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    2025年11月24日 23時27分

    米商務長官、EUが鉄鋼・アルミ関税の引き下げを望むなら、デジタル規制を見直す必要

     ルトニック米商務長官はEUが鉄鋼・アルミ関税の引き下げ合意を望むなら、デジタル規制を見直す必要があると述べた。長官はブルームバーグとのインタビューで、「EUのIT規制を後退させることについて協議している。その代わりとして、魅力的な鉄鋼・アルミ取引をまとめる」と語った。

     長官と米通商代表部(USTR)のグリア代表は、7月の米・EU貿易合意後、初の公式訪問として月曜日にブリュッセルを訪れた。

     7月の合意では、米国が多くのEU製品に15%関税を課す一方、EUは米国の工業製品や一部農産物への関税撤廃をコミットした。さらに双方は、EU産鉄鋼・アルミへの50%関税(EUも対抗して50%を賦課)など、他の関税引き下げについても協議を続けるとした。

     EU側を悩ませているのは、トランプ大統領の“セクター別関税権限”の適用範囲が原材料の金属にとどまらず、大幅に拡大している点。米国は既存の鉄鋼関税を、当時は対象外だった多くの品目にまで拡大している。

     ルトニック長官は、鉄鋼・アルミの合意はEUが米大手テック企業への規制を一部後退させることが前提であると明確に述べた。「EUが規制の足かせを緩め、米企業にとって魅力的な環境を整えれば、数千億ドル、場合によっては1兆ドル規模の投資を呼び込める」と語った。

     これはEUにとって難しい選択となる。EUは「他国にIT規制を決めさせない」という立場を堅持してきたが、鉄鋼関税は欧州経済に大きな痛手を与えている。ドイツのライヒ経済相は「追加的な負担軽減が不可欠。多くの機械製品が米国に出荷できず、企業は大幅な売上減に苦しんでいる」と述べた。

     ルトニック、グリア両氏は、EUのデジタル政策担当のトップ、ヴィルッキュネン氏とも会談し、デジタル規制について協議。欧州委員会によると、同氏はオンラインプラットフォームを規制するデジタルサービス法(DSA)とデジタル市場法(DMA)というEUの中核ルールの重要性を強調したうえ、AI規制およびデータ保護規制緩和の最新提案について説明したという。

     ただし、欧州委員会の報道官は「EUはIT規制や税制について、米国との貿易交渉の一部として協議しない」という既存方針を改めて明言した。

     ルトニック長官は、EUによる米国のIT企業への厳しい扱いを長年批判してきた米政権の見解を踏まえ、グーグルへの約30億ユーロの制裁など、「未解決案件を清算しよう。これらを過去のものにしよう」と述べ、企業が成長できる合理的な枠組みを作るべきだと続けた。

    株探ニュース