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    2026年6月16日 0時12分

    原油、和平合意もひっ迫は今後数カ月間続く

     米国とイランの和平合意への期待から、本日は原油相場が急落しており、WTIは一時80ドルを割り込む場面も見られた。ただ、数十年で最大級とされる供給混乱の終息が見込まれるものの、エネルギーのトレーダーや業界幹部からは、船舶の再配置やインフラ修復、在庫積み増しが必要なため、原油市場のひっ迫は今後数カ月間続くと見ている。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えた。

     「金曜日に署名予定の和平合意は、市場の安全弁にはなっても、一気に供給を回復させる放水門にはならない」との見方が強い。ホルムズ海峡の航行は依然として低調。イラン海軍による公式な海峡再開の通知はなく、足止めされた船舶の滞留や乗組員の交代を考慮すると、海運体制の正常化には数週間から数カ月を要する見通しだという。長期間の停泊で船底に付着した藻類の清掃など、船舶運航の正常化プロセスも時間を要する。

     さらに、原油や液化天然ガス(LNG)の供給が市場に届くまでにはさらなる時間が必要となる。安全確認後に湾内へタンカーが戻り、生産を再開しても、原油がアジアの消費地へ到着し精製されるまでに約52日かかる。6月下旬に海峡が再開しても供給改善は8月下旬、本格的な正常化は9月以降になるとみられ、それまで消費国は在庫を取り崩し続ける必要がある。

     中東の原油生産回復も長期化する見込み。5月時点の原油生産量は紛争前よりも日量1100万バレル以上減少しており、以前の水準近くへの回復には4ー6カ月を要すると分析されている。特にイラクなどでは海外技術者の流出や資材不足で被害把握が難航、古い油田の恒久的損傷も懸念され、インフラ修復費用は少なくとも580億ドルに達すると試算される。

     世界の原油在庫は3月から4月にかけて約2億5000万バレル減少。米国でも戦略石油備蓄(SPR)の大幅な取り崩しが進んでおり、回復には数カ月を要する。市場は、供給障害そのものよりも供給が実際に市場へ戻るまでの空白期間こそが最も脆弱な局面になると警戒を強めている。

    株探ニュース