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    2025年3月22日 19時30分

    “株高発祥”の地、ダイナミズムみなぎる「福岡関連」厳選6銘柄<株探トップ特集>

    ―地元から日本全国そして世界へ、業績・配当面やテーマ性で魅力ある物色対象をロックオン―

     外食・小売り業界でここ最近、注目のトピックがあった。先月下旬、外食大手すかいらーくホールディングス <3197> [東証P]の子会社が運営するうどんチェーンの都内1号店がオープンした。開店前から170人以上の行列ができる人気ぶりで、各メディアに取り上げられ大きな話題となった。他方、今月に入りスーパー大手・西友を所有する米投資ファンドなどが西友株をすべて売却することが明らかとなった。売却先は日本の新興スーパーという。うどんチェーンと新興スーパー、業態は全く異なるがこれら2社にはある共通点がある。

    ●ピザハットの親会社も...

     すかいらーくは昨年とあるチェーン店を240億円で買収した。北九州のソウルフード「資(すけ)さんうどん」だ。1976年に創業し、複数の投資ファンドの傘下を経ながら業容を拡大。現在、九州を中心に西日本で70店舗以上を展開する。昨年末には千葉に出店し関東へ初進出した。大手グループに入ったことで全国的な知名度を高めつつあり、前述の都内店舗での長蛇の行列もそうした背景があったのだろう。もちろん大前提として、資さん自身が持つ歴史ある地域チェーンとしての高いブランド力が訴求のベースにあることは言うまでもない。すかいらーくは買収発表のリリース文の中で、味やサービスといった資さんの良さを守り、多くの地域で食べてもらえるよう「一丸となってサポート」するとしており、同社の熱意がうかがえると同時に、外食大手がこれほどまでに求める“ローカル”の魅力を改めて意識させられる。会社側は年内に同チェーンの21店舗出店を計画する。

     外食業界で資さんの注目度が増すなか、同じく一般になじみ深い小売り業界でも脚光を浴びている企業がある。今月上旬にスーパー大手・西友の買収を発表したトライアルホールディングス <141A> [東証G]だ。システム開発から小売りに業態転換した異色の経歴を持ち、現在でもシステム開発のノウハウを生かして店舗内のデジタル化を図るなど徹底した効率化とコストカットで急成長を遂げている。創業の地・福岡を含む九州を中心に全国に店舗網を持つ。西友を取り込むことで人口の多い関東・中部・関西の3地域を強化する狙いだ。

     話題の上記2社はいずれも福岡に拠点を構える。同じカテゴリーに属する企業でこのほか、ここ関心を集めたものでは食品卸のヤマエグループホールディングス <7130> [東証P]がある。2022年に「ピザハット」の運営会社を買収した経緯がある同社は今月11日、株主優待制度を導入し、ピザハットで利用できるギフト券を贈呈すると発表。同日に株価を急動意させ投資家の視線を集めた。これら以外にも福岡にはまだ魅力的な企業が数多く存在する。さまざまな分野で活躍する「福岡関連」銘柄を6つピックアップした。

    ●TSMC関連株アリ、ふるさと納税やPFASに絡む銘柄も

     ゼンリン <9474> [東証P]は地図情報サービスの最大手。1948年に大分で創業し、程なくして福岡・北九州に拠点を移した出版社をルーツとする。本社機能をはじめ開発、出版などさまざまな機能を北九州やその周辺地域に置き、また全国各地に営業拠点を構え拡販を図っている。戦後の都市開発やカーナビゲーションの普及を背景に増加した地図需要を捉えて業容を広げ、近年では自動運転やドローンといった新分野にも力を入れている。第3四半期累計(24年4-12月)の営業損益はカーナビ用データが伸び、黒字転換で着地。配当利回りが3%台半ばと株主還元面で妙味がある。

     室町ケミカル <4885> [東証S]は医薬品の原薬メーカー。上場は21年と比較的最近だが、創業は大正時代と歴史ある企業だ。長年培ってきた化学技術を強みに健康食品のOEM製造、液体処理関連製品の販売・加工も行う。発がん性が指摘される化学物質「有機フッ素化合物(PFAS)」が全国の河川で相次ぎ検出され問題化しているが、同社では高い吸着性能を持つPFAS除去用イオン交換樹脂を手掛けており、今後の需要増に期待が膨らむ。前期に獲得した健康食品事業の大型案件の寄与が続き、上期(24年6-11月)は営業34%増益と好調。通期でも営業増益を見込み、増配も計画する。

     ワールドホールディングス <2429> [東証P]は九州を地盤とする人材サービス大手。93年に北九州で創業し、製造業からサービス業まで幅広い業種に向けて業務請負・人材派遣を展開する。人材育成に注力し、台湾TSMC<TSM>の熊本進出効果で高まる半導体人材ニーズを捉えるべく研修施設を開設するなど取り組みを進めている点がポイント。このほか、不動産事業や携帯電話の販売代理店、農業公園の運営を手掛ける。前期は自動車や半導体業界の影響を受けて営業減益を余儀なくされたが、今25年12月期は2ケタ増益と回復へ。配当も増額を見込み、足もと利回りは5%超と魅力的だ。

     ホープ <6195> [東証G]は自治体向けサービス会社。自治体のホームページや広報誌などにあるスペースを広告枠として有効活用するための支援事業を主力とする。創業者である現社長が行政機関の未利用資源に着目し、05年に福岡で事業を立ち上げたのが始まり。電力小売り事業(現在は撤退)を巡り、数年前に大幅な損失を計上し業績が低迷した時期もあったが、現在は回復。今25年3月期は営業2ケタ増益予想で3期連続の黒字を確保する。21日に三井住友銀行、チェンジホールディングス <3962> [東証P]の2社と協力し、企業版ふるさと納税支援サービスを提供すると発表。株価を急動意させた。

     新日本製薬 <4931> [東証P]は「PERFECT ONE(パーフェクトワン)」ブランドで知られる化粧品・ヘルスケア商品のファブレスメーカー。化粧水や乳液、美容液などの役割を一つにまとめた「パーフェクトワン オールインワン美容液ジェルシリーズ」を主力とし、国内はもとより、中国や香港、台湾を含むアジア圏を中心に海外で人気を獲得している。同シリーズは顔用保湿ジェル市場の売り上げシェア世界ナンバー1として、ギネス記録に2年連続(22~23年)で認定された実績がある。福岡から世界へ飛躍する企業として今後も目が離せない。25年9月期は連続最高益・増配を見込む。

     九州リースサービス <8596> [東証S]は九州エリアの総合リース最大手。地域密着の総合金融サービス企業として地元経済の発展に貢献している。同社もTSMC効果が及ぶ企業の一つだ。会社側では、半導体メーカーによる工場建設といった直接的な投資と、周辺の住居や商業施設、社会インフラに対する関連投資の両方にアプローチしていく方針を掲げる。足もとでは土木建設機械・輸送用機器や建物のリースが伸びているという。25年3月期は2ケタ営業増益を予想し、第3四半期までの進捗率は9割近い。増配トレンドも続ける。利回り3%台後半、PBR0.5倍台は割安感が強い。

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