2026年10月14日 17時30分
明日の株式相場に向けて=投資マネー吸い寄せるレーザー関連株
きょう(14日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比33円安の6万7744円と小幅続落。直近までの4営業日続落でこの間に2900円あまりの下落をみせていたことで、目先自律反発狙いの買いが入っても何ら不思議のないタイミングであった。しかし、前日の米国株市場では主要株価指数が揃って小幅下落。それだけならまだしも、アプライド・マテリアルズ<AMAT>など半導体主力株の一角に大きく下値を探る銘柄が出たほか、シティグループ<C>など好決算を発表した大手金融株も下落するという地合いの悪さで、東京市場も寄り付き前はどっちつかずの微妙なムードに包まれていた。
しかし、取引開始後は徐々に上値を指向した。キオクシアホールディングス<285A>は冴えなかったものの、アドバンテスト<6857>やソフトバンクグループ<9984>、フジクラ<5803>、太陽誘電<6976>といった売買代金上位のAI周辺株が気を吐き、日経平均を押し上げる形に。もっとも、プライム市場全体でみると個別株は値を下げる銘柄の方が多かった。前日に日経平均が1200円を超える大幅安となる中で7割以上の銘柄が上昇したのとは対照的な風景で、これも循環物色の一形態ともいえそうだが、投資家心理的には、容易につかみどころが見えず疑心暗鬼に陥りやすい相場つきではある。そして、その違和感が後場取引中盤以降に半導体セクターへのリスク回避の動きとして顕在化した。
午後2時を境に全体相場はにわかに精気を失い、値を消す展開を余儀なくされ、更に3時少し前からAIアルゴリズムのトレンドフォローの売りが加わり下値を切り下げた。この急転直下の地合い悪化を演出したのは、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング<ASML>の7~9月期決算発表である。申し分のない大幅増収増益であることは当然ながら、これが市場予想と比較してどうかというのがポイントで、今回マーケットは「材料出尽くし」という判断を下した。こうなると、あす発表予定の台湾の半導体受託生産世界最大手TSMC<TSM>が非常に気になるところだ。きょうの流れを考慮すると、よほどサプライズの伴う内容でなければ、売りを誘発するのではないかという懸念が先に立つ。したがって、きょうのうちにポジションを軽くしておきたいという心理が働いたともいえる。同じ時間軸で韓国KOSPIも日経平均と瓜二つの値運びとなり、マイナス圏で着地している。ただ、台湾加権指数は終盤上げ幅を縮小したものの前日終値を上回る水準で引けた。
TSMCの決算もさることながら、日本時間今晩9時半(米国株市場では朝方取引開始前)に発表される9月の米消費者物価指数(CPI)が“前門の虎”となる。原油価格の上昇が際立つなか、これが数値に反映される総合ではなくコアCPIの方に注目が集まるが、「FRBが望んでいるのは伸び率で前月比0.15%以下というのがコンセンサス。しかし、8月の0.3%から0.1%減の0.2%でも、10月FOMCでの利上げ見送りは濃厚」(生保系エコノミスト)という見方だ。今のメインシナリオは年内あと1回、12月のFOMCでの利上げだが、これが本線であれば米国株に波乱は起こりにくいという思惑が働く。
きょうの相場は終盤に荒れたが、実質的にはAIツルハシ銘柄への資金回帰を反映していた。また、半導体製造装置関連はアドテストが最高値近辺で根強い買いを集める一方、東京エレクトロン<8035>などは上値が重く、必ずしも足並みが揃ってはいなかった。そうしたなか、ツルハシ銘柄で存在感を発揮しているのはレーザーデバイス分野に展開するニッチトップの企業群である。レーザー核融合のほか、AIインフラのキーテクノロジーと認知されるシリコンフォトニクスなどで商機が着実に高まっている。
レーザー関連でマークしておきたい銘柄としては、強烈な上昇波を形成しているシグマ光機<7713>にまず目が行くが、参戦するのであれば短期割り切りの投資対象となる。一方、安値圏もみ合いが続いていたオキサイド<6521>は決算発表をあすに控えており、通過後の値動きに着目し、上に行くようなら順張りで追撃して妙味がありそうだ。また、目先下押しているQDレーザ<6613>は押し目買い候補。25日移動平均線がサポートラインとして機能した場合は一転してリバウンド妙味が膨らむ。また、日本電子<6951>は、同社が手掛けるマルチビーム描画装置が先端AI半導体のフォトマスク製造プロセスで活躍余地を広げており、今後これがクローズアップされる可能性がある。更に、特定用途向けファブレス半導体メーカーのザインエレクトロニクス<6769>も光半導体チップで高度なテクノロジーを誇り、レーザーデバイスを駆動させるプロセスで重要なポジションにある。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に開示される8月の機械受注に市場の関心が高いほか、前場取引時間中に8月の鉱工業生産(確報値)が発表される。また、この日は日銀の小枝審議委員が熊本県の金融経済懇談会で挨拶を行い、午後に記者会見が予定されている。IPOが1社予定されており、ルクレ<648A>が東証グロース市場に新規上場する。海外ではタイのバンコクで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が注目される。このほか8月のユーロ圏鉱工業生産や、9月の米小売売上高、9月の米卸売物価指数(PPI)、10月のNY連銀製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、週間の米新規失業保険申請件数、8月の米企業在庫など米国の重要経済指標に耳目が集まる。これ以外では、台湾TSMCの7~9月期決算発表が投資家の視線を集めそうだ。(銀)
出所:MINKABU PRESS
しかし、取引開始後は徐々に上値を指向した。キオクシアホールディングス<285A>は冴えなかったものの、アドバンテスト<6857>やソフトバンクグループ<9984>、フジクラ<5803>、太陽誘電<6976>といった売買代金上位のAI周辺株が気を吐き、日経平均を押し上げる形に。もっとも、プライム市場全体でみると個別株は値を下げる銘柄の方が多かった。前日に日経平均が1200円を超える大幅安となる中で7割以上の銘柄が上昇したのとは対照的な風景で、これも循環物色の一形態ともいえそうだが、投資家心理的には、容易につかみどころが見えず疑心暗鬼に陥りやすい相場つきではある。そして、その違和感が後場取引中盤以降に半導体セクターへのリスク回避の動きとして顕在化した。
午後2時を境に全体相場はにわかに精気を失い、値を消す展開を余儀なくされ、更に3時少し前からAIアルゴリズムのトレンドフォローの売りが加わり下値を切り下げた。この急転直下の地合い悪化を演出したのは、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング<ASML>の7~9月期決算発表である。申し分のない大幅増収増益であることは当然ながら、これが市場予想と比較してどうかというのがポイントで、今回マーケットは「材料出尽くし」という判断を下した。こうなると、あす発表予定の台湾の半導体受託生産世界最大手TSMC<TSM>が非常に気になるところだ。きょうの流れを考慮すると、よほどサプライズの伴う内容でなければ、売りを誘発するのではないかという懸念が先に立つ。したがって、きょうのうちにポジションを軽くしておきたいという心理が働いたともいえる。同じ時間軸で韓国KOSPIも日経平均と瓜二つの値運びとなり、マイナス圏で着地している。ただ、台湾加権指数は終盤上げ幅を縮小したものの前日終値を上回る水準で引けた。
TSMCの決算もさることながら、日本時間今晩9時半(米国株市場では朝方取引開始前)に発表される9月の米消費者物価指数(CPI)が“前門の虎”となる。原油価格の上昇が際立つなか、これが数値に反映される総合ではなくコアCPIの方に注目が集まるが、「FRBが望んでいるのは伸び率で前月比0.15%以下というのがコンセンサス。しかし、8月の0.3%から0.1%減の0.2%でも、10月FOMCでの利上げ見送りは濃厚」(生保系エコノミスト)という見方だ。今のメインシナリオは年内あと1回、12月のFOMCでの利上げだが、これが本線であれば米国株に波乱は起こりにくいという思惑が働く。
きょうの相場は終盤に荒れたが、実質的にはAIツルハシ銘柄への資金回帰を反映していた。また、半導体製造装置関連はアドテストが最高値近辺で根強い買いを集める一方、東京エレクトロン<8035>などは上値が重く、必ずしも足並みが揃ってはいなかった。そうしたなか、ツルハシ銘柄で存在感を発揮しているのはレーザーデバイス分野に展開するニッチトップの企業群である。レーザー核融合のほか、AIインフラのキーテクノロジーと認知されるシリコンフォトニクスなどで商機が着実に高まっている。
レーザー関連でマークしておきたい銘柄としては、強烈な上昇波を形成しているシグマ光機<7713>にまず目が行くが、参戦するのであれば短期割り切りの投資対象となる。一方、安値圏もみ合いが続いていたオキサイド<6521>は決算発表をあすに控えており、通過後の値動きに着目し、上に行くようなら順張りで追撃して妙味がありそうだ。また、目先下押しているQDレーザ<6613>は押し目買い候補。25日移動平均線がサポートラインとして機能した場合は一転してリバウンド妙味が膨らむ。また、日本電子<6951>は、同社が手掛けるマルチビーム描画装置が先端AI半導体のフォトマスク製造プロセスで活躍余地を広げており、今後これがクローズアップされる可能性がある。更に、特定用途向けファブレス半導体メーカーのザインエレクトロニクス<6769>も光半導体チップで高度なテクノロジーを誇り、レーザーデバイスを駆動させるプロセスで重要なポジションにある。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に開示される8月の機械受注に市場の関心が高いほか、前場取引時間中に8月の鉱工業生産(確報値)が発表される。また、この日は日銀の小枝審議委員が熊本県の金融経済懇談会で挨拶を行い、午後に記者会見が予定されている。IPOが1社予定されており、ルクレ<648A>が東証グロース市場に新規上場する。海外ではタイのバンコクで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が注目される。このほか8月のユーロ圏鉱工業生産や、9月の米小売売上高、9月の米卸売物価指数(PPI)、10月のNY連銀製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、週間の米新規失業保険申請件数、8月の米企業在庫など米国の重要経済指標に耳目が集まる。これ以外では、台湾TSMCの7~9月期決算発表が投資家の視線を集めそうだ。(銀)
出所:MINKABU PRESS