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    2023年12月14日 5時30分

    前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

    ■博展 <2173>  706円 (+100円、+16.5%) ストップ高

     博展 <2173> [東証G]がストップ高。12日の取引終了後、23年12月期の連結業績予想について、決算期変更のため前期との比較はできないものの、売上高を110億円から129億円へ、営業利益を4億円から6億9000万円へ、純利益を2億5000万円から3億9000万円へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を15円から20円へ引き上げたことが好感された。前期から回復したリアルイベント分野の市場が引き続き盛況であり、第3四半期時点の受注納品活動が予想を大きく上回ったことが要因。また、BtoCマーケティング領域の大型展示会案件の増加と、外注費の抑制や工数管理によるコスト管理を強化したことも寄与する。

    ■大和自 <9082>  1,075円 (+150円、+16.2%) ストップ高

     大和自動車交通 <9082> [東証S]がストップ高。12日の取引終了後、一般のドライバーが自家用車を用いて客を送迎し代金の支払いを受ける「ライドシェア」に関し、政府が都市部や観光地など地域を限定し、タクシー会社による運行管理を条件に認める方向で調整していることが明らかになったと、国内メディア各社が報じた。2種免許を持たない一般ドライバーでも客を送迎できるよう、今年度中に新たな制度について内容を詰める方針という。東京都内のタクシー大手である大和自に対しては、運転手不足の解消による業績へのポジティブな影響を期待した買いが入ったようだ。

    ■ハークスレイ <7561>  753円 (+100円、+15.3%) ストップ高

     ハークスレイ <7561> [東証S]がストップ高。12日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を445億円から473億3500万円(前期比32.9%増)へ、営業利益を16億5000万円から22億5900万円(同54.7%増)へ、純利益を14億円から20億3800万円(同94.7%増)へ上方修正したことが好感された。同社は8月14日に上期業績予想を上方修正したが、その後も全セグメントの業績が順調に進捗していることが要因としている。

    ■ACCESS <4813>  758円 (+100円、+15.2%) ストップ高

     東証プライムの上昇率トップ。ACCESS <4813> [東証P]がストップ高。12日の取引終了後、日本電信電話 <9432> [東証P]と次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」の実現に向けて資本・業務提携すると発表。これを好感した買いが膨らんだ。両社は2021年から業務提携している。今回、資本提携関係を構築し、相互の連携や協力を更に深化させることでIOWNの実現を加速させる狙い。NTTは、ACCESSの株主であるタワー投資顧問(東京都港区)から513万4600株(発行済み株数の12.90%)を取得する。

    ■大江戸温泉R <3472>  68,500円 (+8,000円、+13.2%)

     大江戸温泉リート投資法人 <3472> [東証R]が急反騰。12日の取引終了後、大江戸温泉Rの資産運用会社である大江戸温泉アセットマネジメントの全株式について、これを保有する大江戸温泉物語(東京都中央区)がアパホールディングス(東京都港区)に譲渡すると発表。あわせて、アパホールディングスとその子会社を含むアパグループとの間でスポンサーサポート契約を締結するとしており、今後の展開を期待した買いが入ったようだ。これにより、同投資法人のメインスポンサーは大江戸温泉グループからアパグループに交代することになる。交代後も大江戸温泉グループとの協力関係は継続する。株式譲渡や契約締結は19日付で行う予定。将来的に同投資法人の商号を「大江戸温泉」を含まないものに変更するという。

    ■ウシオ電 <6925>  2,154.5円 (+235.5円、+12.3%)

     東証プライムの上昇率3位。ウシオ電機 <6925> [東証P]が3日続急騰。2000円の大台に乗せ、年初来高値を更新した。13日、米アプライド・マテリアルズ <AMAT> と、最先端半導体パッケージ市場向けの次世代露光技術開発における戦略的パートナーシップを締結したと発表。中期的な業績へのポジティブな影響を見込んだ買いを誘ったようだ。AIの普及による処理負荷の急増を背景に、高機能の大型チップへのニーズが高まるなか、ウシオ電のパッケージング向け露光装置の開発・製造実績と、アプライドマテリアルズのデジタルリソグラフィテクノロジー(DLT)を融合し、技術的課題の解決につながるソリューションを提供する。また、先進的基板をパターニングするために特別に設計されたデジタルリソグラフィ装置を共同で市場投入する。

    ■クイック <4318>  2,299円 (+207円、+9.9%)

     東証プライムの上昇率4位。クイック <4318> [東証P]が急反発。12日の取引終了後、24年3月期の年間配当予想を18円増額し、90円(前期比20円増配)に修正したと発表し、好感されたようだ。同社はこれまで配当性向のメドを当期純利益の40%としていたが、これを50%に引き上げた。

    ■モダリス <4883>  121円 (+10円、+9.0%) 一時ストップ高

     モダリス <4883> [東証G]が急反発、一時ストップ高となった。13日の寄り前、JCRファーマ <4552> [東証P]と中枢神経系(CNS)疾患を対象とする新規遺伝子治療の開発に向けた共同研究契約を締結すると発表しており、これを好感した買いが集中した。JCRファ独自の血液脳関門通過技術J-Brain Cargoと、モダリス独自のエピゲノム編集技術CRISPR GNDM(ガイド核酸誘導型遺伝子制御)技術を適用した新規遺伝子治療の確立を目指すという。なお、同件による23年12月期業績への影響は軽微としている。

    ■GENDA <9166>  2,479円 (+197円、+8.6%)

     GENDA <9166> [東証G]が急反発。岩井コスモ証券が12日付で投資判断を新規に「A」、目標株価を2900円としたことが好材料視されたようだ。同証券によると、UFOキャッチャーなどの景品獲得を目的とするプライズゲーム機人気がゲームセンターに追い風となっており、コロナ禍からの人流回復やアニメとのコラボ景品人気を背景に、24年1月期は会社予想を上回る2割強の営業増益が期待できると評価。また、「2040年に世界一のエンタメ企業を目指す」目標達成に向けて中期的な成長が期待できることも支援材料になるとしている。

    ■ドリームI <4310>  2,886円 (+195円、+7.3%)

     東証プライムの上昇率7位。ドリームインキュベータ <4310> [東証P]が急反発。12日の取引終了後、未定としていた24年3月期の配当予想を期末一括128円(前期191円11銭)にすると発表しており、これが好感された。

    ■フジHD <4676>  1,755.5円 (+115.5円、+7.0%)

     東証プライムの上昇率9位。フジ・メディア・ホールディングス <4676> [東証P]が3日続急伸。英投資ファンドのニッポン・アクティブ・バリューファンドが同社の株式を共同保有者と合わせ5.04%保有していることが、12日に関東財務局に提出された大量保有報告書で判明した。保有目的に純投資・投資一任契約のほか、投資及び経営助言並びに重要提案行為などを行うことが挙げられており、これが同社の株価を強く刺激する格好となった。ニッポン・アクティブ・バリューファンドは日本の中小型株を中心に投資するファンドで、株価に反映されていない財務健全性や市場での評価不足が認められる企業に、株主提案や対話を通じ株式価値を向上させることを目指しており、今回のフジHDの株式取得は思惑を呼んでいる。

    ■YKT <2693>  278円 (+18円、+6.9%)

     YKT <2693> [東証S]が急反発。12日の取引終了後、23年12月期の配当予想を、期末一括5円から10円(前期8円)に増額修正したことが好感された。24年2月10日に創業100周年を迎えることを記念して記念配当5円を実施する。

    ■スパイダー <4192>  603円 (+37円、+6.5%)

     スパイダープラス <4192> [東証G]が急反発。12日の取引終了後、帳票をデジタル化する新サービス「S+Report」に関し、関電工 <1942> [東証P]が開発した測定記録支援システム「BLuE」との連携開始を発表。これを手掛かり視した買いが株価を支援したようだ。BLuEがサポートする測定機器でのデータが、デジタル帳票に直接記録できるようになり、検査の実施から報告までの業務プロセスのデジタル化につながるという。

    ■TOWA <6315>  6,900円 (+400円、+6.2%)

     TOWA <6315> [東証P]が3日ぶり急反発。樹脂封止装置(モールディング装置)を主力とする半導体製造装置メーカーで、アジア地域を中心に海外売上高比率が9割近くを占めるグローバル企業だ。13日は 半導体製造装置関連が総じて強い動きをみせており、同社株もその流れに乗っている。業績面では24年3月期に営業2ケタ減益を見込むが、既に株価は25年3月期の回復を先取りする動きとなっている。また、足もとでは需給面で追い風が強まっている。今月5日に大陰線を引いて調整局面に入ったが、この時は全体相場の地合い悪に乗じ外資系証券による貸株市場を経由した空売りが観測され、下げを助長した形となっている。それでも上向きの25日移動平均線をサポートラインに下げ止まり、下値抵抗力の強さを発揮した。足もとでは積み上がったショートポジションの買い戻しが株価に浮揚力を与えたようだ。

    ■ウイルコHD <7831>  140円 (+8円、+6.1%)

     ウイルコホールディングス <7831> [東証S]が急反発。同社は12日取引終了後、24年10月期通期の連結業績予想を公表。営業損益の見通しを1億円の黒字(前期は2億1400万円の赤字)としていることが好感されたようだ。売上高は前期比2.1%増の90億円を見込む。主力の情報・印刷事業ではECサイトを充実させるとともに、ECサイトにおけるデジタル印刷について弾力的価格政策により受注量の増大を図るとしている。

    ■アドテスト <6857>  4,629円 (+245円、+5.6%)

     アドバンテスト <6857> [東証P]が3日続急伸、そのほかディスコ <6146> [東証P]も続急伸となった。前日12日の米国株市場では画像処理半導体大手のエヌビディア <NVDA> が2.2%高に買われ、チャート的にも戻り歩調をみせている。ハイスペック商品を製造する日本の半導体製造装置メーカーにも生成AI市場の拡大が追い風として意識されるなか、エヌビディアのGPU向けテスターで群を抜くシェアを有するアドテストにも断続的な見直し買いが流入。また、生成AIで需要増勢となっている最先端半導体向け精密加工装置でトップの実力を誇るディスコにも買いが向かう展開となった。

    ■ニーズウェル <3992>  747円 (+39円、+5.5%)

     ニーズウェル <3992> [東証P]が急反発。12日の取引終了後、北海道新聞社(札幌市中央区)から、経費精算システムの導入に向けた支援サービスを受注したと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。ニーズウェルのITリエンジニアリングサービス「請求管理」を用いて、業務の効率化と省力化につなげる。北海道新聞は新たな本社に移転する2024年に向けて、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を図るため、経理伝票の電子化と処理効率の大幅な改善を検討していたという。

    ■マイクロ波 <9227>  1,256円 (+52円、+4.3%)

     マイクロ波化学 <9227> [東証G]が5日ぶり大幅反発。13日午前11時ごろ、ラボスケールでマイクロ波を用いた鉄鉱石から鉄への還元に成功したと発表しており、好材料視された。これまでマイクロ波での鉄鉱石の還元はスケールアップが課題だったが、同社では、鉱山プロセス開発に向けたマイクロ波技術プラットフォーム「Green Mining-MX」を用いることで、その後の事業化の足掛かりとなるラボスケールでの鉄鉱石から鉄への還元に成功したという。同社では同技術の実用化に向けて、25年までに保有する標準ベンチ装置での実証試験を実施し技術確立を目指すとしており、またその後の事業展開を見据えてパートナー企業を広く募集するとしている。

    ■クルーズ <2138>  823円 (+34円、+4.3%)

     クルーズ <2138> [東証S]が大幅高で3日続伸。12日の取引終了後、子会社CROOZ Blockchain Labが開発した ブロックチェーンゲーム「エレメンタルストーリーワールド」を運営するEPOCH FACTORYが発行するトークン「PGT」と「PROJECT XENO」のトークン「GXE」が暗号資産取引所「Bitget」に上場すると発表したことが好材料視された。「エレメンタルストーリーワールド」は、クルーズの100%子会社StudioZが運営するオリジナルのスマートフォン向けパズルRPG「エレメンタルストーリー」のアセットを活用し、CROOZ Blockchain Labが新たなブロックチェーンゲームとしてリリースするゲームで、一方の「PROJECT XENO」は、CROOZ Blockchain Lab開発、EPOCH FACTORY運営のブロックチェーンゲーム。今回の上場により、「PGT」「GXE」の知名度向上が期待されている。

    ■ネットプロ <7383>  179円 (+7円、+4.1%)

     ネットプロテクションズホールディングス <7383> [東証P]が6日ぶり大幅反発。13日、同社の後払い決済サービス「NP後払い」が、ジャパネットたかた(長崎県佐世保市)が運営する公式通信販売サイトに採用されたと発表しており、好材料視された。「NP後払い」は、23年6月からジャパネットたかたが運営するテレビ通販に採用されているが、サービスの利用が順調に伸びていることを受け、同社が運営する公式通信通販サイトにも採用されることになったという。「NP後払い」の導入により、クレジットカードの利用はセキュリティーが不安という人や現金支払いを希望する購入者を取りこぼすことなく、決済ニーズを満たせることが期待されているという。

    ※13日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

    株探ニュース