（NY時間14:01）（日本時間03:01）
サークル<CRCL>　87.13（+56.13　+181.07%）

　ステーブルコインを発行するサークル・インターネット<CRCL>が本日ＮＹ証券取引所に上場し、ＩＰＯ価格３１ドルに対し、初値が６９ドルで取引を開始。一時１０３．７５ドルまで急騰する場面も見られ、力強い滑り出しとなった。

　同社と一部株主が強い需要を背景に２度の増額を経て、約１１億ドルを調達。同社と共同創業者兼ＣＥＯのアレア氏らが保有する株式３４００万株の売り出しは、当初の３２００万株から増額。販売価格帯も当初予定の２７－２８ドルから３１ドルまで上方修正された。

　この株価での取引により、同社の発行済株式に基づく時価総額は２１０億ドルに達し、従業員のストックオプションや譲渡制限付き株式、ワラントを含めた希薄化後の評価額は約２６０億ドルとなる。

　今回のＩＰＯはステーブルコインが現在、米議会で審議中の法案により規制対象となる動きを背景に行われた。これは機関投資家の導入を促す可能性があり、一方でウォール街の大手銀が独自のステーブルコインの発行を模索しているとの観測もある。

　同社のステーブルコイン「ＵＳＤＣ」は時価総額ベースで２番目に大きく、３月末時点で市場シェアは２９％、５月２９日時点で約６１０億ドル分のトークンが流通している。

　著名ファンドマネジャーのキャシー・ウッド氏率いるアーク・インベストメントが最大１憶５０００万ドル分の株式取得を検討しており、ブラックロック<BLK>もＩＰＯ株式の約１０％取得を計画しているとも報じられている。

【企業概要】
　ステーブルコインインフラ、銀行・準備金管理インフラ、ブロックチェーンインフラ、開発者サービスアプリケーションプラットフォームで構成されるCircleステーブルコインネットワークを提供する。大手金融機関やテクノロジー系機関との提携を通じて、Circleステーブルコインの普及と採用を促進。

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース