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    2026年4月16日 17時30分

    明日の株式相場に向けて=史上最高値更新!半導体旋風は次の舞台へ

     きょう(16日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1384円高の5万9518円と続急騰。2月27日につけた史上最高値5万8850円を何の躊躇もなく抜き去った。米国とイランの軍事衝突が終結することへの期待だけで、この中東有事以前の株価水準を大きく上回るというのは論理的には不可解な話。企業業績も仮に中東問題が収まったとしても傷跡は残ったままであり、今期決算をガイダンスすることには困難が伴う。しかし、相場を牽引しているのはAI・半導体セクターというのがミソで、これは軍事AI的な思惑から物色人気が増幅された面もあったと思われる。一般的にはどうしても「ホルムズ海峡封鎖バトル」に目が行きがちだが、株式市場は経済メディアの視点とは少し異なる方向に意識が向いていたのかもしれない。こうなると現金なもので、未踏の6万円乗せに向けたレールも眼前に敷かれているような気分になる。いかなる精緻な分析や洞察があっても予測は予測の域を出ず、現実は最強ということを改めて株式市場が顕示した格好である。 

     そして、追い風は重ねて吹いてくる。東京証券取引所が発表した4月第2週(6~10日)の海外投資家の売買動向(現物)は1兆6418億円の買い越しで、前週と合計すると3兆5000億円を超えた。4月の外国人買いは鉄壁アノマリーだが、今のところ今回も踏襲する可能性が高い。なお、きょう発表されたTSMC<TSM>の決算も事前コンセンサスの高いハードルを越える好内容で、ここら辺の事情もマーケットは先取りしていた感触だ。最高値圏をつむじ風に巻かれたように舞い上がる米フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は、東京市場でも半導体及びその周辺株に大きな浮揚力を与えることになろう。

     今は主力級の銘柄が買われる相場で、特に日経平均寄与度の高いAI・半導体周辺の銘柄が多いことから、日経平均の押し上げ効果も強くなる。きょうも日経平均が大幅高で最高値を更新した傍らで、TOPIXは相対的におとなしい値動きとなっていた。日経225先物主導の仕掛けが炸裂したことを物語るが、とはいえ直近構築された上昇トレンドが砂上の楼閣とは言い難い。日経平均ベースのPERをみても、今の水準が歴史的にイレギュラーな買われ方をしているのは瞭然で否定はできないが、仮にバブルにせよその初動時にショートポジションを構築したところで、すべて跡形もなく押し流されてしまうというのがこの4月相場で証明された。懐疑の中で相場は育つという。「どこかで大きな反動が出る」ことは分かっていても、実はその及び腰(懐疑の念)が驚異的な上昇相場を後押ししている。

     中東有事の絡みでナフサが不足し、TOTO<5332>がユニットバスの受注を停止したというニュースが週明けの市場関係者の間でも話題となり、住宅やその資材メーカーなどの収益にも影響を及ぼすという連想が働いた。しかし、TOTOの株価はひとたび動揺したが、バランスをすぐに立て直した。これが今の相場の懐の深さを象徴している。そして、相場の基礎体力の強さが確認されたところで、投資マネーは“ホルムズの呪縛”が及ばない領域、戦略物資である半導体周辺へのグレートローテーションを開始した。半導体や光デバイスの塊であるAIデータセンターが強力なテーマと化しているのは見ての通りである。

     燎原の火のごとし、きょうの相場ではAIがロボティクスとの融合で社会実装される フィジカルAIが物色テーマとして底流していた。前日に米エヌビディア<NVDA>が、世界屈指の半導体設計ソフト会社であるケイデンス・デザイン・システムズ<CDNS>とロボット工学向けAI開発で提携することを表明。これが飢えた投資マネーの琴線に触れ、東京市場に降り立つ背景となった。AIは現在進行形で加速的な進歩を遂げており、既に人間とは比べ物にならない演算能力に加え、ハイレベルな推論を武器としている。それでも活躍テリトリーは2次元空間に限定されていたが、エヌビディアのジェンスン・ファンCEOがAI革命における次のモーメントに位置付けているフィジカルAIはその概念から飛び出した。ソフトウェア領域にとどまらず、3次元空間でAIが自律的に行動する存在へと発展を遂げることで、我々の日常が劇的に変わることは必至だ。

     きょうは、人型ロボット で不可欠となる精密減速装置やアクチュエーターを手掛けるハーモニック・ドライブ・システムズが一時465円高の4815円と気を吐いたほか、業界大御所のファナック<6954>も堅調、ナブテスコ<6268>も上値を追った。中小型株では菊池製作所<3444>がストップ高カイ気配に張り付き、平田機工<6258>なども強い動き。仕手性の強いヒーハイスト<6433>は10%超の急騰を演じた。あす以降の相場でマークしておきたい銘柄では、テクノホライゾン<6629>が挙げられる。FA関連を中心とするロボティクス分野に長じ、AI技術による高速検査機能を搭載したX線装置などでも高実績を持つ。AIとロボティクスの融合で大事なのは人間の目となる部分で、同社は持ち前の光学・センシング技術で重要なポジションを占めている。

     あすのスケジュールでは、国内で特に目立ったイベントは見当たらないが、3カ月物国庫短期証券の入札が前場取引時間中に行われる。海外では1~3月期のマレーシア実質国内総生産(GDP)速報値が発表される。また、この日はロシアを含む旧ソ連諸国で構成された独立国家共同体であるCISの外相会議がロシアのカリーニングラードで開催される予定。このほか、2月のユーロ圏経常収支、2月のユーロ圏貿易収支などが開示される。(銀)

    出所:MINKABU PRESS