（NY時間14:05）（日本時間04:05）
ベリサイン<VRSN>　205.75（+0.65　+0.31%）

　バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>が２０２４年の最後の数営業日にベリサイン<VRSN>の株式７万６４８７株を１５６０万ドルで取得したことが米証券取引委員会（ＳＥＣ）への提出書類で明らかになった。

　バークシャーは今月に入ってから一貫して同社株を買い集めた結果、現在の持ち株比率は１３．８％となっている。バークシャーは２０１３年に初めて同社株を購入し、その後数年間は持ち株比率を調整していなかった。

　ベリサインは価格設定構造が規制当局の監視下に置かれたことで厳しい１年を過ごした。同社株は強気相場を牽引してきたＩＴブームの波に乗り損ね、２０２４年は横ばいで終わりそうだ。同社株は現在、予想ベースの株価収益率（ＰＥＲ）が２４倍前後で取引されているが、年初には２１倍に下落し、２０１７年以来の最低水準を記録した。キャッシュフローとＰＥＲ、ＰＢＲ（株価純資産倍率）に重点を置くバークシャーのバリュー投資哲学に同社が適合しているという見方もできる。

　バイデン政権が最終的に同社との契約を更新し、登録価格に関する協議に合意したことを受け、一部のアナリストは同社に対して強気な見方を示している。「規制に関する懸念が後退したいま、焦点はドメインの成長に移り、データは改善の兆しを見せ始めている。マクロの改善見通し、チャネルマーケティング計画の可能性、価格に関する懸念の解消がリスク調整後のマルチプルの上昇を支えると考えている」と述べている。

　ただ、株価は小幅高となっている。

【企業概要】
　米国内外の企業向けに、インターネットインフラとドメインネーム登録管理サービスを提供する。ルートサーバーの一部の管理・運営を行うほか、com、.net、.nameドメイン名の権威ディレクトリを運営する。

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース