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    2025年11月21日 4時28分

    ゼレンスキー大統領は抵抗の構え 米国がロシア寄り和平案の受け入れ迫る

     米当局者が突きつけた屈辱的とも言える和平案に、ウクライナのゼレンスキー大統領は抵抗する構えを固めようとしている。一方、大統領は、最側近の更迭を求める国内の圧力にも直面している。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。

     米国がロシアとの協議を経てまとめた合意案を受け入れるよう米国からゼレンスキー大統領に示唆があった。トランプ大統領もこの合意案を支持しているという。

     ゼレンスキー大統領は20日にキーウで、ドリスコル陸軍長官が率いる米軍の代表団との協議に臨む。この代表団は既に、ウクライナのスビリデンコ首相、シルスキー軍総司令と会談しており、ロシアに戦闘停止を強いる方策が検討される見通しだと述べた。

     今回の和平案はガザ停戦をモデルに、28項目の計画から成るが、その多くはウクライナがこれまで受け入れられないとして拒否してきたロシアの要求そのままだ。関係者によると、ウクライナ東部ドンバス地方のロシアへの割譲のほか、対ロシア制裁の解除、戦争犯罪調査の打ち切りなどが盛り込まれている。

     軍の規模を制限する条項も含まれていると、匿名を要請した関係者は明らかにした。ウクライナがこれを受け入れれば、ロシアが再度攻撃を仕掛けてきた場合の守りは薄くなる。ロシアのプーチン大統領はウクライナ東部を巡る和平に合意しながら、これに違反して2022年に侵攻を開始した前歴がある。

     プーチン大統領は圧力をかけられた際に和平案を受け入れるそぶりを見せることがあると複数の欧州の外交官は指摘、実際の合意には懐疑的な見方を示した。

     ロシアは国内2大石油会社であるロスネフチ、ルクオイルに対する米国の制裁発効を止めようとしているのだろうと関係者は語った。この制裁は21日に発効する予定。

     ホワイトハウスのレビット報道官は「トランプ大統領は当初から一貫して、ロシアとウクライナの戦争終結を望んでいると明確にしてきた。双方が和平案に同意しないため、いずれの側に対しても不満を募らせている」と発表文で説明。「それでも、大統領とそのチームは決して諦めない。殺りくをやめさせ、持続可能で恒久的な和平をつくり出そうと、双方に受け入れ可能で詳細にわたる計画に取り組みを続けている」と付け加えた。

     こうした国内の政争が深刻化する中で、ウクライナの当局者は米国の和平案について詳細を把握しようとしている。和平案はウィトコフ米特使とプーチン大統領の経済特使キリル・ドミトリエフ氏が推進している。

     ウィトコフ氏は水面下で1カ月に渡り、ウクライナとロシアの双方の意見をくみ取りながら戦争終結に受け入れ可能な条件の和平案作成に取り組んでいると、米高官は説明した。双方に譲歩を求めることになると、同高官は主張した。

     この案をウクライナが拒否する場合、何が起きるか同国や欧州当局者は把握できていないと、関係者は述べた。ウクライナは対空防衛で米国の情報支援に依存しており、ほぼ欧州の資金で米国製の兵器を購入している。

     20日にブリュッセルで会談したEU外相は、米国の和平案に対する警戒感をあらわにした。カラスEU外交安全保障上級代表(外相)は「いかなる計画であれ、機能させるにはウクライナと欧州の関与が必要だ」と語った。

    株探ニュース