2024年4月5日 11時38分
話題株ピックアップ【昼刊】:オンワード、神戸物産、スルガ銀
■オンワード <8016> 638円 +67 円 (+11.7%) 11:30現在 東証プライム 上昇率トップ
オンワードホールディングス<8016>は全般波乱相場の間隙を縫って買い優勢の展開、カイ気配スタートで新値圏を快走している。同社が前日取引終了後に発表した24年2月期決算は営業利益が前の期比2.2倍となる112億6000万円と急拡大した。コロナ禍から脱し、外出需要が回復したことで主力ブランドを中心に売り上げが伸びて業績を押し上げている。更に続く25年2月期の営業利益も前期比11%増の125億円と2ケタ成長を見込んでおり、これをポジティブ視する買いを呼び込んだ。なお、今期年間配当は前期実績比4円増配の24円を計画している。また、中長期経営ビジョンも改訂し、26年度に最終利益100億円を目指すほか、配当性向を40%以上(従来は35%以上)に引き上げている。
■ハローズ <2742> 4,470円 +185 円 (+4.3%) 11:30現在 東証プライム 上昇率3位
ハローズ<2742>が大幅高で5日ぶりに反発している。4日の取引終了後、集計中の24年2月期単独業績について、売上高が従来予想の1829億7700万円から1954億4000万円(前の期比12.3%増)へ、営業利益が91億7000万円から108億6000万円(同20.0%増)へ、純利益が64億8000万円から85億8000万円(同38.4%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感されている。365日全店24時間営業の継続や、商品単価の上昇に対応しつつも顧客ニーズの高い商品を重点商品として低価格で販売する施策などを行ったことが奏功したという。
■ハイデイ日高 <7611> 2,720円 +84 円 (+3.2%) 11:30現在 東証プライム 上昇率6位
ハイデイ日高<7611>が大幅続伸している。きょう付の日本経済新聞朝刊で「2024年2月期の単独の営業利益が前の期の約7倍の45億円前後だったことがわかった」と報じられており、会社側の従来予想であった41億5000万円を上回ったとの観測が好材料視されているようだ。記事によると、同社の店舗は都心の駅前に多いことから、経済再開による駅利用客の増加が業績を押し上げたほか、物価上昇のなかでも割安なメニューの人気も高まったという。なお、決算発表は12日を予定している。
■神戸物産 <3038> 3,617円 +73 円 (+2.1%) 11:30現在
神戸物産<3038>が堅調に推移している。中東情勢の緊迫化を受け、前日の米国市場では安全資産と位置付けられる国債を選好する姿勢が強まり、米長期金利は低下(長期債価格は上昇)した。一方、朝日新聞電子版が5日、単独インタビューに応じた日銀の植田和男総裁が「物価上昇率2%目標の達成に向けた『確度』がさらに高まれば、追加利上げを検討する考えを示した」と伝え、同日の円債市場では債券が売られ長期金利に上昇圧力が掛かっている。日米金利差が縮小に向かうとの見方が広がるなか、リスク選好ムードの後退による円買いも加わり、外国為替市場ではドル安・円高が進行。ドル円相場は1ドル=151円を割り込んだ。直近の円安基調が一服したことで、円高メリット株の一角には買い戻しが入ったようだ。ワークマン<7564>が底堅く、ニトリホールディングス<9843>は朝安後にプラス圏に浮上した。
■スルガ銀行 <8358> 959円 +17 円 (+1.8%) 11:30現在
スルガ銀行<8358>はしっかり。連日で年初来高値を更新した。4日の取引終了後、24年3月期の期末配当予想を7円から14円に増額修正すると発表。あわせて自社株買いや自社株消却の実施も明らかにしており、積極的な株主還元の姿勢が好感され買われている。中間配当の7円とあわせ、今期の年間配当は21円(前の期9円)となる見通しだ。自社株買いについては取得上限600万株(自己株式を除く発行済み株数の3.11%)、または70億円で、期間は5月13日から9月30日まで。自社株消却は4月30日付で3500万株(発行済み株数の15.08%)を実施する。
■INPEX <1605> 2,501.5円 +32 円 (+1.3%) 11:30現在
石油関連株が連日高に沸いている。INPEX<1605>は4日続伸し2500円台乗せと2008年9月以来、15年7カ月ぶりの高値圏に上昇している。また、ENEOSホールディングス<5020>も4日続伸している。4日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の5月限が前日比1.16ドル高の1バレル=86.59ドルと上昇。一時87.22ドルと昨年10月下旬以来の水準に値を上げた。1日にイランの在シリア大使館周辺がイスラエルによる空爆を受けたことに対し、イランが対抗措置を示唆しており、中東を巡り地政学リスクが高まるなか、原油価格が上昇。これを受け、INPEXなど石油関連株への買いが膨らんでいる。
■マクドナルド <2702> 6,850円 +70 円 (+1.0%) 11:30現在
日本マクドナルドホールディングス<2702>が4日ぶりに反発している。4日の取引終了後に発表した3月度売上高で、既存店売上高が前年同月比9.6%増と45カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。春の風物詩として親しまれている「てりたま」シリーズを6日から期間限定で販売したことなどが貢献した。これにより客数が同5.4%増と増加したほか、客単価も同4.0%増と上昇した。
■ラクスル <4384> 981円 +6 円 (+0.6%) 11:30現在
ラクスル<4384>が朝安後に切り返している。同社は4日取引終了後、子会社のノバセルがメディアバイイング(広告枠の仕入れや買い付けを行う業務)事業などを手掛けるWild Side(東京都品川区)の全株式を取得し、子会社化(同社の孫会社化)したことを明らかにしており、これが買い手掛かりとなっているようだ。これにより、ノバセルは自社グループにメディアバイイングを行う機能を持ち、テレビCMにおいて番組指定、短期間・短納期バイイングやリアルタイムでの効果測定をもとにPDCAサイクルなどを提供し、より効果に結びつくマーケティングが実現できるとしている。
■ダイセキ <9793> 3,305円 -375 円 (-10.2%) 11:30現在 東証プライム 下落率3位
ダイセキ<9793>は大幅安で年初来安値更新。4日取引終了後に25年2月期連結業績予想を発表。売上高を前期比5.2%減の656億円、営業利益を同5.5%減の140億円としており、これを嫌気した売りが出ている。子会社において前期にあった大型案件の反動減や大規模修繕による減益を見込んでおり、これが全体を押し下げる見通し。配当予想は前期比同額の66円とした。同時に発表した24年2月期決算は、売上高が前の期比18.1%増の692億1600万円、営業利益が同16.5%増の148億1400万円だった。あわせて取得上限50万株(自己株式を除く発行済み株数の1.02%)、または20億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は4月5日から7月12日まで。
■OSG <6136> 2,019円 -156 円 (-7.2%) 11:30現在 東証プライム 下落率7位
OSG<6136>が反落している。同社は4日取引終了後、24年11月期第1四半期(23年12月~24年2月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比9.1%減の41億200万円となり、上半期計画105億円に対する進捗率が39.1%にとどまったことがネガティブ視されているようだ。欧米の航空機産業が牽引するかたちで売上高は同7.3%増の367億1700万円となったが、国内で在庫調整が続いたことが利益面に影響した。なお、上半期及び通期の業績予想については従来計画を据え置いている。
■日経レバ <1570> 28,510円 -1,490 円 (-5.0%) 11:30現在
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>は急落し25日移動平均線を下放れ、フシ目の3万円大台を下回っただけでなく、一気に2万9000円大台近辺の攻防となる波乱展開をみせている。前日の米国株市場ではミネアポリス連銀のカシュカリ総裁のタカ派発言を受け、ハイテク株や景気敏感株を中心に幅広く売りが広がり、NYダウは約1年ぶりの下げ幅となる500ドル超の下落をみせた。これを受けて東京市場でもリスクオフの流れが一気に強まった。日本時間今晩に3月の米雇用統計発表を控えており、この結果を見極めたいとの思惑も買い手控え要因となっている。
■東京エレクトロン <8035> 37,520円 -1,960 円 (-5.0%) 11:30現在
東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>など半導体主力株が総じて売りに押される展開。前日の米国株市場ではエヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>など半導体大手が売られ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3%安と大きく水準を切り下げた。足もとで米長期金利は低下しているものの、原油市況高などでインフレ警戒感が強まるなか、FRBによる早期利下げ期待が剥落しており、半導体セクターをはじめとするハイテク系グロース株には逆風が強まった。これを受け、東京市場でも売買代金上位の半導体製造装置大手は買いが手控えられている。なお、ディスコ<6146>は前日引け後に24年1~3月期の売上高(速報値)を発表し、前年同期比30%増、前四半期比で32%増と好調を極めたが、きょうは全般地合い悪に流されている。
■不二越 <6474> 3,350円 -145 円 (-4.2%) 11:30現在
不二越<6474>が冴えない。4日の取引終了後、24年11月期第1四半期(23年12月~24年2月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比9.9%減の593億3800万円、最終利益は同83.9%減の3億5600万円となった。各利益の中間期・通期計画に対する進捗率も低調で、業況を嫌気した売りが優勢となった。機械工具事業では中国経済の減速により工具やロボットの需要が落ち込んだ。建設機械分野での生産調整の影響で、中国と欧州で油圧機器の需要が減少したことも響いた。
■TBSホールディングス <9401> 4,422円 -100 円 (-2.2%) 11:30現在
TBSホールディングス<9401>は4日ぶり反落。4日取引終了後、子会社が保有する上場有価証券3銘柄の一部売却に伴い、特別利益(投資有価証券売却益)を計上する見込みになったと発表した。売却益は約84億円。24年3月期決算において、同利益を織り込んだ25年3月期業績予想を発表するという。好材料を発表したが、全体波乱相場のなか軟調展開となっている。
■トラースOP <6696> 337円 +80 円 (+31.1%) ストップ高 11:30現在
トラース・オン・プロダクト<6696>がストップ高の水準となる前営業日比80円高の337円に買われた。5日付の日刊工業新聞が、「丸紅情報システムズはトラース・オン・プロダクトが開発した空調や照明の消費電力を削減するソリューション『AIrux8』の販売を5日に開始する」と報じた。今後の販売拡大と収益貢献を期待した買いが集まったようだ。AIrux8はセンサーからのデータをAIが解析し、照明や空調を制御することで電力コストの削減を促すシステム。丸紅<8002>グループの丸紅情報システムズはオフィスや工場、病院などに提案し、2026年度末までに20社への導入を目指すと日刊工業は伝えている。
●ストップ高銘柄
ヤマト・インダストリー <7886> 1,134円 +150 円 (+15.2%) ストップ高 11:30現在
など、2銘柄
●ストップ安銘柄
海帆 <3133> 840円 -150 円 (-15.2%) ストップ安 11:30現在
以上、1銘柄
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株探ニュース
オンワードホールディングス<8016>は全般波乱相場の間隙を縫って買い優勢の展開、カイ気配スタートで新値圏を快走している。同社が前日取引終了後に発表した24年2月期決算は営業利益が前の期比2.2倍となる112億6000万円と急拡大した。コロナ禍から脱し、外出需要が回復したことで主力ブランドを中心に売り上げが伸びて業績を押し上げている。更に続く25年2月期の営業利益も前期比11%増の125億円と2ケタ成長を見込んでおり、これをポジティブ視する買いを呼び込んだ。なお、今期年間配当は前期実績比4円増配の24円を計画している。また、中長期経営ビジョンも改訂し、26年度に最終利益100億円を目指すほか、配当性向を40%以上(従来は35%以上)に引き上げている。
■ハローズ <2742> 4,470円 +185 円 (+4.3%) 11:30現在 東証プライム 上昇率3位
ハローズ<2742>が大幅高で5日ぶりに反発している。4日の取引終了後、集計中の24年2月期単独業績について、売上高が従来予想の1829億7700万円から1954億4000万円(前の期比12.3%増)へ、営業利益が91億7000万円から108億6000万円(同20.0%増)へ、純利益が64億8000万円から85億8000万円(同38.4%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感されている。365日全店24時間営業の継続や、商品単価の上昇に対応しつつも顧客ニーズの高い商品を重点商品として低価格で販売する施策などを行ったことが奏功したという。
■ハイデイ日高 <7611> 2,720円 +84 円 (+3.2%) 11:30現在 東証プライム 上昇率6位
ハイデイ日高<7611>が大幅続伸している。きょう付の日本経済新聞朝刊で「2024年2月期の単独の営業利益が前の期の約7倍の45億円前後だったことがわかった」と報じられており、会社側の従来予想であった41億5000万円を上回ったとの観測が好材料視されているようだ。記事によると、同社の店舗は都心の駅前に多いことから、経済再開による駅利用客の増加が業績を押し上げたほか、物価上昇のなかでも割安なメニューの人気も高まったという。なお、決算発表は12日を予定している。
■神戸物産 <3038> 3,617円 +73 円 (+2.1%) 11:30現在
神戸物産<3038>が堅調に推移している。中東情勢の緊迫化を受け、前日の米国市場では安全資産と位置付けられる国債を選好する姿勢が強まり、米長期金利は低下(長期債価格は上昇)した。一方、朝日新聞電子版が5日、単独インタビューに応じた日銀の植田和男総裁が「物価上昇率2%目標の達成に向けた『確度』がさらに高まれば、追加利上げを検討する考えを示した」と伝え、同日の円債市場では債券が売られ長期金利に上昇圧力が掛かっている。日米金利差が縮小に向かうとの見方が広がるなか、リスク選好ムードの後退による円買いも加わり、外国為替市場ではドル安・円高が進行。ドル円相場は1ドル=151円を割り込んだ。直近の円安基調が一服したことで、円高メリット株の一角には買い戻しが入ったようだ。ワークマン<7564>が底堅く、ニトリホールディングス<9843>は朝安後にプラス圏に浮上した。
■スルガ銀行 <8358> 959円 +17 円 (+1.8%) 11:30現在
スルガ銀行<8358>はしっかり。連日で年初来高値を更新した。4日の取引終了後、24年3月期の期末配当予想を7円から14円に増額修正すると発表。あわせて自社株買いや自社株消却の実施も明らかにしており、積極的な株主還元の姿勢が好感され買われている。中間配当の7円とあわせ、今期の年間配当は21円(前の期9円)となる見通しだ。自社株買いについては取得上限600万株(自己株式を除く発行済み株数の3.11%)、または70億円で、期間は5月13日から9月30日まで。自社株消却は4月30日付で3500万株(発行済み株数の15.08%)を実施する。
■INPEX <1605> 2,501.5円 +32 円 (+1.3%) 11:30現在
石油関連株が連日高に沸いている。INPEX<1605>は4日続伸し2500円台乗せと2008年9月以来、15年7カ月ぶりの高値圏に上昇している。また、ENEOSホールディングス<5020>も4日続伸している。4日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の5月限が前日比1.16ドル高の1バレル=86.59ドルと上昇。一時87.22ドルと昨年10月下旬以来の水準に値を上げた。1日にイランの在シリア大使館周辺がイスラエルによる空爆を受けたことに対し、イランが対抗措置を示唆しており、中東を巡り地政学リスクが高まるなか、原油価格が上昇。これを受け、INPEXなど石油関連株への買いが膨らんでいる。
■マクドナルド <2702> 6,850円 +70 円 (+1.0%) 11:30現在
日本マクドナルドホールディングス<2702>が4日ぶりに反発している。4日の取引終了後に発表した3月度売上高で、既存店売上高が前年同月比9.6%増と45カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。春の風物詩として親しまれている「てりたま」シリーズを6日から期間限定で販売したことなどが貢献した。これにより客数が同5.4%増と増加したほか、客単価も同4.0%増と上昇した。
■ラクスル <4384> 981円 +6 円 (+0.6%) 11:30現在
ラクスル<4384>が朝安後に切り返している。同社は4日取引終了後、子会社のノバセルがメディアバイイング(広告枠の仕入れや買い付けを行う業務)事業などを手掛けるWild Side(東京都品川区)の全株式を取得し、子会社化(同社の孫会社化)したことを明らかにしており、これが買い手掛かりとなっているようだ。これにより、ノバセルは自社グループにメディアバイイングを行う機能を持ち、テレビCMにおいて番組指定、短期間・短納期バイイングやリアルタイムでの効果測定をもとにPDCAサイクルなどを提供し、より効果に結びつくマーケティングが実現できるとしている。
■ダイセキ <9793> 3,305円 -375 円 (-10.2%) 11:30現在 東証プライム 下落率3位
ダイセキ<9793>は大幅安で年初来安値更新。4日取引終了後に25年2月期連結業績予想を発表。売上高を前期比5.2%減の656億円、営業利益を同5.5%減の140億円としており、これを嫌気した売りが出ている。子会社において前期にあった大型案件の反動減や大規模修繕による減益を見込んでおり、これが全体を押し下げる見通し。配当予想は前期比同額の66円とした。同時に発表した24年2月期決算は、売上高が前の期比18.1%増の692億1600万円、営業利益が同16.5%増の148億1400万円だった。あわせて取得上限50万株(自己株式を除く発行済み株数の1.02%)、または20億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は4月5日から7月12日まで。
■OSG <6136> 2,019円 -156 円 (-7.2%) 11:30現在 東証プライム 下落率7位
OSG<6136>が反落している。同社は4日取引終了後、24年11月期第1四半期(23年12月~24年2月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比9.1%減の41億200万円となり、上半期計画105億円に対する進捗率が39.1%にとどまったことがネガティブ視されているようだ。欧米の航空機産業が牽引するかたちで売上高は同7.3%増の367億1700万円となったが、国内で在庫調整が続いたことが利益面に影響した。なお、上半期及び通期の業績予想については従来計画を据え置いている。
■日経レバ <1570> 28,510円 -1,490 円 (-5.0%) 11:30現在
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>は急落し25日移動平均線を下放れ、フシ目の3万円大台を下回っただけでなく、一気に2万9000円大台近辺の攻防となる波乱展開をみせている。前日の米国株市場ではミネアポリス連銀のカシュカリ総裁のタカ派発言を受け、ハイテク株や景気敏感株を中心に幅広く売りが広がり、NYダウは約1年ぶりの下げ幅となる500ドル超の下落をみせた。これを受けて東京市場でもリスクオフの流れが一気に強まった。日本時間今晩に3月の米雇用統計発表を控えており、この結果を見極めたいとの思惑も買い手控え要因となっている。
■東京エレクトロン <8035> 37,520円 -1,960 円 (-5.0%) 11:30現在
東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>など半導体主力株が総じて売りに押される展開。前日の米国株市場ではエヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>など半導体大手が売られ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3%安と大きく水準を切り下げた。足もとで米長期金利は低下しているものの、原油市況高などでインフレ警戒感が強まるなか、FRBによる早期利下げ期待が剥落しており、半導体セクターをはじめとするハイテク系グロース株には逆風が強まった。これを受け、東京市場でも売買代金上位の半導体製造装置大手は買いが手控えられている。なお、ディスコ<6146>は前日引け後に24年1~3月期の売上高(速報値)を発表し、前年同期比30%増、前四半期比で32%増と好調を極めたが、きょうは全般地合い悪に流されている。
■不二越 <6474> 3,350円 -145 円 (-4.2%) 11:30現在
不二越<6474>が冴えない。4日の取引終了後、24年11月期第1四半期(23年12月~24年2月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比9.9%減の593億3800万円、最終利益は同83.9%減の3億5600万円となった。各利益の中間期・通期計画に対する進捗率も低調で、業況を嫌気した売りが優勢となった。機械工具事業では中国経済の減速により工具やロボットの需要が落ち込んだ。建設機械分野での生産調整の影響で、中国と欧州で油圧機器の需要が減少したことも響いた。
■TBSホールディングス <9401> 4,422円 -100 円 (-2.2%) 11:30現在
TBSホールディングス<9401>は4日ぶり反落。4日取引終了後、子会社が保有する上場有価証券3銘柄の一部売却に伴い、特別利益(投資有価証券売却益)を計上する見込みになったと発表した。売却益は約84億円。24年3月期決算において、同利益を織り込んだ25年3月期業績予想を発表するという。好材料を発表したが、全体波乱相場のなか軟調展開となっている。
■トラースOP <6696> 337円 +80 円 (+31.1%) ストップ高 11:30現在
トラース・オン・プロダクト<6696>がストップ高の水準となる前営業日比80円高の337円に買われた。5日付の日刊工業新聞が、「丸紅情報システムズはトラース・オン・プロダクトが開発した空調や照明の消費電力を削減するソリューション『AIrux8』の販売を5日に開始する」と報じた。今後の販売拡大と収益貢献を期待した買いが集まったようだ。AIrux8はセンサーからのデータをAIが解析し、照明や空調を制御することで電力コストの削減を促すシステム。丸紅<8002>グループの丸紅情報システムズはオフィスや工場、病院などに提案し、2026年度末までに20社への導入を目指すと日刊工業は伝えている。
●ストップ高銘柄
ヤマト・インダストリー <7886> 1,134円 +150 円 (+15.2%) ストップ高 11:30現在
など、2銘柄
●ストップ安銘柄
海帆 <3133> 840円 -150 円 (-15.2%) ストップ安 11:30現在
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