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    2026年10月7日 1時49分

    IT大手、既存原発の出力増強で電力確保へ 閉鎖済み原発の再稼働も=米国株個別

     アルファベット<GOOG><GOOGL>傘下のグーグルは、既存の原子力発電所約10カ所の出力を増強し、大型原子炉1基分に相当する追加電力を確保する。データセンター需要の急増で電力不足が深刻化している地域への供給力を高める。

     コンステレーション・エナジー<CEG>は本日、米最大の電力網を運営するPJMインターコネクションに890メガワット(MW)の追加電力を供給する契約をグーグルと締結した。2022年の米国の平均電力消費量を基にすると、60万世帯超に電力を供給できる規模となる。

     追加電力はイリノイ、ペンシルベニア、ニュージャージー各州にある11カ所の原発への投資によって確保する。タービンや蒸気発生器、制御システムなどを近代化し、既存原発の出力を引き上げる。

     IT大手は、既存原発の出力を引き上げる「アップレート」と呼ばれる手法を活用。新たな大型原発を建設するよりもコストが低く、短期間で電力を確保できるためだ。商業規模での実績がまだない小型モジュール炉(SMR)などの次世代技術と比べても、早期に電力を確保できる。

     PJMでは追加電力の確保が急務となっている。PJMは13州と首都ワシントンにまたがる卸電力市場を運営しているが、特にデータセンターによる需要増加が供給力の伸びを上回っている。一方、新たな発電設備を送電網に接続するには数年かかる場合がある。この結果、主に米中部大西洋岸と中西部の6500万人超をカバーするPJM管内では、電力コストが急上昇している。

     コンステレーションとグーグルの契約は、同社が先週アマゾン<AMZN>と結んだ契約に続くもの。アマゾンとの契約では、メリーランド州唯一の原発であるカルバート・クリフス原発の出力を190MW増強する。

     IT大手が原子力を選好する背景には、二酸化炭素を排出せず、データセンターに安定した電力を供給できる点がある。アナリストは、コンステレーションとIT企業との一連の契約は、出力増強の余地がある原発を保有する他の独立系発電会社にも追い風になると指摘。これを受け、ビストラ<VST>とタレン・エナジー<TLN>も本日上昇。

     原発の出力増強は燃料需要の拡大に繋がるため、セントラス・エナジー<LEU>などウラン濃縮企業にもプラスになるという。セントラス株も本日上昇。

     IT大手が出力増強に目を向けるもう1つの理由は、再稼働が現実的な閉鎖済み原発のほとんどで既に契約が結ばれている点にある。コンステレーションはマイクロソフト<MSFT>との契約を通じてスリーマイル島原発を再稼働させる。ネクステラ・エナジー<NEE>はグーグルとの契約によりアイオワ州のデュアン・アーノルド原発を再稼働する計画で、非公開企業ホルテックも地元企業などと共同でミシガン州のパリセーズ原発を再稼働させる。

     同アナリストは、既存原発で経済的に合理性のある出力増強を進めれば、2030年代半ばまでに4-8ギガワット(GW)の原子力発電能力を追加できると試算している。これは大型原子炉4-8基分に相当する。

    (NY時間12:48)(日本時間01:48)
    コンステレーション・エナジー<CEG> 306.75(+39.13 +14.62%)
    ビストラ・コープ<VST> 161.42(+16.53 +11.41%)
    タレン・エナジー<TLN> 376.63(+44.76 +13.49%)
    セントラス・エナジー<LEU> 156.91(+15.47 +10.93%)

    MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

    株探ニュース