2026年6月20日 19時30分
次なる爆騰ルート! AI半導体相場5合目で仕込む「化学株」特選5 <株探トップ特集>
―半導体主力株からバトン、化学株がテンバガーに化ける夢を乗せ後半相場へGO―
週末19日の東京株式市場は、日経平均株価が寄り後早々にほぼ900円の上昇で7万2000円台を目前に捉えたが、その後は利益確定を急ぐ動きが顕在化して値を消した。途中マイナス圏に沈んだものの、大引けは買い戻され小幅ながらプラス圏で着地している。前週後半から日経平均は6連騰で6800円あまりも上昇していたため、さすがにスピード警戒感も拭えなかったが、個別では今のAI・半導体相場の守護神ともなっているキオクシアホールディングス <285A> [東証P]が初の10万円の大台に乗せるなど気を吐いた。
足もとの半導体関連株人気に関して、一部ではバブル警戒論も根強いが、企業全体のEPSなどファンダメンタルズ面からのアプローチで合理性を欠いているわけではない。そのなか、生成AI時代到来を背景としたAIデータセンター 建設で商機を高めている半導体や半導体製造装置、光ファイバー(光関連デバイス)などを提供する、俗に言う「ツルハシ銘柄」が今後も波状的に株価水準を切り上げていく公算は大きい。
●これから草刈り場となる化学セクター
ここで改めて注目したいのが、ツルハシである半導体の製造工程で不可欠となる「素材・材料」を提供する企業群である。これは言うに及ばず 化学セクターに集中しており、半導体業界と密接な関係性を持つ企業の宝庫といってもよい。半導体シリコンウエハーの世界首位である信越化学工業 <4063> [東証P]は代表格だが、同社ほどの認知度はなくても半導体向け材料でニッチトップの座を確保している化学メーカーは思っている以上に多い。
化学メーカーにとってたとえ本業とはいえなくても、半導体製造に関与する部門は利益率も高く、重要な収益基盤となっているケースが目立つ。日経平均が7万円台まで来ると、AI・半導体の超強気相場も上げ足の勢いが鈍りがちだが、現状で伸び切った感触は全くない。仮にバブル的な要素をはらんでいるとしても、企業の収益がついてきている以上、今の強烈な上昇トレンドはまだ5合目に差し掛かったあたりと考えておくところだ。物色の裾野が広がる中で、化学セクターはここから草刈り場と化す可能性がある。
●ドル箱となる半導体関連部門へのシフト加速
例えば、総合化学大手は採算性が低下しているエチレンなど石油化学プラントの生産能力を縮小させる一方、半導体材料を成長領域と位置付け、仕切り直す動きが目立つ。住友化学 <4005> [東証P]は昨年、27年度を最終年度とする中期経営計画を開示、投下資本利益率を大幅に引き上げることを前面に押し出し、事業部別では半導体材料などの情報通信技術(ICT)分野に注力する方針を明示し業界の先駆けとなった。
直近では今年5月、三菱ケミカルグループ <4188> [東証P]がエチレン生産設備や基礎化学品事業を分社化する検討に入ったことを開示している。その一方で米国のロボタクシー向け炭素繊維や、AI半導体向け機能性材料の販売拡大などが寄与して27年3月期の業績は好調を極め、営業利益段階で前期比10倍と目を見張る急回復を予想している。半導体に絡む部門は化学セクターの企業にとってはドル箱である。
●繚乱前夜、味の素の背中を見て出世株輩出へ
日本は半導体メーカーとしては韓国や台湾、米国などの後塵を拝するが、 半導体製造装置や半導体材料では世界のポールポジションに今なお堂々と位置している。そうしたなか、生成AIの急成長を背景に、世界トップクラスの競争力を有する半導体製造装置大手各社は、既にテンバガーのプロセスに軒並み遭遇している。だが、半導体材料メーカーという範疇でみると、関連企業の株価はまだ存分に開花した状態とはいえない。
例えばこれは化学セクターの企業ではないものの、味の素 <2802> [東証P]が直近1年間で株価を2倍化させたが、半導体関連企業として高評価の対象となったのはその1年間という時間軸に集約されていた。相場環境が激変したことで、同社は半導体パッケージ基板用の層間絶縁材料である「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」のモノポリー・サプライヤーとしてスポットライトが当たった。しかし、改めて東京市場を俯瞰すると、実は味の素と同じような波動を描き始めた化学株が多いことに気付く。
株価のテンバガーを最終ターゲット地点とするかどうかは置くとして、化学セクターは上値の伸びしろがまだ多く残された銘柄の宝庫だ。空前のAI・半導体相場で、ここからキャピタルゲインを満喫するには、未開の鉱脈を開拓するのが最も実践的かつ効果的である。今回のトップ特集では、近未来にテンバガーの夢を乗せ、ここから本領を発揮しそうな有望化学株を5銘柄厳選エントリーした。
●半導体大相場の後半戦で開花する要注目5銘柄
【ADEKAは先端AI半導体向けで商機膨らむ】
ADEKA <4401> [東証P]は化学品を主力に食品や農薬分野に展開する。注目されるのは売上高の過半を占める化学品事業で、高純度半導体材料や半導体リソグラフィ材料を手掛けていること。利益率の高い最先端半導体向けの需要を獲得し業績飛躍期に入っている。AI半導体ではHBM向け高誘電材料やEUV露光用の光リソグラフィ材料で世界屈指の商品競争力を有する。また、AIサーバーに搭載されるGPUや最先端CPUなどロジック半導体向け成膜材料でも実績が高い。半導体受託生産世界最大手のTSMC<TSM>との関係も密で、中期的な高成長路線が担保された状態。14倍前後のPERはかなり割安な水準といえる。27年3月期は売上高が前期比9%増の4530億円、営業利益が同13%増の468億円を見込みいずれも連続で過去最高を更新する見通しだ。加えて株主還元にも抜かりなく、自社株買いに前向きに取り組むほか、毎期増配を繰り返し今期の配当利回りも3%近い。
5月中旬に急速人気化し、同月14日に4600円台まで噴き上げる場面があった。その後は反落し6月に入って4000円台を下回って推移したが、ここにきて売り物が切れ再浮上。5日・25日移動平均線のゴールデンクロスも示現しており、目先の押し目は買い向かいたい。2月につけた最高値5104円奪回から中勢5000円台半ばを目指す展開か。
【扶桑化学は超高純度コロイダルシリカで躍進へ】
扶桑化学工業 <4368> [東証P]はリンゴ酸やクエン酸などの果実酸大手でトップクラスの世界シェアを誇るが、同社の存在感を一気に高めたのは半導体用シリコンウエハー研磨材として重要な役割を担う「超高純度コロイダルシリカ」だ。半導体製造の重要工程であるファイナルポリッシングスラリー(CMP研磨工程で使用する研磨液)として高水準の需要があり、その寡占的なサプライヤーである同社は、AIデータセンター投資の拡大が間接的ながらも業績に強烈なフォローウインドとなっている。具体的にはナノレベルの高精度が求められる半導体の微細化に不可欠で、3D積層化ニーズが高まっているAI半導体向けでも活躍機会を広げている。業績の変化率も際立つ。27年3月期は売上高が前期比12%増の858億円、営業利益は同29%増の243億円予想でいずれも過去最高を更新する見込みだ。化学セクターの企業としては利益率が抜群に高いことも評価材料となる。
株価は5月中旬にストップ高を交え、連日マドを開けての急騰を演じた。その後は調整を繰り返しながらも同月27日に4740円まで買われ、分割修正後株価で上場来高値を形成した。その後はいったん下値を試したが、直近最終利益の増額修正を発表し再び青空圏突入が目前。早晩5000円台前半での活躍が視界に。押し目は買い溜めておきたい。
【荒川化はAIDC向け先端半導体材料で新境地】
荒川化学工業 <4968> [東証P]はロジンを活用した技術をコアテクノロジーに据え、幅広い産業のニーズを捉えているが、エレクトロニクス分野で実力を遺憾なく発揮している。ロジンは天然由来の樹脂成分(松脂)で、接着剤や電子材料などに加工される原料として旺盛な需要がある。ファイン・エレクトロニクス部門ではAIデータセンター向けの先端半導体材料や精密性の高い電子デバイスの洗浄剤などを展開している。業績は25年3月期に3期ぶりに営業黒字転換を果たしてから、急ピッチで収益回復トレンドに乗せている。26年3月期営業利益は前の期比2.4倍増益を達成し、27年3月期は前期比32%増益の33億円予想と好調だ。株価指標面でもPBRが0.6倍台と解散価値を大きく下回っているが、株主還元に前向きで約2.5%の配当利回りを有することを考慮すれば、株価の割安感が浮き彫りとなっている。信用買い残もまだ低水準で株式需給面でも軽さがある。
株価は4月末を境に5日移動平均線をサポートラインとする急勾配の上昇トレンドを構築している。17年11月に2788円の上場来高値を形成しているが、それ以来の大相場で、時価はまだ5合目という感触。2000円から上は滞留出来高が意識されにくくなることもあり、目先調整を交えながらも更なる意外高へと発展していく可能性がある。
【トクヤマはポリシリコンと高純度薬液で高実績】
トクヤマ <4043> [東証P]は化学品メーカーの老舗だが、セメント事業から撤退する一方で、半導体材料メーカーとしての側面が一段と浮き彫りとなっている。半導体シリコンウエハーの原料であるポリシリコン(高純度多結晶シリコン)で世界屈指のシェアを有し、半導体製造工程の洗浄やエッチングで使う高純度薬液でも実力を発揮する。洗浄やエッチングに使う薬液に関しては、同社もまた台湾のTSMC<TSM>をメインターゲットとした戦略を推進し、現地での圧倒的な競争力と一段の生産能力増強に傾注している。最先端AI半導体はナノレベルの粒子制御や金属不純物を混入させない技術が重要であるが、同社はこれらの分野で抜群の実績と優位性を持っている。26年3月期営業利益は前の期比24%増の370億1700万円と高成長トレンドを継続、27年3月期の業績予想について会社側は非開示ながら増益基調に変化はなさそうだ。PERも12倍前後で割高感は全くない。
6月上旬に5700円台まで駆け上がった後、4000円台半ばまで深押ししたが、その後は再び上値を慕う展開に。時価は5000円台近辺で強含み踊り場を形成しているが、ここは強気対処で報われそうだ。PER11倍台は同業他社と比較しても割安で、長期投資に耐える拠りどころとなる。中勢6000円台乗せを視野に上値指向が続く公算大。
【大有機はアクリル酸エステルで圧倒的強み発揮】
大阪有機化学工業 <4187> [東証P]は独立系化学メーカーで、化成品、電子材料、機能化学品の3部門を収益の柱としているが、特殊アクリル酸エステルの多品種少量生産で抜群の優位性を持っていることが特長だ。同技術は半導体分野で圧倒的な強みを発揮しており、早くからマーケットの注目度が高い。ArFエキシマレーザーに対応したレジスト原料(モノマー)で約70%と群を抜くシェアを有する。このArFレジストが高水準の需要を捉えているほか、EUVレジストも復調し再び業績躍進トレンドに入った。26年11月期営業利益は前期比3%増の64億円予想とピーク利益更新が続く見通しだが、会社側計画はかなり保守的という見方が強く、10億円以上上振れする可能性が高い。更に27年11月期についても売上高・利益ともに過去最高更新が続きそうだ。好業績を背景に株主還元にも前向きに取り組み、今期で12期連続の増配を計画しており、来期以降も配当の上積みが期待できる。
株価は6月3日に最高値6130円を形成した後にいったんバランスを崩したが、瞬間5000円割れまで下押したところでリバウンドに転じ、時価は6000円台復帰が目前。最高値奪回はあくまで通過点に過ぎず、業績増額期待を背景に青空圏を走る展開が想定される。信用買い残の整理が急速に進み、枯れた状態にあることも上値を軽くしている。
株探ニュース
週末19日の東京株式市場は、日経平均株価が寄り後早々にほぼ900円の上昇で7万2000円台を目前に捉えたが、その後は利益確定を急ぐ動きが顕在化して値を消した。途中マイナス圏に沈んだものの、大引けは買い戻され小幅ながらプラス圏で着地している。前週後半から日経平均は6連騰で6800円あまりも上昇していたため、さすがにスピード警戒感も拭えなかったが、個別では今のAI・半導体相場の守護神ともなっているキオクシアホールディングス <285A> [東証P]が初の10万円の大台に乗せるなど気を吐いた。
足もとの半導体関連株人気に関して、一部ではバブル警戒論も根強いが、企業全体のEPSなどファンダメンタルズ面からのアプローチで合理性を欠いているわけではない。そのなか、生成AI時代到来を背景としたAIデータセンター 建設で商機を高めている半導体や半導体製造装置、光ファイバー(光関連デバイス)などを提供する、俗に言う「ツルハシ銘柄」が今後も波状的に株価水準を切り上げていく公算は大きい。
●これから草刈り場となる化学セクター
ここで改めて注目したいのが、ツルハシである半導体の製造工程で不可欠となる「素材・材料」を提供する企業群である。これは言うに及ばず 化学セクターに集中しており、半導体業界と密接な関係性を持つ企業の宝庫といってもよい。半導体シリコンウエハーの世界首位である信越化学工業 <4063> [東証P]は代表格だが、同社ほどの認知度はなくても半導体向け材料でニッチトップの座を確保している化学メーカーは思っている以上に多い。
化学メーカーにとってたとえ本業とはいえなくても、半導体製造に関与する部門は利益率も高く、重要な収益基盤となっているケースが目立つ。日経平均が7万円台まで来ると、AI・半導体の超強気相場も上げ足の勢いが鈍りがちだが、現状で伸び切った感触は全くない。仮にバブル的な要素をはらんでいるとしても、企業の収益がついてきている以上、今の強烈な上昇トレンドはまだ5合目に差し掛かったあたりと考えておくところだ。物色の裾野が広がる中で、化学セクターはここから草刈り場と化す可能性がある。
●ドル箱となる半導体関連部門へのシフト加速
例えば、総合化学大手は採算性が低下しているエチレンなど石油化学プラントの生産能力を縮小させる一方、半導体材料を成長領域と位置付け、仕切り直す動きが目立つ。住友化学 <4005> [東証P]は昨年、27年度を最終年度とする中期経営計画を開示、投下資本利益率を大幅に引き上げることを前面に押し出し、事業部別では半導体材料などの情報通信技術(ICT)分野に注力する方針を明示し業界の先駆けとなった。
直近では今年5月、三菱ケミカルグループ <4188> [東証P]がエチレン生産設備や基礎化学品事業を分社化する検討に入ったことを開示している。その一方で米国のロボタクシー向け炭素繊維や、AI半導体向け機能性材料の販売拡大などが寄与して27年3月期の業績は好調を極め、営業利益段階で前期比10倍と目を見張る急回復を予想している。半導体に絡む部門は化学セクターの企業にとってはドル箱である。
●繚乱前夜、味の素の背中を見て出世株輩出へ
日本は半導体メーカーとしては韓国や台湾、米国などの後塵を拝するが、 半導体製造装置や半導体材料では世界のポールポジションに今なお堂々と位置している。そうしたなか、生成AIの急成長を背景に、世界トップクラスの競争力を有する半導体製造装置大手各社は、既にテンバガーのプロセスに軒並み遭遇している。だが、半導体材料メーカーという範疇でみると、関連企業の株価はまだ存分に開花した状態とはいえない。
例えばこれは化学セクターの企業ではないものの、味の素 <2802> [東証P]が直近1年間で株価を2倍化させたが、半導体関連企業として高評価の対象となったのはその1年間という時間軸に集約されていた。相場環境が激変したことで、同社は半導体パッケージ基板用の層間絶縁材料である「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」のモノポリー・サプライヤーとしてスポットライトが当たった。しかし、改めて東京市場を俯瞰すると、実は味の素と同じような波動を描き始めた化学株が多いことに気付く。
株価のテンバガーを最終ターゲット地点とするかどうかは置くとして、化学セクターは上値の伸びしろがまだ多く残された銘柄の宝庫だ。空前のAI・半導体相場で、ここからキャピタルゲインを満喫するには、未開の鉱脈を開拓するのが最も実践的かつ効果的である。今回のトップ特集では、近未来にテンバガーの夢を乗せ、ここから本領を発揮しそうな有望化学株を5銘柄厳選エントリーした。
●半導体大相場の後半戦で開花する要注目5銘柄
【ADEKAは先端AI半導体向けで商機膨らむ】
ADEKA <4401> [東証P]は化学品を主力に食品や農薬分野に展開する。注目されるのは売上高の過半を占める化学品事業で、高純度半導体材料や半導体リソグラフィ材料を手掛けていること。利益率の高い最先端半導体向けの需要を獲得し業績飛躍期に入っている。AI半導体ではHBM向け高誘電材料やEUV露光用の光リソグラフィ材料で世界屈指の商品競争力を有する。また、AIサーバーに搭載されるGPUや最先端CPUなどロジック半導体向け成膜材料でも実績が高い。半導体受託生産世界最大手のTSMC<TSM>との関係も密で、中期的な高成長路線が担保された状態。14倍前後のPERはかなり割安な水準といえる。27年3月期は売上高が前期比9%増の4530億円、営業利益が同13%増の468億円を見込みいずれも連続で過去最高を更新する見通しだ。加えて株主還元にも抜かりなく、自社株買いに前向きに取り組むほか、毎期増配を繰り返し今期の配当利回りも3%近い。
5月中旬に急速人気化し、同月14日に4600円台まで噴き上げる場面があった。その後は反落し6月に入って4000円台を下回って推移したが、ここにきて売り物が切れ再浮上。5日・25日移動平均線のゴールデンクロスも示現しており、目先の押し目は買い向かいたい。2月につけた最高値5104円奪回から中勢5000円台半ばを目指す展開か。
【扶桑化学は超高純度コロイダルシリカで躍進へ】
扶桑化学工業 <4368> [東証P]はリンゴ酸やクエン酸などの果実酸大手でトップクラスの世界シェアを誇るが、同社の存在感を一気に高めたのは半導体用シリコンウエハー研磨材として重要な役割を担う「超高純度コロイダルシリカ」だ。半導体製造の重要工程であるファイナルポリッシングスラリー(CMP研磨工程で使用する研磨液)として高水準の需要があり、その寡占的なサプライヤーである同社は、AIデータセンター投資の拡大が間接的ながらも業績に強烈なフォローウインドとなっている。具体的にはナノレベルの高精度が求められる半導体の微細化に不可欠で、3D積層化ニーズが高まっているAI半導体向けでも活躍機会を広げている。業績の変化率も際立つ。27年3月期は売上高が前期比12%増の858億円、営業利益は同29%増の243億円予想でいずれも過去最高を更新する見込みだ。化学セクターの企業としては利益率が抜群に高いことも評価材料となる。
株価は5月中旬にストップ高を交え、連日マドを開けての急騰を演じた。その後は調整を繰り返しながらも同月27日に4740円まで買われ、分割修正後株価で上場来高値を形成した。その後はいったん下値を試したが、直近最終利益の増額修正を発表し再び青空圏突入が目前。早晩5000円台前半での活躍が視界に。押し目は買い溜めておきたい。
【荒川化はAIDC向け先端半導体材料で新境地】
荒川化学工業 <4968> [東証P]はロジンを活用した技術をコアテクノロジーに据え、幅広い産業のニーズを捉えているが、エレクトロニクス分野で実力を遺憾なく発揮している。ロジンは天然由来の樹脂成分(松脂)で、接着剤や電子材料などに加工される原料として旺盛な需要がある。ファイン・エレクトロニクス部門ではAIデータセンター向けの先端半導体材料や精密性の高い電子デバイスの洗浄剤などを展開している。業績は25年3月期に3期ぶりに営業黒字転換を果たしてから、急ピッチで収益回復トレンドに乗せている。26年3月期営業利益は前の期比2.4倍増益を達成し、27年3月期は前期比32%増益の33億円予想と好調だ。株価指標面でもPBRが0.6倍台と解散価値を大きく下回っているが、株主還元に前向きで約2.5%の配当利回りを有することを考慮すれば、株価の割安感が浮き彫りとなっている。信用買い残もまだ低水準で株式需給面でも軽さがある。
株価は4月末を境に5日移動平均線をサポートラインとする急勾配の上昇トレンドを構築している。17年11月に2788円の上場来高値を形成しているが、それ以来の大相場で、時価はまだ5合目という感触。2000円から上は滞留出来高が意識されにくくなることもあり、目先調整を交えながらも更なる意外高へと発展していく可能性がある。
【トクヤマはポリシリコンと高純度薬液で高実績】
トクヤマ <4043> [東証P]は化学品メーカーの老舗だが、セメント事業から撤退する一方で、半導体材料メーカーとしての側面が一段と浮き彫りとなっている。半導体シリコンウエハーの原料であるポリシリコン(高純度多結晶シリコン)で世界屈指のシェアを有し、半導体製造工程の洗浄やエッチングで使う高純度薬液でも実力を発揮する。洗浄やエッチングに使う薬液に関しては、同社もまた台湾のTSMC<TSM>をメインターゲットとした戦略を推進し、現地での圧倒的な競争力と一段の生産能力増強に傾注している。最先端AI半導体はナノレベルの粒子制御や金属不純物を混入させない技術が重要であるが、同社はこれらの分野で抜群の実績と優位性を持っている。26年3月期営業利益は前の期比24%増の370億1700万円と高成長トレンドを継続、27年3月期の業績予想について会社側は非開示ながら増益基調に変化はなさそうだ。PERも12倍前後で割高感は全くない。
6月上旬に5700円台まで駆け上がった後、4000円台半ばまで深押ししたが、その後は再び上値を慕う展開に。時価は5000円台近辺で強含み踊り場を形成しているが、ここは強気対処で報われそうだ。PER11倍台は同業他社と比較しても割安で、長期投資に耐える拠りどころとなる。中勢6000円台乗せを視野に上値指向が続く公算大。
【大有機はアクリル酸エステルで圧倒的強み発揮】
大阪有機化学工業 <4187> [東証P]は独立系化学メーカーで、化成品、電子材料、機能化学品の3部門を収益の柱としているが、特殊アクリル酸エステルの多品種少量生産で抜群の優位性を持っていることが特長だ。同技術は半導体分野で圧倒的な強みを発揮しており、早くからマーケットの注目度が高い。ArFエキシマレーザーに対応したレジスト原料(モノマー)で約70%と群を抜くシェアを有する。このArFレジストが高水準の需要を捉えているほか、EUVレジストも復調し再び業績躍進トレンドに入った。26年11月期営業利益は前期比3%増の64億円予想とピーク利益更新が続く見通しだが、会社側計画はかなり保守的という見方が強く、10億円以上上振れする可能性が高い。更に27年11月期についても売上高・利益ともに過去最高更新が続きそうだ。好業績を背景に株主還元にも前向きに取り組み、今期で12期連続の増配を計画しており、来期以降も配当の上積みが期待できる。
株価は6月3日に最高値6130円を形成した後にいったんバランスを崩したが、瞬間5000円割れまで下押したところでリバウンドに転じ、時価は6000円台復帰が目前。最高値奪回はあくまで通過点に過ぎず、業績増額期待を背景に青空圏を走る展開が想定される。信用買い残の整理が急速に進み、枯れた状態にあることも上値を軽くしている。
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