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    2025年10月30日 15時46分

    話題株ピックアップ【夕刊】(1):住友理工、レーザーテク、トーメンデバ

    ■住友理工 <5191>  2,615円  +459 円 (+21.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ
     住友理工<5191>が急騰。親会社である住友電気工業<5802>が正午ごろ、完全子会社化を目指して同社に対するTOBを実施すると発表しており、TOB価格2600円にサヤ寄せする格好となっている。住友電は現在、住友理工株式の50.81%を直接・間接的に所有しているが、完全子会社化により技術・ノウハウの融合による研究開発力・新製品開発力の強化やグローバルな事業基盤(顧客・生産拠点・調達網)の相互活用、組織・人事の融合・交流による人的リソースの最大限の活用などのシナジーを図るのが狙い。買い付け予定数は5128万9700株(下限1668万1702株、上限設定なし)で、買付期間は10月31日から12月15日まで。TOB成立後、住友理工株は所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、この発表を受けて東京証券取引所は同社株を10月30日付で監理銘柄(確認中)に指定している。なお、住友理工は今回のTOBに対して賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨している。

    ■レーザーテック <6920>  28,575円  +5,000 円 (+21.2%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率2位
     レーザーテック<6920>がストップ高の水準となる前営業日比5000円高の2万8575円に買われ、年初来高値を更新した。28日に通期業績予想の上方修正と自社株買いを発表したアドバンテスト<6857>の株価は翌29日にストップ高を演じた。同日の米株式市場ではエヌビディア<NVDA>が5連騰で史上初めて時価総額5兆ドル台を達成するなど、半導体関連株への物色意欲がグローバルで高まっている。極端紫外線(EUV)マスクブランクス検査装置を手掛けるレーザーテクに関しては「アドテスト株に続く急騰銘柄を探す動きが広がるなかで、同社の一部カバレッジ・アナリストによる投資判断の引き上げと目標株価3万5000円の設定が伝わったことが刺激材料となった。31日に決算発表を控えていることもあって、思惑的な資金が流入したようだ」(国内証券の投資情報担当者)との声が出ている。

    ■住友電設 <1949>  9,120円  +1,500 円 (+19.7%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率3位
     住友電設<1949>が後場に大量の買い注文を集め、ストップ高の水準となる9120円に買われた。大和ハウス工業<1925>が30日、住友電設に対し完全子会社化を目的としてTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。TOB価格は1株9760円。住友電設の株価はこれにサヤ寄せをする流れとなっている。買付予定数の下限は388万株で、上限は設定しない。TOB成立後、所定の手続きを経て、住友電設は上場廃止となる見通し。住友電設はTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨した。大和ハウスはデータセンターや半導体工場などの建設や開発といった事業の拡大と収益力の向上につなげる。東京証券取引所は30日、住友電設を監理銘柄(確認中)に指定した。

    ■トーメンデバイス <2737>  9,400円  +1,500 円 (+19.0%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率4位
     トーメンデバイス<2737>がストップ高。同社は30日午後1時、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。同時に通期の業績予想を上方修正した。今期の最終利益予想は従来の見通しから16億円増額して64億円(前期比14.5%増)に見直した。減益予想から一転して過去最高益の更新を見込む。期末一括配当予想は40円増額し300円(前期300円)とし、評価されたようだ。今期の売上高予想は700億円増額して4700億円(前期比11.5%増)とした。生成AI関連製品の需要拡大によりメモリー市場で需給がひっ迫。市場価格の上昇が売上高を押し上げる。9月中間期の売上高は2430億8900万円(前年同期比17.3%増)、最終利益は47億7900万円(同18.8%増)だった。

    ■かわでん <6648>  9,590円  +1,500 円 (+18.5%) ストップ高   本日終値
     かわでん<6648>はストップ高。29日の取引終了後、26年3月期の単独業績予想の上方修正を発表した。売上高予想を従来予想の255億円から268億円(前期比10.7%増)、営業利益予想を26億円から40億円(同54.5%増)に引き上げた。同時に年間配当予想は中間・期末各95円の年190円から同各145円の年290円(前期は190円)に100円増額した。今期配当には創業100周年の記念配当20円が含まれている。好業績の見通しと株主還元姿勢を好感する買いを引き寄せている。半導体関連含む大型工場や首都圏を中心とした市街地再開発事業などの堅調な建設需要により売上高は当初の想定を上回る見込み。利益面は採算性の高い大型案件の売り上げが増えたほか、価格の調整が利益に寄与。同時に第2四半期累計(4~9月)の業績予想の上方修正も発表しており、10月以降も同様の順調な状況が続くとみている。

    ■SCSK <9719>  5,107円  +773 円 (+17.8%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率6位
     SCSK<9719>がストップ高。住友商事<8053>は29日の取引終了後、SCSKに対し完全子会社化を目的としてTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付価格は1株5700円で、SCSKの株価はこれにサヤ寄せする動きをみせている。買付予定数の下限は5034万7400株で、上限は設定しない。TOB成立後、所定の手続きを経て、SCSKは上場廃止となる見通し。SCSKはTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨している。住友商はデジタル・AI関連の事業強化につなげる方針。買収資金はブリッジローンで調達し、その後中長期年限の銀行借り入れや普通社債などに順次切り替えていく。東京証券取引所は29日、SCSKを監理銘柄(確認中)に指定した。

    ■Genky <9267>  5,400円  +705 円 (+15.0%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率7位
     Genky DrugStores<9267>が大幅高で、年初来高値を更新した。同社は29日取引終了後、26年6月期第1四半期(6月21日~9月20日)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比28.3%増の29億1600万円となり、上半期計画の52億7000万円に対する進捗率は55.3%となった。売上高は同12.0%増の560億4200万円で着地。客数の増加が売り上げ増につながった。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。また、10月度の月次営業速報もあわせて発表。既存店売上高は前年同月比1.8%増、全店ベースの売上高は同7.9%増だった。

    ■日本アビオニクス <6946>  5,500円  +705 円 (+14.7%) ストップ高   本日終値
     日本アビオニクス<6946>がストップ高。防衛・産業用機器メーカーで、レーダー装置などをはじめとする電子機器などは陸・海・空自衛隊向けに納入実績が豊富。信号・画像処理技術を活用した情報システムなどで評価が高く、防衛予算の増加は同社の収益機会の拡大につながる。そうしたなか、29日取引終了後に26年3月期の業績予想の修正を発表、営業利益は従来計画の32億円から40億円(前期比43%増)に大幅増額修正し、過去最高利益予想を更に大きく上乗せする状況となっている。これがポジティブサプライズとなり、改めて投資資金の攻勢を誘った。

    ■JCRファーマ <4552>  655円  +78 円 (+13.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位
     JCRファーマ<4552>が後場急伸。同社はきょう午後2時ごろ、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。営業損益は23億7900万円の黒字(前年同期は7億3900万円の赤字)に浮上した。売上高は前年同期比28.2%増の213億6200万円で着地。契約金収入が大きく増加したことなどが寄与した。なお、通期業績予想については売上高378億円(前期比14.3%増)、営業損益は26億円の黒字(前期は66億5000万円の赤字)とする従来見通しを据え置いている。

    ■NEC <6701>  5,775円  +671 円 (+13.2%)  本日終値
     NEC<6701>は急騰。29日取引終了後に4~9月期連結決算を発表。売上高は1兆5697億円(前年同期比5.6%増)、営業利益は1185億7000万円(同2.7倍)だった。主力のITサービス部門は官公庁向けが増収を牽引し、DX支援サービス「ブルーステラ」も収益性向上に貢献した。社会インフラ部門は航空宇宙・防衛分野が伸長した。好決算に伴い通期見通しを引き上げた。これを好感した買いを呼び込んでいる。あわせて、テレコム・ブロードバンド事業者向けソフトウェア企業の米CSGシステムズ・インターナショナル<CSGS>を約4417億円で買収すると発表した。米国での事業拡大を図る狙いがある。買収完了時期は2026年中を予定している。

    株探ニュース