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    2025年4月25日 14時00分

    2025年と2008年の類似性に要警戒~歴史は繰り返さないが韻を踏む【フィリップ証券】

     米FRB(連邦準備制度理事会)は2024年9/18、景気後退を防ぐ先制的措置として政策金利をそれまでのピーク据え置き局面から0.5ポイントの大幅利下げへ転換。その後、11月および12月のFOMC(連邦公開市場委員会)でも0.25ポイントずつ、合計1.0ポイントの利下げを実施した。奇しくも、2007年も同じ9/18に1年以上の据え置き期間を経て0.5ポイントの利下げを実施し、その後12月までの2回のFOMCでそれぞれ0.25ポイントの利下げを実施した。これは、2007年以降と2024年以降の米国経済・景気のサイクルが似ていることの表れだろう。

     2007年夏以降にサブプライム・ローンの不良債権化が問題視され、ベアスターンズ証券が2008年3月に実質的な経営破綻に追い込まれ、JPモルガン・チェースが救済合併を実施した。2008年1月以降、FRBは緊急利下げを含めて4月末まで4回連続・合計2.25ポイントの利下げを実施。2025年とは異なっている。

     ダウ工業株30種平均株価(ダウ平均)は、2007年10月に1万4198ドルまで上昇後、2008年1月に大手金融機関の巨額損失計上を受けて一時1万1634ドルまで約18%下落。3月に再度1万1730ドルまで下落した後、株式市場は一旦落ち着きを取り戻し、5月に1月安値から約13%高い1万3136ドルまで上昇した。その後、金融機関の不安再燃に加え、経済指標悪化や企業業績下方修正が相次いだことを受けて、7月の安値1万0827ドルまで5月の高値から約18%下落した。

     2025年は金融システム不安の代わりに、トランプ関税問題や米ドル・米国債への信認問題がある。関税の不確実性のため企業の設備投資は先送りされ、消費者は大幅な物価上昇を見越して駆け込み消費に走り需要を先食いしている。トランプ米大統領が国家緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に大統領令を乱発。米国政府の政策決定プロセスへの不信感に加え、パウエルFRB議長の解任が検討されているとの報道もあり、中央銀行の独立性を損なうことになれば通貨の信認に関わる。米中間の関税合戦によって経済大国間の貿易が止まれば、支払通貨としての米ドル需要が減少するだろう。また、約36兆ドルに上る米連邦債務のうち約9兆ドルの借り換えが2025年に集中するなか、トランプ政権は連邦債務上限引き上げと減税法案を一緒に実現することを目指しており、財政悪化を危惧する共和党内の保守強硬派との議会における軋轢も懸念材料だ。格付け機関による米国債への格付け見直しの動きも早晩出てくると想定される。

     ダウ平均は、2024年12月高値から2025年4月安値まで約19%下落。その後、反転して4月高値まで約11%上昇した。2008年の推移と推移が類似している面がみられる。当面の物色対象としては、ヘルスケア関連、公益事業、損害保険、不動産など、内需中心の生活密着企業を中心に考えるべきだろう。


    ■米主要銘柄の騰落率上位の傾向~関税の影響小さい内需・ディフェンシブ

     米国株市場は、関税を巡る不確実性および主力大型ハイテク株や半導体関連株の下落を背景に、4/15終値の昨年末からの騰落率でS&P500指数が▲8.2%、ナスダック100が▲10.4%となった。

     そのような中で、S&P500およびナスダック100構成銘柄のうち4/15終値における昨年末からの騰落率上位50銘柄の業種を見ると、ヘルスケアサプライチェーン、管理医療、ヘルスケアREIT、バイオテクノロジーなどの「ヘルスケア関連」、送電・配電、産業廃棄物、水道、総合電力などの「公益事業」、保険ブローカー、損害保険などの「保険」、各種REIT、ビル管理サービスなどの「不動産」が強さを示している。関税に影響されにくいことや景気動向や値上げに左右されにくい需要の存在が株価下支え要因となっていると考えられる。

    【タイトル】



    参考銘柄


    コンソリデーテッド・エジソン<ED> 市場:NYSE・・・2025/5/1に2025/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

    ・1823年設立。ニューヨーク州を本拠地とする電力会社で、電力・ガス・その他エネルギー関連製品およびサービスを提供。隣接するペンシルベニア州、ニュージャージー州の一部でも展開する。

    ・2/20発表の2024/12期4Q(10-12月)は、営業収益が前年同期比6.5%増の36.69億USD、非GAAPの調整後純利益が同2.0%減の0.98USD。クリーン・エネルギーへの注力が奏功して増収も、利払い費用の増加(15.1%増)が利益面で響いた。通期配当は前期比0.08USD増配の3.32USDとした。

    ・2025/12通期会社計画は、調整後EPSが前期比2-6%増の5.50-5.70USD。調整後EPSの5年間複利平均年成長率を6-7%とした。傘下事業は、ニューヨーク(NY)市を中心に電力とガスでそれぞれ約370万件、約110万件の顧客を抱える「CECONY」、NY州南東部やニュージャージー州北部で約30万件の顧客に電力を、約20万件の顧客にガスを供給する「O&R」、および送電事業会社の3社である。


    ファースト・トラストS&P REIT指数ファンド<FRI> 市場:NYSE Arca・・・分配金:年4回(3・6・9・12月)

    ・「S&P REIT指数(S&P REIT Composite Index)」に概ね連動する投資成果を目指す。同指数は、100銘柄から構成される時価総額加重平均指数で、不動産投資信託(REIT)のパフォーマンスを表す。

    ・4/17終値で時価総額が1.43億USD、過去12ヵ月間実績分配金利回りが3.53%。組入上位7銘柄はプロロジス<PLD>、ウェルタワー<WELL>、エクイニクス<EQIX>、リアルティ・インカム<O>、デジタル・リアルティ・トラスト<DLR>、パブリック・ストレージ<PSA>、サイモン・プロパティ-・グループ<SPG>

    ・昨年末終値から4/17終値までの騰落率は、当ETF(インカムゲインを除く)が▲3.8%に対し、ダウ工業株30種平均株価が▲7.9%、S&P500株価指数が▲10.2%、ナスダック100が▲13.1%。米国株を取り巻く環境の不透明感が高まる中、S&P500株価指数構成銘柄のうち戸建て住宅、高齢者向け住宅・医療施設、ワイヤレス通信向けタワーなどに投資するREIT投資口価格は相対的に堅調に推移。


    プログレッシブ<PGR> 市場:NYSE・・・2025/7/16に2025/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

    ・1937年設立。自動車保険など損害保険サービスを提供。個人向けは米民間乗用車保険分野で2位。商業自動車保険向けに、運転データに基づき保険料率が変動する自動車保険も手がける。

    ・4/16発表の2025/12期1Q(1-3月)は、正味収入保険料が前年同期比17.1%増の222.06億USD、既経過保険料に投資利益・その他収益を加えた総収益が同18.4%増の204.09億USD、EPSが同10.9%増の4.37USD。コンバインド・レシオ(正味損害率と正味事業費率の合計)は0.1ポイント改善。

    ・同社は、通信システムを活用して走行距離や速度など自動車の走行状態、ドライバーの個別の運転情報を保険会社が取得して、それらをもとに保険料を算出する「テレマティクス保険」の先駆者。走行距離や速度のほか急アクセルや急ブレーキなど運転特性も加味して保険料を設定。契約者にとっては安全運転により保険料が割り引かれ、保険会社も保険金負担が減る好循環を生んでいる。


    リパブリック・サービシズ<RSG> 市場:NYSE・・・2025/4/24に2025/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

    ・1996年設立。米国およびプエルトリコで、商工業顧客、地方自治体、および一般世帯向けに非有害固形廃棄物の収集、処理サービスを手掛ける他、移送施設、埋立地、回収施設等を運営する。

    ・2/13発表の2024/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比5.6%増の40.16億USD、非GAAPの調整後EPSが同12.1%増の1.58USD。取引件数が1.5%減少も、平均サービス単価が5.3%上昇。調整後EBITDAマージンが1.1ポイント上昇の31.0%。通期の営業キャッシュフローが前期比8.8%増。

    ・2025/12通期会社計画は、調整後EPSが前期比6-7%増の6.82-6.90USD、調整後フリーキャッシュフローが同6-8%増の23.2-23.6億USD。年間で10億USDの買収を見込んでいる。「ごみ」の埋め立て地からエネルギーを抽出したり、再利用素材を取り出したりする動きは、インフレ時にはリサイクルによるコスト削減の観点から追い風となる。家電製品から貴金属を取り出す「都市鉱山」も注目される。


    トラベラーズ<TRV> 市場:NYSE・・・2025/7/18に2025/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

    ・1853年設立。米国内外の企業、政府機関、団体、個人向けに損害保険商品を提供。企業向けビジネス保険、債券・専門分野向け保険、個人保険(主に自動車と住宅)の3事業セグメントを営む。

    ・4/16発表の2025/12期1Q(1-3月)は、正味収入保険料が前年同期比3.3%増の105.15億USD、総収益が同5.2%増の118.10億USD、非GAAPのコア純利益(純実現投資損失を除く)が同59.6%減の4.43億USD。一時的要因を除く調整後ベースの基礎的コンバインド・レシオが2.9ポイント改善した。

    ・2025/12期会社計画は公表せず。主に1月のカリフォルニア山火事と複数の週で発生した嵐による損失で異常災害損失が増加したことから1Qの会計上のコンバインド・レシオは前年同期比8.6ポイント悪化の102.5%。著名投資家ウォーレン・バフェット氏は2024年のバークシャー株主総会で「気候変動はリスクを高めるが、長期的には保険事業を成長させていく要因ともなるだろう」と述べている。


    ウィートン・プレシャス・メタルズ<WPM> 市場:NYSE・・・2025/5/1に2025/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

    ・2004年設立。カナダ拠点の世界最大級の貴金属ストリーミング企業。鉱山大手との間で副産物の貴金属を固定価格で事前購入するストリーミング契約を締結し、先渡し支払いや追加支払を行う。

    ・3/13発表の2024/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比21.4%増の3.80億USD、非GAAPの調整後EPSが同20.9%増の0.44USD。金・銀・パラジウム・コバルト含む金換算(GEO)販売量が8.1%減も、平均実現販売価格が32%上昇。平均現金費用が0.9%増にとどまったことも増益に寄与。

    ・2025/12通期会社計画は、金換算(GEO)生産量で前期比6%減~6%増の60-67万オンス。2029年度のGEO生産量は87万オンス(5年間で40%の増加)。同社事業は、長期ストリーミング契約により受渡時点で鉱山会社からの供給を市場価格よりも安価に固定できるため、市況好調の恩恵が大きい。CMX金先物価格(中心限月)はトランプ関税政策の先行き不透明感を受けて上昇が続いている。


    執筆日:2025年4月21日

    フィリップ証券
    フィリップ証券 リサーチ部 笹木和弘
    (公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト)

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    フィリップ証券より提供されたレポートを掲載しています。


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