2024年1月14日 9時15分
【杉村富生の短期相場観測】 ─ポートフォリオの"核"エヌビディア関連を狙う!
「ポートフォリオの“核”エヌビディア関連を狙う!」
●半導体活況を支えるフレンド・サプライチェーン!
すごい相場である。買い気は旺盛だ。売り方(ショート筋)の踏み(買い戻し)を巻き込み、猛反騰劇が展開されている。日経平均株価は一気に、3万5000円の大台に乗せた。上昇ピッチの速さに短期的な警戒感(テクニカル指標は過熱)が台頭しているが、懸念は無用だろう。古来、「もうはまだなり」という。
心配する人が増え、「暴落だッ」と叫ぶ知識人がいる間は大丈夫だ。確かに、政治の迷走に加え、能登半島地震、羽田空港事故など悲惨な出来事が重なった。暴落説を信じ、株価指数先物を売り、オプションのプットを買った人達がいる。さらに、3万4000円、3万5000円のコールを売った。専門家が何を言おうが勝手だが、罪つくりな話である。
弱気筋(ほぼ全滅)は大きなトレンドを見落としている。筆者は「怒りの猛反騰」と形容しているが、「失われた30年」の克服を目指す日本再興戦略、新東西冷戦構造、国家主義の台頭(その象徴としてのフレンド・サプライチェーンの構築→半導体を軸とする新工場の建設ラッシュ)などが起こっている。
さらに、経営者の意識は変わった。増配、自社株買いの急増、業界再編、賃金引き上げ、M&Aの活発化、株式分割(新NISAの登場が引き金に)などが相次いでいる。PBR1倍奪回作戦もある。要するに、攻める(積極)経営に転換したのだ。もちろん、稼ぐ力は大幅に向上している。外国人はこうした企業サイドの変化を評価しているのだと思う。
●“株長者”を目指すにはこれらの銘柄群を!
日本、および日本人は「失われた30年」の結果、すっかり貧乏になった。アメリカの家計資産は151兆ドルだ。約2京1900兆円である。激増している。これに対し、日本は30年間、ほとんど増えていない。なにしろ、株式市場は低迷し、個人金融資産の5割強はほぼゼロ金利の現・預金である。増えようがないじゃないか。
それが変わる。1000兆円が動き始めた。東証プライム市場の時価総額は860兆円にとどまる。マグニフィセント・セブン(巨大IT企業7社)の時価総額は1719兆円、アメリカ市場の時価総額は7132兆円に達する。アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>の2社は合計820兆円だ。ちなみに、東証プライムの上場社数は1656社である。
これこそが「失われた30年」、および「マネー敗戦」のツケだろう。国際マネーは現在、エヌビディア<NVDA>をポートフォリオの“核”にしている。AI(人工知能)市場が年率72%の成長を続け、2027年には4200億ドル(約61兆円)のビッグマーケットになる、という。GPU(画像処理半導体)、AIチップではエヌビディアが80%のシェアを有する。
このメリットを日本企業は享受できる。すなわち、アップルサプライヤーの恵和 <4251> [東証P]、ソニーグループ <6758> [東証P]、デクセリアルズ <4980> [東証P]をはじめ、エヌビディアの半導体を受託生産している台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>向け素材、部材提供企業群である。
具体的にはレゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]、ディスコ <6146> [東証P]、イビデン <4062> [東証P]、タツモ <6266> [東証P]、メック <4971> [東証P]、TOWA <6315> [東証P]などになる。
エヌビディアと協業、ないしは日本語言語モデルを開発中の企業にはさくらインターネット <3778> [東証P]、NTT <9432> [東証P]、NEC <6701> [東証P]、ソフトバンク <9434> [東証P]などをピックアップできる。
なお、個別銘柄では引き続いてSANKYO <6417> [東証P]、野村ホールディングス <8604> [東証P]、Jトラスト <8508> [東証S]、高千穂交易 <2676> [東証P]、カメイ <8037> [東証P]、QPS研究所 <5595> [東証G]に注目している。2月相場では材料株がそれなりに買われるだろう。
2024年1月12日 記
株探ニュース
●半導体活況を支えるフレンド・サプライチェーン!
すごい相場である。買い気は旺盛だ。売り方(ショート筋)の踏み(買い戻し)を巻き込み、猛反騰劇が展開されている。日経平均株価は一気に、3万5000円の大台に乗せた。上昇ピッチの速さに短期的な警戒感(テクニカル指標は過熱)が台頭しているが、懸念は無用だろう。古来、「もうはまだなり」という。
心配する人が増え、「暴落だッ」と叫ぶ知識人がいる間は大丈夫だ。確かに、政治の迷走に加え、能登半島地震、羽田空港事故など悲惨な出来事が重なった。暴落説を信じ、株価指数先物を売り、オプションのプットを買った人達がいる。さらに、3万4000円、3万5000円のコールを売った。専門家が何を言おうが勝手だが、罪つくりな話である。
弱気筋(ほぼ全滅)は大きなトレンドを見落としている。筆者は「怒りの猛反騰」と形容しているが、「失われた30年」の克服を目指す日本再興戦略、新東西冷戦構造、国家主義の台頭(その象徴としてのフレンド・サプライチェーンの構築→半導体を軸とする新工場の建設ラッシュ)などが起こっている。
さらに、経営者の意識は変わった。増配、自社株買いの急増、業界再編、賃金引き上げ、M&Aの活発化、株式分割(新NISAの登場が引き金に)などが相次いでいる。PBR1倍奪回作戦もある。要するに、攻める(積極)経営に転換したのだ。もちろん、稼ぐ力は大幅に向上している。外国人はこうした企業サイドの変化を評価しているのだと思う。
●“株長者”を目指すにはこれらの銘柄群を!
日本、および日本人は「失われた30年」の結果、すっかり貧乏になった。アメリカの家計資産は151兆ドルだ。約2京1900兆円である。激増している。これに対し、日本は30年間、ほとんど増えていない。なにしろ、株式市場は低迷し、個人金融資産の5割強はほぼゼロ金利の現・預金である。増えようがないじゃないか。
それが変わる。1000兆円が動き始めた。東証プライム市場の時価総額は860兆円にとどまる。マグニフィセント・セブン(巨大IT企業7社)の時価総額は1719兆円、アメリカ市場の時価総額は7132兆円に達する。アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>の2社は合計820兆円だ。ちなみに、東証プライムの上場社数は1656社である。
これこそが「失われた30年」、および「マネー敗戦」のツケだろう。国際マネーは現在、エヌビディア<NVDA>をポートフォリオの“核”にしている。AI(人工知能)市場が年率72%の成長を続け、2027年には4200億ドル(約61兆円)のビッグマーケットになる、という。GPU(画像処理半導体)、AIチップではエヌビディアが80%のシェアを有する。
このメリットを日本企業は享受できる。すなわち、アップルサプライヤーの恵和 <4251> [東証P]、ソニーグループ <6758> [東証P]、デクセリアルズ <4980> [東証P]をはじめ、エヌビディアの半導体を受託生産している台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>向け素材、部材提供企業群である。
具体的にはレゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]、ディスコ <6146> [東証P]、イビデン <4062> [東証P]、タツモ <6266> [東証P]、メック <4971> [東証P]、TOWA <6315> [東証P]などになる。
エヌビディアと協業、ないしは日本語言語モデルを開発中の企業にはさくらインターネット <3778> [東証P]、NTT <9432> [東証P]、NEC <6701> [東証P]、ソフトバンク <9434> [東証P]などをピックアップできる。
なお、個別銘柄では引き続いてSANKYO <6417> [東証P]、野村ホールディングス <8604> [東証P]、Jトラスト <8508> [東証S]、高千穂交易 <2676> [東証P]、カメイ <8037> [東証P]、QPS研究所 <5595> [東証G]に注目している。2月相場では材料株がそれなりに買われるだろう。
2024年1月12日 記
株探ニュース