ＩＭＦは本日、政府債務が２０２０年代末までに世界のＧＤＰ総額に匹敵する水準に達し、経済成長が弱まるか利払いが予想を上回れば、その水準を遥かに早く超える可能性があると述べた。ＩＭＦは政府財政に関する半年ごとの報告で、債務を安定させるか削減するには向こう５－７年間に前例のない規模の歳出削減と増税が必要になるとした。

　ＩＭＦ財政局のダブラノリス氏は「各国政府は財政を整える時期に来ている」とし、「全ての国で債務リスクを軽減するための戦略的転換が必要だ」と述べた。

　ＩＭＦは財政政策に変更がない場合、米国や中国などの大規模な借り入れ増加により、今年の政府債務が１００兆ドルに達し、世界の年間の財・サービス生産の約９３％に相当すると推計している。米国と英国では、他の先進国と比較してＧＤＰ比で税収が比較的低い水準にあるため、税収を増やす余地がある。

　ＩＭＦは、米国では売上税や高所得者への課税で税収を増やす余地があるとみている。一方、貧困国では徴税をより効率化し、非課税経済の規模を縮小することで、政府が税収を増やす余地が大きくなると述べた。

株探ニュース