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    2025年11月11日 21時31分

    中国、レアアース輸出でライセンス制度導入計画

     中国政府は、規制対象のレアアース(希土類)などについて、対米輸出を円滑に進めるため、米軍に関係する企業を除外し、その他の企業への輸出承認を迅速化する制度を設ける方針と伝わった。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話として伝えた。

     中国の習主席はトランプ大統領に対し、レアアースなどの輸出を促進すると伝えている。今回の認定エンドユーザー(VEU)制度は、輸出を促進する一方、米軍への供給業者にレアアースなどが渡らないようにしたい中国側の懸念に対応するもの。

     制度が厳格に運用されれば、民間と防衛の両方の顧客を持つ自動車や航空宇宙企業にとって、中国からの特定の原材料輸入がより困難になる可能性がある。

     規制対象のレアアース磁石などは、電気自動車(EV)や旅客機などの民生品に幅広く使用されているが、戦闘機、潜水艦、攻撃用ドローンの製造にも必要とされている。

     中国政府が検討しているVEU制度は、同国の輸出管理構造の多くと同じように、米国の法律や手続きをモデルにしている。2007年から運用されている米国版のVEU制度では、特定の中国企業は一般的な承認下で規制対象のモノを購入することが認められている。そのため購入のたびに個別のライセンスを取得する必要はなく、いわば簡略化された輸出承認メカニズムとなっている。

     これによって規制対象の化学物質や半導体製造装置などの輸入が容易になるものの、企業は制度が順守されているかの確認作業のため、米政府による施設検査などを受け入れる必要がある。

     中国政府は4月以降、強力なレアアース磁石の輸出規制を利用して、米国との貿易戦争で譲歩を引き出してきた。その後、10月30日の米中首脳会談で休戦で合意。双方が譲歩した後、中国は規制対象の原材料などの輸出を円滑に進めるため、一般ライセンスの発行を公に約束していた。

     トランプ氏は、中国政府の一般ライセンス発行が重要な原材料の輸出規制の事実上の終了を意味すると述べている。だが中国側は民生用途が確認された場合には輸出を円滑化しようとする一方で、一部規制は維持しているとみられる。

     中国政府はどの企業が一般ライセンスの対象となるのか、またそのライセンスが具体的にどのような恩恵をもたらすのかを明確にしていない。またVEUの保護がどのくらいの期間続くのか不明。米国の制度では、VEUに基づいて購入が認められた中国企業が、この認可を取り消されることがあり、これが中国に懸念をもたらしている。

     多くの企業はこのような事情を背景に、中国のVEU制度の恩恵を受けられる場合でも、規制対象の原材料の代替供給源を引き続き模索する可能性がある。

     欧米企業はここ数カ月、レアアース磁石へのアクセスが減少していると訴えている。中国は磁石の規制を緩和することに断続的に同意してきたが、中国から米国へのレアアース磁石の輸出は9月に前月比で29%減少。休戦合意に至る数週間でも、規制が企業に影響を与え続けていたことが示されている。

    株探ニュース