カナダは、トランプ氏が幅広い関税を課すという脅しを実行に移した場合、米国に輸出する主要商品（ウラン、石油、カリウムなど）への輸出税の適用を検討していると伝わった。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。

　トルドー政権の高官によると、輸出税はカナダにとって最後の手段だという。同高官らは、米製品に対する報復関税や、特定のカナダ製品に対する輸出規制が、より先に実施される可能性が高いとも述べた。しかし、トランプ氏が本格的な貿易戦争に踏み切ることを決定した場合、米国の消費者、農家、企業にとってコスト上昇につながるコモディティの輸出税は現実的な選択肢となるという。

　トルドー政権は、月曜日に発表予定の同国の財政および経済状況に関する最新情報の一環として、輸出規制に関する権限拡大を提案する可能性もあるとも述べた。

　カナダは米国にとって、最大の石油の外部供給国である。一部の精製所はより安価なカナダ産の原油に依存しており、それに代わる選択肢はほとんどない。米中西部はコスト上昇の影響を特に大きく受けることになる。この地域の燃料メーカーは、ガソリンやディーゼルに加工する原油のほぼ半分をカナダ産に依存している。

　また、カナダ産ウランは米原子力発電所にとって最大の外国産燃料であり、カナダの西部地域で産出されるカリは米国の農場にとって重要な肥料源となっている。一方、米国防総省は、コバルトとグラファイトの供給源を確保し、中国への供給網への依存度を低減するために、カナダのプロジェクトに投資している。

株探ニュース