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    2024年5月26日 17時00分

    株価指数先物 【週間展望】 ―米経済指標を睨んでの展開も、テクニカルシグナルは好

     今週の日経225先物は、引き続き米国の経済指標の結果を睨んでの相場展開になりそうだ。週末24日の米国市場では、5月のミシガン大消費者信頼感指数(確報値)が69.1と速報値(67.4)から上方修正されたものの、5カ月ぶりの低水準だったほか、1年先の期待インフレ率が3.3%と速報値(3.5%)から低下したため、インフレ圧力が和らぐとの見方から、主要な株価指数は上昇した。

     ただし、先週の米国市場はNYダウが週間で900ドル超下落した。米連邦準備理事会(FRB)が22日に公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月30日~5月1日開催分)で、参加者がインフレ警戒の姿勢と、政策金利をより長期に維持するのが望ましいとの考えを示したことが明らかになった。

     また、23日発表の新規失業保険申請件数が前週比8000件減少し、21万5000件と予想(22万件程度)を下回ったほか、5月の米購買担当者指数(PMI)では総合PMI、製造業PMI、サービス業PMIいずれも予想以上だった。インフレ再加速を示す内容として、FRBが利下げを急がないとの見方が相場の重荷となった。

     今週の米国は週明け27日がメモリアルデーの祝日で休場となり、4日間の取引となる。28日に5月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数、29日に5月のリッチモンド連銀製造業指数、米国地区連銀経済報告(ベージュブック)、30日には1-3月期GD改定値、そして31日には4月の個人消費支出(PCEデフレーター)、5月のシカゴ購買部協会景気指数などの発表が予定されている。

     6月11~12日にFOMCが開催されることから、ブラックアウト期間(中銀関係者による金融政策に関する発言を禁じた期間)入りを前に、今週は要人発言が集中する可能性がある。また、経済指標の結果を受けて思惑的な動きも強まりやすく、模様眺めムードが高まりやすい。

     先週の東証プライムの売買高は週初こそ18億株だったが、その後は15億株台が続き、週末は13億株台と薄商いの状況だった。今週も商いは膨らみづらく、先物主導の売買に振られやすいだろう。

     足もとの日経225先物は、75日移動平均線(3万8720円)とボリンジャーバンドの+1σ(3万8830円)を挟んで推移しており、25日線(3万8320円)と+2σ(3万9340円)辺りでのレンジを継続している。週間形状では13週線(3万8870円)に上値を抑えられているが、下値を徐々に切り上げるトレンドを形成している。

     先週は、いったんは13週線を上回る場面も見られたが、週末の終値では同線をキープできなかったことで、引き続き上値抵抗線として意識されやすい。ただし、下値を切り上げてきているトレンドのため、煮詰まり感が意識されてきており、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

     また、一目均衡表では雲の中にあるが、今週は雲が一気に縮小してくる。膠着のなかでも自然体で雲を上放れてくる可能性があるほか、遅行スパンが実線を下から上に突き抜ける上方シグナルを発生させてくると考えられる。トレンドが出やすいタイミングに入ってきており、米国市場睨みではあるが、ややロングが強まる展開を想定しておきたい。

     日経225先物は24日の取引終了後のナイトセッションで75日線をクリアし、+1σ水準を捉えてきた。そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円のレンジを想定し、75日線を上回っての推移が固まる局面では3万8750円から3万9250円のレンジに移行しよう。

     そのほか、先週はエヌビディア<NVDA>の決算が評価され、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買われる場面が見られた。24日の米国市場でエヌビディアは2%を超える上昇で連日の最高値更新となった。マイクロン・テクノロジー<MU>、アームホールディングス<ARM>、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>なども買われており、週末に日経平均株価の重荷となった値がさハイテク株を見直す動きが見込まれる。

     24日のVIX指数は11.93(前日は12.77)に低下した。23日には一時11.52まで低下し、2019年11月以来の低水準となった。その後は雇用指数が予想を上回ったことで利下げ期待の後退によって主要な株価指数が下落するなか13.37まで上昇する場面もあった。週末は前日の上昇に対する反動安の範囲であるが、リスク選好の流れが期待される。

     なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.07倍に低下した。前日にエヌビディアの時間外取引での上昇を手掛かりに日経平均型優位の展開となり、一時14.20倍に上昇し、14.14倍で推移している200日線を突破する場面も見られた。ただし、週末は米国市場の下げが嫌気されて指数インパクトの大きい値がさハイテク株が売られ、同線を下回って終えていた。引き続き200日線水準での攻防が続こうが、押し目ではNTロングへの転換を想定したスプレッド狙いの動きもみられそうだ。

     5月第3週(5月13日-17日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の売り越しであり、売り越し額は1353億円(5月第2週は163億円の売り越し)だった。なお、現物は383億円の買い越し(同2636億円の買い越し)と4週連続の買い越しであり、先物は1737億円の売り越し(同2799億円の売り越し)と2週連続で売り越した。個人は現物と先物の合算で73億円の売り越しで、4週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で451億円の買い越しとなり、5週連続の買い越しだった。

     経済スケジュールでは、27日に植田日銀総裁が国際コンファランスで開会挨拶、5月月例経済報告、中国1-4月工業企業利益、28日に4月企業向けサービス価格指数、米国3月S&Pケースシラー住宅価格、米国5月コンファレンスボード消費者信頼感指数、29日に5月消費動向調査、米国5月リッチモンド連銀製造業指数、米国地区連銀経済報告(ベージュブック)、30日に米国1-3月期GDP[改定値]、米国新規失業保険申請件数、米国4月卸売在庫、米国4月仮契約住宅販売指数、31日に5月東京都区部消費者物価指数、4月完全失業率、4月鉱工業生産、中国5月製造業PMI、中国5月非製造業PMI、米国4月個人所得・消費支出、米国5月シカゴ購買部協会景気指数、MSCIによる世界株指数MSCI ACWIの銘柄入れ替えなどが予定されている。また、30日にはベスト・バイ<BBY>、コストコホールセール<COST>、ギャップ<GPS>など米小売企業の決算が予定されている。


    ――プレイバック・マーケット――

    ●SQ値
    05月限 日経225 29235.08  TOPIX  2090.33
    06月限 日経225 32018.38  TOPIX  2211.13
    07月限 日経225 32484.24  TOPIX  2245.68
    08月限 日経225 32013.86  TOPIX  2278.68
    09月限 日経225 32921.39  TOPIX  2370.93
    10月限 日経225 32360.91  TOPIX  2326.75
    11月限 日経225 32454.88  TOPIX  2318.99
    12月限 日経225 32639.57  TOPIX  2343.77
    01月限 日経225 36025.97  TOPIX  2513.46
    02月限 日経225 37018.07  TOPIX  2563.93
    03月限 日経225 39863.92  TOPIX  2716.15
    04月限 日経225 39820.59  TOPIX  2766.89
    05月限 日経225 38509.47  TOPIX  2728.75

    ◆日経225先物(日足)
             始値   高値   安値   清算値  前日比
    24/06 05月24日  39090  39190  38360  38600  -500
    24/06 05月23日  38610  39150  38460  39100  +480
    24/06 05月22日  38990  39010  38590  38620  -320
    24/06 05月21日  39100  39370  38900  38940  -130
    24/06 05月20日  38750  39460  38620  39070  +330

    ◇TOPIX先物(日足)
             始値   高値   安値   清算値  前日比
    24/06 05月24日  2753.5  2763.0  2712.5  2742.0  -12.0
    24/06 05月23日  2735.0  2758.5  2723.0  2754.0  +18.0
    24/06 05月22日  2763.0  2764.0  2733.5  2736.0  -24.0
    24/06 05月21日  2771.0  2787.0  2756.0  2760.0  -9.5
    24/06 05月20日  2745.0  2786.0  2737.0  2769.5  +24.5

    ●シカゴ日経平均 円建て
              清算値  前日大阪比
    05月24日(06月限) 38800  +200
    05月23日(06月限) 38560  -540
    05月22日(06月限) 38635  +15
    05月21日(06月限) 38860  -80
    05月20日(06月限) 39295  +225
    ※前日比は大阪取引所終値比

    □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
            売り   前週末比   買い    前週末比
    05月17日    3524億円  -18億円 1兆9375億円  +534億円
    05月10日    3542億円  -793億円 1兆8841億円  -1178億円
    05月02日    4335億円  +158億円 2兆0020億円  -100億円
    04月26日    4176億円  -28億円 2兆0120億円  -2864億円
    04月19日    4205億円  -91億円 2兆2985億円  -1728億円

    □裁定取引に係る現物ポジション(株数)
            売り      前日比  買い       前日比
    05月22日    7693万株   -165万株  8億4137万株   +1億2114万株
    05月21日    7858万株    -7万株  7億2022万株   -336万株
    05月20日    7866万株   -120万株  7億2359万株   +1841万株
    05月17日    7986万株    +55万株  7億0518万株   +108万株
    05月16日    7931万株    -21万株  7億0409万株   -285万株
    05月15日    7953万株   -146万株  7億0694万株   +1043万株
    05月14日    8099万株    -31万株  6億9651万株   +886万株
    05月13日    8131万株    -13万株  6億8764万株   +77万株
    05月10日    8144万株   -1849万株  6億8686万株   -1826万株
    05月09日    9994万株   -1760万株  7億0513万株   +928万株
    05月08日  1億1754万株   +293万株  6億9585万株   -2413万株
    05月07日  1億1460万株   +1523万株  7億1999万株   -127万株

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