競争力が高まっており、温暖化ガス排出量の低減にも貢献している。
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テーマ型ETF
株式市場において投資家の関心が高い投資テーマに着目し、関連企業への投資を行うETF(上場投資信託)。株式市場では技術潮流や社会的な課題、自然環境などを背景に、半導体やクリーンエネルギー、ゲノム、サイバーセキュリティといったさまざまなテーマが話題となり、投資家の注視を集める。ただ、各々のテーマに関連する企業は多いうえ、海外企業の成長性を個々に吟味するには一定の知識・ノウハウも求められる。テーマ型ETFでは、投資対象としてプロが精査した銘柄が組み込まれており、リスク分散の観点からも有力な選択肢となる。一方でテーマ型ETFは相対的に手数料が高めであるほか、投資対象銘柄を少数に絞り込んでいるタイプもある点には注意を要する。
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テーマパーク
映画やアニメなど特定のテーマをベースにした観光施設で、ホテルや商業施設を含めた大型リゾート地として開発されることもある。
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ディエム
ディエムの前身は米メタ・プラットフォームズ(※フェイスブック、インスタグラムを運営)を中心にリブラ協会が発行を計画していた暗号資産「リブラ(Libra)」。リブラはビットコインに代表される仮想通貨と同様にブロックチェーン技術を基盤とするが、複数の法定通貨や資産によって裏付けられたステーブルコインであり、投機的な価格変動を抑える仕組みを備えるものとなる計画だった。新興国を中心に世界で数十億人存在する銀行口座を持たない個人にも、スマートフォンでネット接続さえできれば金融サービスを提供できる、いわば次世代のグローバルな金融インフラの構築を目指す野心的なプロジェクトであった。国をまたぐ送金でも時間を要さずに低コストで行えるため、送金や決済機能を中心にその可能性が注目されていた。しかし、メタが中心企業ということもあり、個人情報保護やマネーロンダリングなど安全性への懸念、既存の金融システムへの影響などを警戒する声もあり、米議会を中心に各国の政府関係者、金融当局の一部に発行中止や規制強化を求める動きが表面化。有力企業が運営団体への参加を見送ったこともあって、リブラを主導するメタのザッカーバーグCEOは「米当局の認可を得られるまで全世界で発行に関与しない」と議会で述べ、当初目標としていた20年発行を事実上断念。その後、複数の法定通貨バスケットの採用を見送り、単一通貨を裏付け資産するステーブルコインとして、リブラは20年12月に「Diem(ディエム)」に名称変更された。当面、ドルを裏付け資産とする「米ドル版ディエム」の発行を目指すとしており、今後の動向が注目されている。