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    2025年11月27日 0時07分

    ディア、決算受け下落 米農業回復を見通す難しさが改めて浮き彫りに=米国株個別

    (NY時間10:07)(日本時間00:07)
    ディア<DE> 482.10(-16.03 -3.22%)

     農業機械のディア<DE>が下落。取引開始前に8-10月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、株価は冴えない反応。

     ガイダンスも公表し、通期の純利益の見通しが予想を下回ったほか、生産・精密農業の売上高は減収を見込んでいる。メイCEOは声明で「小型農業および建設・林業の見通しは改善する一方、大型農業は引き続き弱い」と述べた。

     今回の見通しは、米農業経済の回復時期を見通す難しさが改めて浮き彫りにしている。関税や貿易協定の影響が依然として不透明な中、26年の利益見通しも市場予想を大きく下回った。

     中国向け農産物輸出が米中合意で再開したとはいえ、不安は残り、トランプ関税で需要が圧迫されコストも上昇した農家は、低迷する農作物価格や種子・肥料・農機具の高コストにも苦しみ、設備投資を控える状況が続いている。
     メイCEOは「26年が大型農業サイクルの底になる」と述べたものの、北米の大型農業部門の売上は15-20%減を見込む一方、南米は横ばいとしている。

     第4四半期は出荷増と価格上昇で売上が伸びたが、関税によるコスト上昇で営業利益は減少。中国による米国産農産物の輸入再開や、米政府の農家支援策も26年の追い風になると期待されるものの、実際の購買ペースはまだ米農務省のデータに反映されておらず、米国が今季1200万トンの購入を見込む中、中国の買付は10月30日以降わずか200万トンに留まっている。

     米政府が近く発表予定の農家支援策は1月初旬から支払い開始の見込みだが、一時的な効果に留まる可能性が高く、アナリストは、26年に再び追加支援が必要となる恐れがあると指摘している。

    (8-10月・第4四半期)
    ・1株利益:3.93ドル(予想:3.88ドル)
    ・売上高:105.8億ドル (予想:98.4億ドル)
      生産・精密農業:47.4億ドル(予想:45.4億ドル)
      小型農業・芝生:24.6億ドル(予想:21.8億ドル)
      建設・林業:33.8億ドル(予想:31.8億ドル)
      その他:2.67億ドル(予想:3.09億ドル)
    ・金融サービス純利益:2.93億ドル(予想:1.74億ドル)

    (26年度通期見通し)
    ・純利益:40~47.5億ドル(予想:53.1億ドル)
    ・売上高
      生産・精密農業:5~10%減
      小型農業・芝生:約10%増
      建設・林業:約10%増
    ・金融サービス純利益:約8.3億ドル(予想:8.04億ドル)

    【企業概要】
     米国内外において、トラクター、コンバイン、収穫機、土壌改良機、播種機などの農業機械を製造・販売する。また、酪農・家畜用機器や芝生用機器の他、土木・建設用機器も取扱う。

    MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

    株探ニュース