世界的な著名投資家であるウォーレン・バフェット氏は、「オマハの賢人」と呼ばれ、バリュー株に対する長期投資を行い、巨額の資産を築いたことで知られる。その投資先は、強靱な事業内容を誇り継続的に利益を創出している企業が主力であり、株価が本質的な価値よりも過小評価されているタイミングで投資を行い、長期保有し続けることに特徴がある。同氏が率いるバークシャー・ハサウェイは、元々は繊維会社だったが、保険や公益、エネルギー、金融会社などへ積極的な投資を続け世界最大級の投資会社に変貌し、いまや米国市場における時価総額上位企業に成長している。バークシャーの保有する銘柄は、「バフェット関連株」と呼ばれ、その持ち株の動向は市場の高い関心を集めている。代表的なバフェット関連株としては、長年にわたって保有し続けているコカ・コーラとアメリカン・エキスプレスが挙げられる。いずれもブランド力と安定した収益力を重視するバフェット氏の投資手法を象徴する銘柄といえる。また、アップルは近年までバークシャーの最大保有株であり、一部売却が進められているものの、依然として重要な投資先の一つとなっている。このほか、シェブロンやバンク・オブ・アメリカなどのエネルギー・金融セクターの主要銘柄も、重要なバフェット関連株として注目されている。近年、特に関心を集めたのが日本の大手総合商社への投資だ。バークシャーは伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅といった日本を代表する商社株を取得し、長期保有の姿勢を示している。60年にわたりバークシャーを率いてきたバフェット氏だが、2025年末でCEO(経営最高責任者)を退任、2026年1月にグレッグ・アベル氏が新CEOに就任し新体制が始動する。バフェット氏は経営の一線からは退くものの、同社株を相当量保有し続ける考えであり、会長として助言的な立場で関与するとみられている。後任のアベル氏はバークシャーの投資手法に変化はないと述べており、バフェット氏の投資哲学を引き継いだバークシャーの保有銘柄は、今後も株式市場で注目され続けそうだ。