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    2025年11月13日 2時45分

    イランの行方不明のウラン、IAEAが懸念強める

     国際原子力機関(IAEA)の新たな報告書によると、イスラエルと米国による空爆で被害を受けた施設について、イランが沈黙を続けていることが、核兵器級に近い濃縮ウラン備蓄の状態や所在に対する懸念を強めている。ブルームバーグが伝えた。

     文書によれば、IAEAは6月中旬以降、イランの核燃料備蓄を検証できていないと改めて指摘。

     IAEAのグロッシ事務局長は「イラン国内の核物質にIAEAが5カ月間アクセスできていないという事実は、通常の保障措置に基づく検証の観点から著しく遅れていることを意味する」と記し、ウランの所在についてイラン政府が報告していないことは深刻な懸念事項だと述べた。

     衛星画像によれば、イスラエルと米国による攻撃は、イランの地表にある核関連施設の大半を破壊したとされるが、同時に国連査察官が数十年に渡り続けてきた巨大な原子力施設へのアクセスも失わせる結果となった。

     イランは一貫して核兵器の開発を意図しているとの疑惑を否定。1期目のトランプ大統領が2015年の核合意から離脱し、経済制裁を強化する措置を取った後、イランはウラン濃縮を加速させたと主張している。

     グロッシ事務局長は、イランが協力を改善しない限り同国の核計画が純粋に平和目的であるとは保証できないと改めて述べた。

     トランプ大統領が6月にイランの主要核施設の一部を大規模に空爆したことで、両国の間で進められていた対話再開に向けた交渉は即座に頓挫した。これ以降、イランは再び空爆されないという保証が得られない限り、協議に復帰する用意はないとの立場を示している。


    株探ニュース