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    2026年7月9日 21時19分

    米企業、低コストな代替手段として中国製のAIモデルを利用

     米企業の間で、低価格な中国製AIモデルの導入が急速に拡大している。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えた。米大手企業から新興企業までが日常業務の効率化に向けて活用を進める一方、AI覇権を巡る対立の激化を背景に、中国政府は自国技術の流出や軍事転用への警戒から管理強化の検討に入った。

     米シリコンバレーでは、中国のディープシークやムーンショットAIなどのモデルが、オープンAIなどの高額な製品を補完する低コストな選択肢として定着しつつある。

     デリバリー大手のドアダッシュ<DASH>は、複雑な業務にアンソロピックの最先端モデル「フェイブル」を使い、比較的単純な業務には中国の「Kimi K2.6」を組み合わせることで、高性能と低コストを両立させている。開発プラットフォーム運営のヴェルセルでは、ディープシークの利用シェアが4月の1%から6月には23%へ急拡大した。

     これまで中国政府は、自国モデルをオープンソースとして世界に普及させ、ソフトパワーを強化する方針をとってきた。しかし、効率的な計算資源の利用技術などが欧米に流出している現状や、米政府がサイバー防御能力を持つアンソロピックのモデル「ミュトス」へのアクセスを一時規制した動きを注視。強力なAI技術は政府が厳格に管理すべきだとの認識を強めている。

     関係者によると、中国当局は国内のAI研究機関と協議を重ね、技術的優位性を持つ分野の特定を進めている。具体的には、モデル公開前に行う規制審査の厳格化、機密技術が含まれる場合の一般公開延期、外国企業など特定の利用者へのアクセス制限のほか、技術の輸出規制や外資受け入れ規制の強化などが検討されているという。

     ただ、議論は初期段階とみられる。業界関係者からは、中国政府が国内AIモデルへの統制を強めれば、海外ユーザーの離反を招き、世界的な普及の勢いを鈍化させかねないとの指摘も出ている。

    株探ニュース