ヘルスケア産業は、医療・医薬から介護・福祉など幅広い分野をカバーしている。ヘルスケアは人の生命に関わるものであり、景気変動リスクが小さく、安定した業績が見込める。一般的に米ヘルスケア関連株はバリュエーション面から割安な銘柄も多く、中長期投資に向くとみられている。また、2024年11月の大統領選挙に向けて民主党候補者として臨むカマラ・ハリス副大統領は、全米6000万人以上の高齢者・障害者が加入する公的医療保険「メディケア」を拡充する姿勢を示しており、ヘルスケアは一段と注目を浴びる可能性がある。一方、米バイデン政権は8月15日に「メディケア」利用者が服用する10種類の医薬品の薬価引き下げで製薬会社と合意したと発表。物価高抑制に向けた成果としてアピールを行ったが、メディケア交渉による薬価引き下げの影響についても注視しておく必要はありそうだ。関連株には、医薬関連事業を幅広く手掛けるジョンソン・エンド・ジョンソンや世界最大の民間病院チェーンHCAヘルスケア、米国最大のドラッグストアのCVSヘルス、医療保険最大手のユナイテッドヘルス・グループなどがある。