2023年9月2日 5時33分
ダウ平均は反発 米雇用統計は追い風も利回り上昇が圧迫=米国株概況
NY株式1日(NY時間16:21)
ダウ平均 34837.71(+115.80 +0.33%)
S&P500 4515.77(+8.11 +0.18%)
ナスダック 14031.82(-3.15 -0.02%)
CME日経平均先物 32740(大証終比:+40 +0.12%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は反発。ただ、上値も重く伸び悩む動きも見られていた。取引開始前に8月の米雇用統計が発表になったが、失業率が3.8%と予想以上に上昇したことが株式市場をサポートした。また、非農業部門雇用者数(NFP)は18.7万人増と予想を上回ったものの、前回、前々回分が大幅に下方修正され、相殺されている。注目の平均時給は前年比4.3%の上昇と予想通りではあったものの、前月比が0.2%の上昇に鈍化しており、賃金上昇傾向への一服感を示す内容でもあった。
今回の米雇用統計を受けて、FRBの追加利上げ期待が無くなったとまでは考えづらいが、再来週の米消費者物価指数(CPI)の内容次第では、少なくとも9月FOMCでの利上げはほぼ確実に見送られそうな数字ではある。短期金融市場でも年内の利上げ期待が後退しており、あと1回の確率を37%程度で織り込む動きとなっている。
ただ、米株式市場は取引開始直後こそ買いが先行したが、米国債利回りが急速に上昇に転じたことから、IT・ハイテク株中心に売りが広がり、指数も上げを失っている。ナスダックは下げに転じる動き。
米雇用統計はFRBの追加利上げ期待は後退させたものの、ソフトトンディングのシナリオを強化する内容でもあり、米国債利回りは10年債や30年債といった長期ゾーンが上昇。一方で政策金利に敏感な2年債は横ばいとなっている。米株式市場のファンダメンタルズにとっては好都合な状況とも思われるが、このところの米株式市場は米国債利回り上昇に対して過度に苦手意識を強めており、きょうもシステマティックにネガティブな反応を見せているのかもしれない。
個別に決算絡みでは、半導体のブロードコム<AVGO>が決算を受け下落。AIブームが業界の一部で需要をけん引しているにもかかわらず、同社は広範な消費減速に巻き込まれていることが示された。同社はアップル<AAPL>主要部品メーカーだが、売上げの減少に苦悩している。
デル・テクノロジーズ<DELL>が大幅高。PC市場の回復に前向きな兆候を見せ、企業向けテクノロジー市場の回復への期待を高めた。
テスラ<TSLA>が下落。再び中国で「モデルS」と「モデルX」の販売価格を引き下げた。2週間前に販売を促進のため、プレミアムカーの価格を引き下げたばかり。
蓄電ソリューションを設計・製造を手掛けるイオス・エナジー・エンタープライシズ<EOSE>が大幅高。米エネルギー省が同社に、3億9860万ドルの融資保証を行う条件付きコミットメントを実施すると発表した。
データベースのプラットフォームを手掛けるモンゴDB<MDB>が決算を受け上昇。通期の見通しを上方修正したほか、第2四半期も予想を大きく上回る1株利益の見通しを示した。
ドラッグストアとヘルスケアをウォルグリーン・ブーツ・アライアンス<WBA>が下落。同社の取締役会とブリュワーCEOが8月31日付けで、CEOおよび取締役を退任することで合意したと発表した。
クラウド・プラットフォームの設計開発を手掛けるニュータニックス<NTNX>が決算を受け大幅高。1株利益、売上高とも予想を上回ったほか、ガイダンスも予想を上回った。ビリング(未収請求を考慮した売上高)も予想を上回った。今回の決算を受けてアナリストが目標株価を引き上げている。
ヨガウエアのルルレモン・アスレティカ<LULU>が決算を受け上昇。小売業界全体に不透明感が漂っているが、高所得層を中心に人気ブランドには支出していることが裏付けられた。
ディズニー<DIS>が下落しており、ダウ平均を圧迫している。ケーブルTVのチャーター・コミュニケーションズ<CHTR>との新たな配給契約締結に失敗した。
ガーダント・ヘルス<GH>が午後から売りが強まり、大幅安となった。同社が早期ステージの結腸がんの検出に関する研究を中止したことを確認された。
化学薬品・弾薬メーカーのオーリン<OLN>が大幅安。同社のサットンCEO氏が来年前半にCEOを退任すると発表した。
*米雇用統計(8月)21:30
非農業部門雇用者数
結果 18.7万人
予想 16.5万人 前回 15.7万人(18.7万人から修正)
失業率
結果 3.8%
予想 3.6% 前回 3.5%
平均時給
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.4%(前月比)
結果 4.3%
予想 4.3% 前回 4.4%(前年比)
労働参加率
結果 62.8%
予想 62.6% 前回 62.6%
ブロードコム<AVGO> 872.52(-50.37 -5.46%)
デル・テクノロジーズ<DELL> 68.19(+11.95 +21.25%)
エオス<EOSE> 3.85(+0.60 +18.46%)
モンゴDB<MDB> 392.88(+11.58 +3.04%)
ウォルグリーン<WBA> 23.43(-1.88 -7.43%)
ニュータニックス<NTNX> 34.90(+3.80 +12.22%)
ルルレモン<LULU> 404.19(+22.93 +6.01%)
ディズニー<DIS> 81.64(-2.04 -2.44%)
チャーター<CHTR> 422.32(-15.80 -3.61%)
ガーダントヘルス<GH> 35.01(-4.07 -10.41%)
オーリン<OLN> 51.98(-6.04 -10.41%)
アップル<AAPL> 189.46(+1.59 +0.85%)
マイクロソフト<MSFT> 328.66(+0.90 +0.27%)
アマゾン<AMZN> 138.12(+0.11 +0.08%)
アルファベットC<GOOG> 136.80(-0.55 -0.40%)
テスラ<TSLA> 245.01(-13.07 -5.06%)
メタ・プラットフォームズ<META> 296.38(+0.49 +0.17%)
AMD<AMD> 109.45(+3.73 +3.53%)
エヌビディア<NVDA> 485.09(-8.46 -1.71%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
ダウ平均 34837.71(+115.80 +0.33%)
S&P500 4515.77(+8.11 +0.18%)
ナスダック 14031.82(-3.15 -0.02%)
CME日経平均先物 32740(大証終比:+40 +0.12%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は反発。ただ、上値も重く伸び悩む動きも見られていた。取引開始前に8月の米雇用統計が発表になったが、失業率が3.8%と予想以上に上昇したことが株式市場をサポートした。また、非農業部門雇用者数(NFP)は18.7万人増と予想を上回ったものの、前回、前々回分が大幅に下方修正され、相殺されている。注目の平均時給は前年比4.3%の上昇と予想通りではあったものの、前月比が0.2%の上昇に鈍化しており、賃金上昇傾向への一服感を示す内容でもあった。
今回の米雇用統計を受けて、FRBの追加利上げ期待が無くなったとまでは考えづらいが、再来週の米消費者物価指数(CPI)の内容次第では、少なくとも9月FOMCでの利上げはほぼ確実に見送られそうな数字ではある。短期金融市場でも年内の利上げ期待が後退しており、あと1回の確率を37%程度で織り込む動きとなっている。
ただ、米株式市場は取引開始直後こそ買いが先行したが、米国債利回りが急速に上昇に転じたことから、IT・ハイテク株中心に売りが広がり、指数も上げを失っている。ナスダックは下げに転じる動き。
米雇用統計はFRBの追加利上げ期待は後退させたものの、ソフトトンディングのシナリオを強化する内容でもあり、米国債利回りは10年債や30年債といった長期ゾーンが上昇。一方で政策金利に敏感な2年債は横ばいとなっている。米株式市場のファンダメンタルズにとっては好都合な状況とも思われるが、このところの米株式市場は米国債利回り上昇に対して過度に苦手意識を強めており、きょうもシステマティックにネガティブな反応を見せているのかもしれない。
個別に決算絡みでは、半導体のブロードコム<AVGO>が決算を受け下落。AIブームが業界の一部で需要をけん引しているにもかかわらず、同社は広範な消費減速に巻き込まれていることが示された。同社はアップル<AAPL>主要部品メーカーだが、売上げの減少に苦悩している。
デル・テクノロジーズ<DELL>が大幅高。PC市場の回復に前向きな兆候を見せ、企業向けテクノロジー市場の回復への期待を高めた。
テスラ<TSLA>が下落。再び中国で「モデルS」と「モデルX」の販売価格を引き下げた。2週間前に販売を促進のため、プレミアムカーの価格を引き下げたばかり。
蓄電ソリューションを設計・製造を手掛けるイオス・エナジー・エンタープライシズ<EOSE>が大幅高。米エネルギー省が同社に、3億9860万ドルの融資保証を行う条件付きコミットメントを実施すると発表した。
データベースのプラットフォームを手掛けるモンゴDB<MDB>が決算を受け上昇。通期の見通しを上方修正したほか、第2四半期も予想を大きく上回る1株利益の見通しを示した。
ドラッグストアとヘルスケアをウォルグリーン・ブーツ・アライアンス<WBA>が下落。同社の取締役会とブリュワーCEOが8月31日付けで、CEOおよび取締役を退任することで合意したと発表した。
クラウド・プラットフォームの設計開発を手掛けるニュータニックス<NTNX>が決算を受け大幅高。1株利益、売上高とも予想を上回ったほか、ガイダンスも予想を上回った。ビリング(未収請求を考慮した売上高)も予想を上回った。今回の決算を受けてアナリストが目標株価を引き上げている。
ヨガウエアのルルレモン・アスレティカ<LULU>が決算を受け上昇。小売業界全体に不透明感が漂っているが、高所得層を中心に人気ブランドには支出していることが裏付けられた。
ディズニー<DIS>が下落しており、ダウ平均を圧迫している。ケーブルTVのチャーター・コミュニケーションズ<CHTR>との新たな配給契約締結に失敗した。
ガーダント・ヘルス<GH>が午後から売りが強まり、大幅安となった。同社が早期ステージの結腸がんの検出に関する研究を中止したことを確認された。
化学薬品・弾薬メーカーのオーリン<OLN>が大幅安。同社のサットンCEO氏が来年前半にCEOを退任すると発表した。
*米雇用統計(8月)21:30
非農業部門雇用者数
結果 18.7万人
予想 16.5万人 前回 15.7万人(18.7万人から修正)
失業率
結果 3.8%
予想 3.6% 前回 3.5%
平均時給
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.4%(前月比)
結果 4.3%
予想 4.3% 前回 4.4%(前年比)
労働参加率
結果 62.8%
予想 62.6% 前回 62.6%
ブロードコム<AVGO> 872.52(-50.37 -5.46%)
デル・テクノロジーズ<DELL> 68.19(+11.95 +21.25%)
エオス<EOSE> 3.85(+0.60 +18.46%)
モンゴDB<MDB> 392.88(+11.58 +3.04%)
ウォルグリーン<WBA> 23.43(-1.88 -7.43%)
ニュータニックス<NTNX> 34.90(+3.80 +12.22%)
ルルレモン<LULU> 404.19(+22.93 +6.01%)
ディズニー<DIS> 81.64(-2.04 -2.44%)
チャーター<CHTR> 422.32(-15.80 -3.61%)
ガーダントヘルス<GH> 35.01(-4.07 -10.41%)
オーリン<OLN> 51.98(-6.04 -10.41%)
アップル<AAPL> 189.46(+1.59 +0.85%)
マイクロソフト<MSFT> 328.66(+0.90 +0.27%)
アマゾン<AMZN> 138.12(+0.11 +0.08%)
アルファベットC<GOOG> 136.80(-0.55 -0.40%)
テスラ<TSLA> 245.01(-13.07 -5.06%)
メタ・プラットフォームズ<META> 296.38(+0.49 +0.17%)
AMD<AMD> 109.45(+3.73 +3.53%)
エヌビディア<NVDA> 485.09(-8.46 -1.71%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美