2025年11月12日 2時12分
FRB、12月FOMCまでに主要データを入手できない可能性 例え今週中に再開でも
ようやく米政府機関再開にメドが立ってきたが、米統計機関は週後半までに政府が再開すれば、数日以内に遅延していた経済データの公表を再開できる見通しだと伝わっている。
ただし、9月分の米雇用統計やインフレ指標は比較的早期に公表されそうだが、10月及び11月分の重要指標は12月9-10日に予定されるFOMCまでに間に合わない可能性があるとの指摘も出ている。
今回の政府閉鎖は10月1日に始まり、過去最長となっている。この間、民間の経済データが空白をある程度補ってきたが、それらは政府による公式データほど一貫性や信頼性は高くない。パウエル議長を含むFOMC委員やエコノミスト、投資家は、政策判断の基礎となる公的データの欠如に強い懸念を示している。
政府再開後、最初に公表されるのは9月の米雇用統計と思われ、再開から概ね3日以内には発表できる見通し。雇用統計は閉鎖前にほぼ完成していたため、再開から数日で公表できるはず。また、9月分の小売売上高、貿易統計、PCE価格指数なども比較的早く公表が可能で、米新規失業保険申請件数についても早期の更新が可能とされる。
ただし、問題は10月分以降のデータ。政府閉鎖の影響で調査活動や価格確認が妨げられたため、集計や処理に時間がかかり、誤差も大きくなる可能性がある。米労働統計局(BLS)は11月分のデータの基準週(毎月12日を含む週)にも調査ができなかった可能性があり、リアルタイムのデータは永久に失われたとの指摘も出ている。本日はハセット米国家経済会議(NEC)委員長の発言が伝わっていたが、その可能性に言及していた。
ただし、企業からの記録データを取得できれば、限定的ではあるが部分的な分析は可能だとの指摘もエコノミストから出ている。また、10月、11月分の消費者物価指数(CPI)の算出は、例年よりも推計値に頼る割合が高まると見ているという。統計機関はデータの欠損を嫌う利用者のために、可能な限り完全な数字を公表しようとするだろうとも述べた。
米大手証券のエコノミストによると、2013年の政府閉鎖を参考にすると、10、11月分の雇用統計は12月8日に発表される可能性を見ているという。ただし、10月分の小売売上高とCPIなどのインフレ指標は12月18日前後までずれ込む可能性あるとしている。
同エコノミストは「もし今週中に閉鎖が終われば、11月分の雇用統計はFOMC前にほぼ予定通り公表される可能性がある」と指摘。ただし、2013年の時の閉鎖は今回の半分以下の期間で、複数月にわたるデータ遅延を引き起こすことはなかった点は留意されるとも述べている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース
ただし、9月分の米雇用統計やインフレ指標は比較的早期に公表されそうだが、10月及び11月分の重要指標は12月9-10日に予定されるFOMCまでに間に合わない可能性があるとの指摘も出ている。
今回の政府閉鎖は10月1日に始まり、過去最長となっている。この間、民間の経済データが空白をある程度補ってきたが、それらは政府による公式データほど一貫性や信頼性は高くない。パウエル議長を含むFOMC委員やエコノミスト、投資家は、政策判断の基礎となる公的データの欠如に強い懸念を示している。
政府再開後、最初に公表されるのは9月の米雇用統計と思われ、再開から概ね3日以内には発表できる見通し。雇用統計は閉鎖前にほぼ完成していたため、再開から数日で公表できるはず。また、9月分の小売売上高、貿易統計、PCE価格指数なども比較的早く公表が可能で、米新規失業保険申請件数についても早期の更新が可能とされる。
ただし、問題は10月分以降のデータ。政府閉鎖の影響で調査活動や価格確認が妨げられたため、集計や処理に時間がかかり、誤差も大きくなる可能性がある。米労働統計局(BLS)は11月分のデータの基準週(毎月12日を含む週)にも調査ができなかった可能性があり、リアルタイムのデータは永久に失われたとの指摘も出ている。本日はハセット米国家経済会議(NEC)委員長の発言が伝わっていたが、その可能性に言及していた。
ただし、企業からの記録データを取得できれば、限定的ではあるが部分的な分析は可能だとの指摘もエコノミストから出ている。また、10月、11月分の消費者物価指数(CPI)の算出は、例年よりも推計値に頼る割合が高まると見ているという。統計機関はデータの欠損を嫌う利用者のために、可能な限り完全な数字を公表しようとするだろうとも述べた。
米大手証券のエコノミストによると、2013年の政府閉鎖を参考にすると、10、11月分の雇用統計は12月8日に発表される可能性を見ているという。ただし、10月分の小売売上高とCPIなどのインフレ指標は12月18日前後までずれ込む可能性あるとしている。
同エコノミストは「もし今週中に閉鎖が終われば、11月分の雇用統計はFOMC前にほぼ予定通り公表される可能性がある」と指摘。ただし、2013年の時の閉鎖は今回の半分以下の期間で、複数月にわたるデータ遅延を引き起こすことはなかった点は留意されるとも述べている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース