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    2025年10月10日 16時40分

    今年の米国株市場は、年末高にならなかった2018年と類似【フィリップ証券】

     米国株市場は、年末商戦やサンタクロース・ラリーによって年末にかけて上昇しやすい「アノマリー」(理論的には説明できないが、経験的に観測できるマーケットの規則性)の存在が広く知られている。たとえば、2014年~2024年までの11年間についてS&P500株価指数の年末終値は、第一次トランプ政権の2年目だった2018年を除き、9月末終値を上回った。

     11年間で唯一の例外だった2018年はどのような年だったのだろうか? 2月上旬に発表された雇用統計を契機に、VIX(ボラティリティ・インデックス)先物に連動する金融商品のポジション巻き戻しが発生し、「VIXショック」と呼ばれるショック安が起きた。3月中旬にかけて堅調な経済指標の推移を受けて落ち着きを取り戻したが、3月下旬にトランプ政権が中国製品に対し最大600億ドル規模の関税を課す方針を発表。中国も報復関税を表明したことからS&P500指数は4/2安値が2553ポイントと1/31高値から約11%安い水準まで下落した。その後は、トランプ政権による段階的な追加関税と中国による報復関税の逆風があったものの、米中の間の対話への期待と「FAANG」と呼ばれる大型ハイテク成長株5銘柄を中心とした株価上昇を受けて、S&P500指数は10/3に2939ポイントの史上最高値(当時)を付けた。ところが、その後は米中関係が「貿易摩擦」から「冷戦」と呼ばれる対立構造に深刻化したことに加え、米FRB(連邦準備理事会)による利上げ継続を受けて、12/26の安値2346ポイントまで約20%下落した。

     2018年のS&P500指数(日次)、テクニカル分析のRSI(相対力指数)およびVIX指数の推移を見ると、今年と類似している点が窺われる。今年のS&P500指数は、2/19高値から4/7安値4835ポイントまで「相互関税ショック」を挟んで約21%下落後、関税問題の緩和や米FRBによる利下げ期待を背景に、10/3時点で6147ポイントまで上昇し、史上最高値を更新中である。特に、投資家の不安感を表すものとして「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数については、2018年、2025年ともに、4月以降は低下していたものの、8月に10ポイント近辺で底値を付けた後で10ポイント台半ばの狭い値幅のまま横ばいで推移している。2018年はVIX指数が10月上旬から上昇し始め、株価指数の下落とともに12月下旬に36ポイントまで上昇した。株価の買われ過ぎ、売られ過ぎの状態を示すRSIも、2018年、2025年ともに、7~9月にかけて株価が過去最高値を更新する中で上値抵抗ラインが下向きに推移していた。これは「ダイバージェンス(逆行現象)」と呼ばれ、株価上昇の勢いに陰りが見え始め、転換点が近いことを示唆するとされる。

     「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」という言葉がある。出遅れが目立つディフェンシブ銘柄へのシフトなどを検討すべき局面にあると言えるだろう。


    ■アップル逆襲のミーンリバージョン~前四半期の騰落率低位銘柄に好機も

     資産価格には、いったん大きく振れた相場が平均値へ戻ろうとする「ミーンリバージョン(平均回帰性)」と呼ばれる習性があるとされ、相場が平均的水準から乖離した場合のリバウンドの可能性に着目した逆張り投資手法を「リターン・リバーサル」と呼ぶ。ダウ工業株30種平均の構成銘柄について四半期ごとの騰落率推移を見ると、6月末~9月末は、それまで2四半期にわたり低迷していたアップル<AAPL>が首位。3月末~6月末まで下位だったジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>やユナイテッドヘルス・グループ<UNH>も上位となった。

     6月末~9月末に低迷した銘柄の中では、「AI(人工知能)エージェント」が堅調なセールス・フォース<CRM>や事業のスピンオフを積極化しているハネウェル・インターナショナル<HON>が注目される。


    【タイトル】


    参考銘柄


    ハネウェル・インターナショナル<HON> 市場:NYSE・・・2025/10/23に2025/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

    ・1885年創業の世界的コングロマリット。航空宇宙事業(AERO)、産業オートメーション事業(IA)、ビルオートメーション事業(BA)、エネルギー&サステナビリティ・ソリューション事業(E&S)を展開。

    ・7/24発表の2025/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比8.1%増の103.52億USD、非GAAPの調整後EPS(年金関連を除く)が同10.4%増の2.75USD。事業別セグメント利益は、AERO(売上比率42%)が4%増、BA(同18%)が21%増、E&S(同17%)が9%増の一方、IA(同23%)が4%減だった。

    ・通期会社計画を上方修正。既存事業の増収率を前期比4-5%(従来計画2-5%)、調整後EPSを同6-8%増の10.45-10.65USD(同10.20-10.50USD)とした。アクティビスト(物言う株主)のエリオットの提案を受けて、先端材料、オートメーション、航空宇宙の3事業に分割する方針でスピンオフを進めている。株価は6月末~9月末の騰落率が▲9%と低迷も、スピンオフ進捗に伴う反発が見込まれる。


    コカ・コーラ<KO> 市場:NYSE・・・2025/10/21に2025/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

    ・1886年設立の世界最大ノン・アルコール飲料メーカーで200超の国・地域で販売。同社で濃縮液とシロップを製造・販売し、瓶詰・流通関連の世界のボトリング会社と合計で70万人以上を雇用する。

    ・7/22発表の2025/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比1.4%増の125.35億USD、非GAAPの調整後EPSが同3.6%増の0.87USD。欧州を除き販売数量が減少したが、値上げにより増収を確保。効果的なマーケティング投資とコスト管理の寄与により、調整後営業利益率が1.9ポイント上昇した。

    ・通期会社計画は、既存事業の前期比増収率が5-6%と従来計画を据え置いたのに対し、調整後EPSを前期比3%増(従来計画2-3%増)へ上方修正。同社は、移民強制送還で政府と協力しているとの動画が出回ったことに伴うヒスパニック系消費者の不買運動が6月末にほぼ終息したと説明。株価は6月末~9月末の騰落率が▲6%と低迷も、ディフェンシブ銘柄の見直し買いが見込まれる。


    メルク<MRK> 市場:NYSE・・・2025/10/30に2025/12期3Q)7-9月)の決算発表を予定

    ・1891年に独E.Merck米国子会社として設立後、第一次世界大戦中に米政府が接収し米国籍化。医療用医薬品、ワクチン、バイオ医薬品、アニマルヘルス製品を提供。140ヵ国以上で事業展開。

    ・7/29発表の2025/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比1.9%減の158.06億USD、事業買収・売却の影響を除く非GAAPの調整後EPSが同6.6%減の2.13USD。製品別売上高は、がん治療薬「キイトルーダ」が9%増の79.56億USDも、HPV関連がん予防ワクチン「ガーダシル」が55%減の11.26億USD。

    ・通期会社計画は、売上高を前期比0-2%増の643-653億USD(従来計画641-656億USD)へレンジを縮小したのに対し、調整後EPSを同16-17%増の8.87-8.97USD(同8.82-8.97USD)とレンジ下限を引き上げた。売上比率で約45%を占めるキイトルーダの特許切れを約3年後に控える中、2024年3月に米国当局より承認された肺動脈高血圧症(PAH)薬「ウィンレベア」の3Q売上が2億USDへ拡大。


    ファイザー<PFE> 市場:NYSE・・・2025/11/4に2025/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

    ・1941年にペニシリン商用化成功後に業容拡大。新型コロナのワクチン・経口治療薬のほか、関節リウマチ(エンブレル)、乳がん(イブランス)、静脈血栓塞栓症(エリキュース)等を主要医薬品とする。

    ・8/5発表の2025/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比10.3%増の146.53億USD、非GAAPの調整後EPSが同30.0%増の0.78USD。部門別売上高は、主力の「処方薬」が10%増の99.18億USD、がん治療薬を扱う「オンコロジー」が同業シージェンの買収効果の寄与により11%増の43.87億USD。

    ・通期会社計画を上方修正。調整後EPSを前期比0-7%減の2.90-3.10USD(従来計画2.80-3.00USD)とした。売上高は同2-3%増の610-640億USDで従来計画を据え置いた。トランプ政権は低所得者向け公的医療保険に他の先進国での最も安い価格を適用することを求め、ファイザーはその条件を受け入れた。米国内での生産設備投資への引き換えに輸入薬への関税適用が3年間猶予される。


    ソーファイ・テクノロジーズ<SOFI> 市場:NASDAQ・・・2025/10/28に2025/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

    ・2011年にスタンフォード大ビジネススクールの学生が設立。貸付事業(学生ローン、個人ローン、住宅ローン)、金融サービス事業(SoFi Bankを通じた銀行業務他)のデジタル金融サービスを提供。

    ・7/29発表の2025/12期2Q(4-6月)は、非GAAPの調整後売上高が前年同期比42.8%増の8.54億USD(会社予想7.85-8.05億USD)、調整後EBITDAが同80.6%増の2.49億USD(同2.00-2.10億USD)。事業別利益は、貸付事業が24%増の2.44億USD、金融サービス事業が3.4倍の1.88億USDへ拡大。

    ・通期会社計画を上方修正。純営業収益を前期比26%増の33.75億USD(従来計画32.35-33.10億USD)、調整後EBITDAを同44%増の9.60億USD(同8.75-8.95億USD)とした。同社は「高学歴で富裕層予備軍」を顧客ターゲットとし、金融サービスの包括的なソリューションの提供を目指している。9月に、AI(人工知能)に特化したETFやブロックチェーン対応の国際決済などの新商品を発表した。


    ユニティ・ソフトウェア<U> 市場:NYSE・・・2025/11/7に2025/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

    ・2005年設立。ゲーム開発言語Unityを元に3Dコンテンツ開発・運営・収益化のプラットフォームを運営。開発者向け「開発ソリューション」とユーザー獲得支援の「運用ソリューション」の2事業を営む。

    ・8/6発表の2025/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比1.9%減の4.40億USD(会社計画4.15-4.25億USD)、非GAAPの調整後EBITDAが同20.2%減の0.90億USD(同0.70-0.75億USD)。Unity Runtime新料金体系に関連した開発者反発に伴う混乱も、利益面はコスト削減で落ち着きの兆し。

    ・2025/12期4Q(7-9月)会社計画は、売上高が前年同期比▲1~+1%の4.40-4.50億USD、調整後EBITDAが同▲2~+4%の0.90-0.95億USD。Runtime料金廃止と年間サブスクリプション価格引上げで業績立て直しが進捗。新たな広告プラットフォーム「Vector」が2Qに成功裡に立ち上がった。同社はゲームエンジンでモバイル市場70%シェアと強い基盤があり、広告事業は効果的と見込まれる。


    執筆日:2025年10月6日


    フィリップ証券
    フィリップ証券 リサーチ部 笹木和弘
    (公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト)

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    フィリップ証券より提供されたレポートを掲載しています。


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