中国政府は米政府との間で先月合意した貿易緊張の緩和を受け、米国の調査に関連して韓国の造船会社に科していた制裁を停止し、一部の重要鉱物に関する輸出規制も一時中断した。

　米国が中国の海運業界に対する調査を停止した直後の１０日、中国商務省は韓国の造船大手ハンファオーシャンの子会社５社に科していた制裁を１年間停止すると発表。制裁は、米国の調査に関与したとされる疑いに基づくものだった。同じく１０日、中国交通運輸省も独自に進めていた調査と米国船舶に課していた特別港湾料金の徴収を停止した。

　一方、中国商務省は９日、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、超硬材料に関連するデュアルユース品目の対米禁輸措置を一時停止すると発表。また、グラファイト（黒鉛）の対米輸出に対する厳格な審査も停止した。措置は９日に発効し、来年１１月２７日まで有効となっている。

　これらの規制は、バイデン前政権がＡＩアプリケーションに不可欠な先端メモリーチップへの中国のアクセスを制限したことへの対抗措置として、昨年１２月に導入された。


株探ニュース