2025年12月6日 8時00分
【村瀬智一が斬る!深層マーケット】インデックスに絡んだ先物主導の相場展開に
「インデックスに絡んだ先物主導の相場展開に」
●「フィジカルAI」関連への物色が強まる場面も
今週の日経平均株価は週初こそ波乱をみせたものの、その後は底堅さが意識され、12月4日には1163円高と急伸して5万1000円台を回復した。日銀の植田和男総裁は1日、次回の金融政策決定会合での利上げ再開に意欲を示した。総裁が会見で「緩和度合いの調整が遅れると、米欧のように高いインフレ率になってしまう」などと発言したことを受けて、日経平均株価の下げ幅は1000円を超える場面もあった。
その後は日銀の利上げを織り込むなかで、徐々にリバウンドの動きをみせる形だった。週半ば辺りからは 半導体・AI(人工知能)関連株を買い戻すリバランスの動きが顕著となった。また、1日に明らかとなったファナック <6954> [東証P]とエヌビディア<NVDA>によるAIロボットでの提携がカタリストとなり、産業用ロボットにAIを活用する 「フィジカルAI」関連への物色が強まる場面もみられた。週末は前日の急伸に対する持ち高調整の動きとなったが、25日移動平均線が支持線として機能する形であり、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。
来週は9~10日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目されるが、足もとで利下げ確率は8割を超えている(FedWatch)ため、FOMC通過後のアク抜けの動きは限られそうだ。また、前週の感謝祭明けから海外投資家の多くはクリスマス休暇に入ったとみられ、海外勢のフローは徐々に細るだろう。薄商いのなかでインデックスに絡んだ先物主導の相場展開になりやすい。TOPIX(東証株価指数)が4日に最高値を更新するなかで、相対的に日経平均株価の出遅れ修正が意識されやすいとみられる。
●活躍が期待される「注目5銘柄」
◆三菱重工業 <7011> [東証P]
防衛関連の中核的な銘柄。自衛隊の全領域に関わる装備品を開発・提供できる技術力を持つ。小泉進次郎防衛相は豪州のマールズ副首相兼国防相と7日に会談するが、「防衛協力の進展に向けて具体的な議論をする」と述べている。豪州は次期フリゲートに同社の「もがみ型護衛艦」の能力向上型を選んでいる。株価は11月4日につけた上場来高値4699円をピークに調整を続け、足もとは75日線に上値を抑えられてきた。ただ、今週後半に同線を上回ってきており、リバウンドを強めてくる展開を想定したい。
◆ローム <6963> [東証P]
半導体・電子部品メーカー。カスタムLSIで首位。世界に先駆けてSiC製品の開発・量産に取り組んでおり、この分野で高い世界シェアを有する。 ロボットの関節や移動機構に使われる各種モーターのほか、距離測定や空間認識を行うためのLiDARに搭載される、高出力の半導体レーザーダイオードなども手掛ける。株価は11月4日の年初来高値2529円をピークに急落し、11日安値の1950円まで売られた。その後反発に転じ、上値抵抗の75日線を捉えてきた。急落時に空けたマド埋めが意識されてくるなかで、11月高値が射程に入ってきそうだ。
◆note <5243> [東証G]
クリエイターによるテキスト、漫画、画像、音声など多様なコンテンツの投稿を可能とし、ユーザーがそれらコンテンツを楽しみ、直接的に支援(購入・サポート)できる、CtoC型のメディアプラットフォーム「note」、法人向けオウンドメディアSaaS「note pro」を運営する。11月5日に韓国ネイバー社との資本・業務提携を発表。両社はAI時代における創作と流通の新しいエコシステムを構築し、クリエイターが世界中のファンとつながりながら持続的に活動できる仕組みの実現を目指す。株価は11月26日につけた1800円を戻り高値に調整をみせているが、集束する25日線、200日線水準までの下げを経てリバウンドを狙うスタンスで臨みたい。
◆セック <3741> [東証P]
社会基盤システム、宇宙先端システム、モバイルネットワーク、インターネットの4つのビジネスフィールドでリアルタイムソフトウェアを提供。社会基盤システムでは、高度交通システムや防衛関連システム、医療、環境エネルギーなど、社会公共分野の技術アプリケーションを開発する。 宇宙先端システムでは科学衛星や惑星探査機の搭載エンベデッドシステムのほか、次世代ロボットシステムの開発などを手掛けている。株価は9月4日安値の2175円から切り返し、6月12日につけた年初来高値2940円に肉薄。2004年6月の上場来高値3250円が射程に入ってきた。
◆IDEC <6652> [東証P]
フィジカルAI関連への物色が強まるなかで、関連銘柄の一角として注目。グループのIDECファクトリーソリューションズで人との協働作業を前提とした協調安全ロボット事業を手掛けている。また、物流業界で高まるニーズに対応するため、自律走行搬送ロボットなども展開する。株価は11月初旬から上げ足を速めて年初来高値を更新。2023年3月高値3630円をピークとした下降トレンドラインの上限を突破してきたことで、長期的なトレンド転換による先高期待が高まろう。
(2025年12月5日 記)
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株探ニュース
●「フィジカルAI」関連への物色が強まる場面も
今週の日経平均株価は週初こそ波乱をみせたものの、その後は底堅さが意識され、12月4日には1163円高と急伸して5万1000円台を回復した。日銀の植田和男総裁は1日、次回の金融政策決定会合での利上げ再開に意欲を示した。総裁が会見で「緩和度合いの調整が遅れると、米欧のように高いインフレ率になってしまう」などと発言したことを受けて、日経平均株価の下げ幅は1000円を超える場面もあった。
その後は日銀の利上げを織り込むなかで、徐々にリバウンドの動きをみせる形だった。週半ば辺りからは 半導体・AI(人工知能)関連株を買い戻すリバランスの動きが顕著となった。また、1日に明らかとなったファナック <6954> [東証P]とエヌビディア<NVDA>によるAIロボットでの提携がカタリストとなり、産業用ロボットにAIを活用する 「フィジカルAI」関連への物色が強まる場面もみられた。週末は前日の急伸に対する持ち高調整の動きとなったが、25日移動平均線が支持線として機能する形であり、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。
来週は9~10日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目されるが、足もとで利下げ確率は8割を超えている(FedWatch)ため、FOMC通過後のアク抜けの動きは限られそうだ。また、前週の感謝祭明けから海外投資家の多くはクリスマス休暇に入ったとみられ、海外勢のフローは徐々に細るだろう。薄商いのなかでインデックスに絡んだ先物主導の相場展開になりやすい。TOPIX(東証株価指数)が4日に最高値を更新するなかで、相対的に日経平均株価の出遅れ修正が意識されやすいとみられる。
●活躍が期待される「注目5銘柄」
◆三菱重工業 <7011> [東証P]
防衛関連の中核的な銘柄。自衛隊の全領域に関わる装備品を開発・提供できる技術力を持つ。小泉進次郎防衛相は豪州のマールズ副首相兼国防相と7日に会談するが、「防衛協力の進展に向けて具体的な議論をする」と述べている。豪州は次期フリゲートに同社の「もがみ型護衛艦」の能力向上型を選んでいる。株価は11月4日につけた上場来高値4699円をピークに調整を続け、足もとは75日線に上値を抑えられてきた。ただ、今週後半に同線を上回ってきており、リバウンドを強めてくる展開を想定したい。
◆ローム <6963> [東証P]
半導体・電子部品メーカー。カスタムLSIで首位。世界に先駆けてSiC製品の開発・量産に取り組んでおり、この分野で高い世界シェアを有する。 ロボットの関節や移動機構に使われる各種モーターのほか、距離測定や空間認識を行うためのLiDARに搭載される、高出力の半導体レーザーダイオードなども手掛ける。株価は11月4日の年初来高値2529円をピークに急落し、11日安値の1950円まで売られた。その後反発に転じ、上値抵抗の75日線を捉えてきた。急落時に空けたマド埋めが意識されてくるなかで、11月高値が射程に入ってきそうだ。
◆note <5243> [東証G]
クリエイターによるテキスト、漫画、画像、音声など多様なコンテンツの投稿を可能とし、ユーザーがそれらコンテンツを楽しみ、直接的に支援(購入・サポート)できる、CtoC型のメディアプラットフォーム「note」、法人向けオウンドメディアSaaS「note pro」を運営する。11月5日に韓国ネイバー社との資本・業務提携を発表。両社はAI時代における創作と流通の新しいエコシステムを構築し、クリエイターが世界中のファンとつながりながら持続的に活動できる仕組みの実現を目指す。株価は11月26日につけた1800円を戻り高値に調整をみせているが、集束する25日線、200日線水準までの下げを経てリバウンドを狙うスタンスで臨みたい。
◆セック <3741> [東証P]
社会基盤システム、宇宙先端システム、モバイルネットワーク、インターネットの4つのビジネスフィールドでリアルタイムソフトウェアを提供。社会基盤システムでは、高度交通システムや防衛関連システム、医療、環境エネルギーなど、社会公共分野の技術アプリケーションを開発する。 宇宙先端システムでは科学衛星や惑星探査機の搭載エンベデッドシステムのほか、次世代ロボットシステムの開発などを手掛けている。株価は9月4日安値の2175円から切り返し、6月12日につけた年初来高値2940円に肉薄。2004年6月の上場来高値3250円が射程に入ってきた。
◆IDEC <6652> [東証P]
フィジカルAI関連への物色が強まるなかで、関連銘柄の一角として注目。グループのIDECファクトリーソリューションズで人との協働作業を前提とした協調安全ロボット事業を手掛けている。また、物流業界で高まるニーズに対応するため、自律走行搬送ロボットなども展開する。株価は11月初旬から上げ足を速めて年初来高値を更新。2023年3月高値3630円をピークとした下降トレンドラインの上限を突破してきたことで、長期的なトレンド転換による先高期待が高まろう。
(2025年12月5日 記)
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