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肥満症治療薬
肥満は糖尿病や高血圧、脂質異常症など様々な病気を引き起こす原因となることが指摘されている。肥満の患者は世界的に増えており、その治療薬は巨大な潜在市場があるとみられる。2021年頃に2000億円強だった肥満症治療薬の市場規模は、28年に1兆6000億円規模に達するとの予想もなされている。これまで肥満対策ではライフスタイルの変更などが主流と見られてきたが、近年はバイオ企業などによる肥満症治療薬の開発が活発化。従来の糖尿病治療薬を転用する格好で、皮下注射タイプや経口薬が市場に投入されているほか、中枢神経系に作用して食欲を抑える薬剤や、ホルモンに焦点を当てた新薬開発などが進んでいる。
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百貨店
「百貨店」は、専門店を面積が広い大規模な店舗に集約し、多種類の商品を展示陳列して販売する小売店のこと。 米国ではアマゾンに代表されるオンラインショップの台頭により、百貨店は厳しい競争環境に置かれている。このため、百貨店各社は集客強化に向けてリアル店舗におけるショッピング体験の改善に努めているほか、ネットを含めたオムニチャネル戦略などを推進している。
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肥料
肥料は、植物の栄養に供すること、または植物の栽培に役立つ土壌に化学的変化をもたらすことを目的として土地に施される物および植物の栄養に供することを目的として植物に施されるもの。米国株式市場ではニュートリエンやモザイクといった肥料メーカーのほかに、ダウデュポンから分離したコルテバ、肥料を取り扱う穀物メジャーなどが関連株として挙げられる。
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ビジネスインテリジェンス
ビジネスインテリジェンス(BI)は、企業内に分散された膨大なデータを収集し、分析・加工・可視化を行い、製品・サービス、業務の改善など経営戦略の意思決定に役立つ情報として抽出する仕組み。多くの企業で競争力の源泉としてビッグデータの活用が進む中、事業を巡る環境は変化の速度と多様性を高めており、これらに適切に対応して迅速かつ合理的な経営判断を下すことが企業には求められている。BIは企業の競争力を維持・強化するプロセスとして注目されており、データの収集、集計、分析、可視化(さまざまな情報を複数のグラフ・表にまとめて一覧できるダッシュボードやレポート作成など)を担うBIツールの導入が企業で進んでいる。
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ビジネス・プロセス・アウトソーシング
ビジネス・プロセス・アウトソーシングは、総務や人事、経理などのデータ入出力作業、購買・調達の支援、顧客とのコミュニケーションを担うコンタクトセンターなどの業務を外部委託するもので一般的にBPOと略されることも多い。その対象となる業務範囲は幅広く、単純作業や雑務のみならず情報システム、調査といった付加価値のある業務まで含まれ、多種多様な企業がBPOに関わっている。欧米を中心に導入が進み、今日ではリソース不足に悩む多くの企業が取り入れており、市場は着実に拡大傾向にある。委託する側はアウトソーシングを活用することにより、自社のコア事業部門に専念することができ、経営の効率化や収益成長に力を注ぐことが可能となるなどメリットは大きい。BPOを提供する企業には世界首位のIBMをはじめコグニザント・テクノロジー・ソリューションズ(CTSH) 、アクセンチュア(ACN)などがある。
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ビッグデータ
ビッグデータは「21世紀の石油」とも呼ばれ、データを握る者が世界経済を制するとも言われている。「データーエコノミー」の時代の核を成すのが、多様なデータの集積であるビッグデータだ。そのビッグデータを握り「プラットフォーマー」とも呼ばれているのが、GAFA(アルファベット(※グーグルを運営)、アップル、メタ・プラットフォームズ(※フェイスブック、インスタグラムを運営)、アマゾン)の総称を持つ米大手ITメーカーであり、中国大手IT企業のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)との競合も激しさを増している。このなか、世界的なビッグデータ争奪戦が市場の関心を集めている。関連企業は上記のGAFAやBATのほか、マイクロソフトやIBM、スプランク、クラウデラなどがある。
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病院経営
米国では民間の上場企業が病院経営を行うことは珍しいことではない。 米国の医療を支える医療保険制度は、国民皆保険を採用する他の先進国とは異なり、国が提供する社会保障としての機能は限定的であり、代わって民間保険会社や民間医療機関の力が強まった。 米国の医療機関については日本などと比べ病院数の少なさ、通院日数の短さ、ベッド数あたりの売上の高さ、医療組織の役割の細分化などが指摘されている。また、高度医療技術では世界最先端を走る国でもある。 ただ、医療費の抑制は先進国に共通した課題であり、合理化・標準化を推し進めた米国の病院も例外ではなく、経営環境が変化する中、各社の手腕が注目される。
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美容・フィットネス
「肥満大国」とも呼ばれるアメリカでは、国民の10人に4人が肥満度を示す体格指数(BMI)で「肥満」に分類されるとも言われている。健康面からも肥満が問題視されるなか、米国ではフィットネスクラブなどダイエットに関係する産業が大きな市場を形成している。また、いつまでも若く、美しくありたいとの願望から美容産業への需要も強く、化粧品を含めた美容産業の市場が拡大している。季節の変わり目は、化粧品の新商品の販売シーズンであるほか、春から夏にかけてはダイエットなどフィットネスの需要も高まりをみせる傾向があり、関連銘柄の動向も注目されやすい。
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ビリオネア銘柄
米国では、ウォーレン・バフェットやジョージ・ソロス、レイ・ダリオ、ジョン・ポールソンといった世界的な著名投資家たちが保有している株式は「ビリオネア銘柄」として注目されている。資産運用に長けた著名投資家の保有株を参考にポートフォリオを組むことで好パフォーマンスを狙える可能性もある。 関連銘柄は、IT大手のアップルやアルファベット、ゲームソフト大手のエレクトロニック アーツやアクティビジョン ブリザード、医療機器のバクスター インターナショナル、世界的な医薬品開発受託会社のアイキューヴァイア ホールディングス、アルコール飲料会社のコンステレーション ブランズなど。
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ビール
ビールは「ビール純粋令」で今日の礎を築いたドイツのイメージが強いが、国別消費量では他を引き離して首位の中国、米国、ブラジルが3強であり、これにドイツ、ロシアが続く。1人当たり消費量では20位前後にとどまるものの、米国は総消費量の規模ではビール大国といえる。同国生まれのビールには「バドワイザー」「クアーズ」「ブルームーン」など日本人にも馴染みあるブランドが多い。ただし、「バドワイザー」を手掛けるアンハイザー・ブッシュ社がベルギー社に買収される(現アンハイザー・ブッシュ・インベブ)など、同国の大手醸造会社は外資企業がほぼ傘下に収めている。
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ファストフード
ファストフード発祥の地である米国は、ファストフードチェーンの本場でもある。米国で誕生したファストフード店が世界的な有名チェーンへと発展した例は数えきれない。手軽で安価なファストフードは海外の新興国などでの展開も見込め、成長期待の高い分野といえる。主な関連銘柄は、ハンバーガーの代名詞的な存在で世界首位の外食企業であるマクドナルドのほか、ケンタッキーフライドチキンやピザハット、タコベルを傘下に持つ世界屈指のファストフード大手ヤム・ブランズ、バーガーキングを展開するレストラン・ブランド・インターナショナル、世界最大級のコーヒーチェーンであるスターバックス、それにハンバーガー用などに植物由来の代替肉を提供するビヨンド・ミートなど。
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ファブレス
ファブレスとは自社で工場などの生産設備を持たず、外部に生産を委託する経営方式を意味する。ファブレスには(1)開発や設計、マーケティングなどに経営資源を集中することにより、競争力の強化を推し進められる、(2)生産設備を自社で保有しないため、市場環境の変化や技術の進歩などにも柔軟に対応できる、(3)設備投資負担がないため資金力が限られる企業でも急成長が可能など、多大なメリットがある。米国では半導体関連業界を中心に多くのファブレス企業が存在する。代表的なファブレス企業としては「iPhone」を手掛けるアップルのほか、クアルコム、ブロードコム、エヌビディア、アドバンスト・マイクロ・デバイセズなどの半導体企業、スポーツ用品のナイキなどが挙げられる。また、ファブレス半導体メーカーやアップルなどの成長の背後には、受託製造に専念するファウンドリーと呼ばれる企業の存在がある。ファウンドリーの代表的な企業が半導体の受託製造で世界最大手に君臨する台湾積体電路製造(TSMC)であり、そのプロセッサ製造技術は半導体業界の巨人といわれたインテルを凌ぐほどの進歩を遂げている。
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FAANG
米国の大手IT企業を指す言葉で、「ファング」と呼ばれる。メタ・プラットフォームズ(※フェイスブック、インスタグラムを運営)、アマゾン、アップル、ネットフリックス、アルファベット(※グーグルを運営)の頭文字を取った総称。米株式市場の時価総額上位を占め、上昇相場の牽引役を果たしてきた。アップルを除き「FANG」とする場合もある。各分野で圧倒的な競争力を持ち、そのWebサービスや商品を使い第三者による広告やコンテンツ販売などが活発に行われていることから「プラットフォーマー」とも称されている。また、アルファベット(※グーグル)、アップル、メタ・プラットフォームズ(※フェイスブック)、アマゾンの4社を「GAFA(ガーファ)」、あるいはマイクロソフト、アップル、エヌビディア、テスラを「MANT(マント)」と呼ぶこともある。
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FAANG2.0
2022年2月のロシアによるウクライナ軍事侵攻を契機に、世界は原油などエネルギーや穀物価格の上昇に揺れ、防衛費拡大に向けた流れが強まった。そうしたなか、株式市場では「FAANG2.0」関連銘柄が注目を浴びている。従来の「FAANG」は、フェイスブック(現メタ・プラットフォームズ)、アップル、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル(親会社はアルファベット)といった大手IT企業5社の頭文字を取ったものだった。しかし、「FAANG2.0」は燃料(Fuels)、航空・防衛(Aerospace and defense)、農業(Agriculture)、原子力と再生可能エネルギー(Nuclear and renewables)、金・金属・鉱物(Gold, metals, minerals)の5分野の頭文字を取っている。市場の人気も従来の大手IT・ハイテクといった巨大テック銘柄から、インフレ耐性がありバリュー色の強いエネルギーや農業、防衛などに移るなか「FAANG2.0」は相場の基調変化を示す象徴的なキーワードとなっている。
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フィンテック
フィンテックとは、金融(finance)と技術(technology)からなる造語で、インターネットや人工知能(AI)などのIT(情報技術)を利用した新しい金融サービス。ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)が代表例だが、スマートフォン決済・送金、オンライン融資、個人財務管理サービス、クラウドファンディングなど、さまざまな事業形態がある。また、フィンテック系サービスが扱うのはマネーと個人データという最もセキュリティーが重視される分野であることから、情報セキュリティーに対する関心も一段と高まりつつある。また、フィンテックの関連技術として注目を高めているのが、取引などの記録をコンピューターのネットワーク上で管理するブロックチェーン(分散型台帳技術)である。ビットコインなど暗号資産の基本技術となっているほか、契約や登記などの分野でも応用され、潜在的な成長性は計り知れない。また、ブロックチェーン技術の活用により情報が保証されたデジタル資産「ノンファンジブル・トークン」(NFT、代替不可能なトークン)の動向も注目されている。