2024年7月6日 8時00分
【植木靖男の相場展望】 ─押し目買いが報われる銘柄を!
「押し目買いが報われる銘柄を!」
●新上昇相場の鍵を握る海外投資家
東京市場では、日経平均株価、TOPIXがともに史上最高値を更新し、新たな上昇相場入りをここで確かなものにする、といった雰囲気が漂う。
こうしたセンチメントのそもそもの起点は、6月24日の円安をきっかけにした反発にあった。3日連騰をみせ、1日置いて再び騰勢を強め、7月4日までついに5連騰を演じた。いうまでもなくこの間、高値警戒感も台頭した。だが、これをモノともせず、円安進行と長期金利上昇をテコに、輸出関連やバリュー株などが幅広く買われたことが最高値更新の背景にある。
当初、日経平均株価の3万9000円-4万円の価格帯が上値の壁として警戒されていたが、あっけなく突破したことはやや想定外ともいえる。すなわち、3月にかけての4万円大台乗せの需給の解け合いが思いのほか早く済んだことを意味する。個人の信用の買い残の積み上がりが重荷になるとの見方があったからだ。
ところで、今後はどう展開するとみればよいのか。すでにこれまでの高値を次々と突破したことで、再び新たな上昇相場入りとなるのか。ここで考えるべきは7月4日にかけての5連騰だ。5連騰は年初1月5日からの6連騰以来、半年ぶりとなる。当時は連騰をきっかけに日経平均株価は急上昇し、3月に4万円大台に乗せた。だとすれば、今回も同じパターンになるのか。
注目されるのは、買いの主体だ。もちろん、自社株買い、新NISA(少額投資非課税制度)の買いといった点は同じだが、当時は海外投資家の大幅な買い越しがあった。今回はそうした海外投資家の買いが同じように入ってくるのか。年初、海外投資家には日本経済が長いデフレから脱しインフレに転換するとの期待があった。いまはどうか。改善が期待された需給ギャップはマイナスが続き、GDP(国内総生産)も下降気味だ。こうした理屈がお題目にしても根底になければ、海外投資家は動かないかもしれない。はたして、彼らは買ってくるのであろうか。その動向を見極めたい。
●多種多様な業種に広がりをみせる出遅れ株物色
ともかく、いまは堅調な米国株と歩調を合わせて、投資を一歩ずつ前進させるべきであろう。問題は物色対象だ。これまでの米国テック株の上昇に変化がみられる。エヌビディア<NVDA>を中心としたAI(人工知能)関連株は物色の幅が広がってきた。これを端的に表すのが電子部品株の上昇だ。また、国内長期金利の上昇を背景に、バリュー株も戦線上に浮上してきた。その典型は金融株だ。それも銀行のみならず保険、証券などに広がりをみせてきた。このほか、昔から物色に困ったときは「くすり株」が定石であったが、いまはそれが海運株だといわれる。
ともあれ、多様な業種、銘柄が出遅れの一環として浮上しているが、ここではいくつかの銘柄を挙げておきたい。
海運からは商船三井 <9104> [東証P]、フリーマーケットアプリのメルカリ <4385> [東証P]、ウイルス対策ソフトのトレンドマイクロ <4704> [東証P]、都心のオフィス賃貸が主力の住友不動産 <8830> [東証P]、衣料品通販サイト運営のZOZO <3092> [東証P]、小型建機の竹内製作所 <6432> [東証P]、電子部品の出遅れSUMCO <3436> [東証P]、外食大手のサイゼリヤ <7581> [東証P]など。これらは押し目を拾っておけば、いずれ報われることになろう。
2024年7月5日 記
株探ニュース
●新上昇相場の鍵を握る海外投資家
東京市場では、日経平均株価、TOPIXがともに史上最高値を更新し、新たな上昇相場入りをここで確かなものにする、といった雰囲気が漂う。
こうしたセンチメントのそもそもの起点は、6月24日の円安をきっかけにした反発にあった。3日連騰をみせ、1日置いて再び騰勢を強め、7月4日までついに5連騰を演じた。いうまでもなくこの間、高値警戒感も台頭した。だが、これをモノともせず、円安進行と長期金利上昇をテコに、輸出関連やバリュー株などが幅広く買われたことが最高値更新の背景にある。
当初、日経平均株価の3万9000円-4万円の価格帯が上値の壁として警戒されていたが、あっけなく突破したことはやや想定外ともいえる。すなわち、3月にかけての4万円大台乗せの需給の解け合いが思いのほか早く済んだことを意味する。個人の信用の買い残の積み上がりが重荷になるとの見方があったからだ。
ところで、今後はどう展開するとみればよいのか。すでにこれまでの高値を次々と突破したことで、再び新たな上昇相場入りとなるのか。ここで考えるべきは7月4日にかけての5連騰だ。5連騰は年初1月5日からの6連騰以来、半年ぶりとなる。当時は連騰をきっかけに日経平均株価は急上昇し、3月に4万円大台に乗せた。だとすれば、今回も同じパターンになるのか。
注目されるのは、買いの主体だ。もちろん、自社株買い、新NISA(少額投資非課税制度)の買いといった点は同じだが、当時は海外投資家の大幅な買い越しがあった。今回はそうした海外投資家の買いが同じように入ってくるのか。年初、海外投資家には日本経済が長いデフレから脱しインフレに転換するとの期待があった。いまはどうか。改善が期待された需給ギャップはマイナスが続き、GDP(国内総生産)も下降気味だ。こうした理屈がお題目にしても根底になければ、海外投資家は動かないかもしれない。はたして、彼らは買ってくるのであろうか。その動向を見極めたい。
●多種多様な業種に広がりをみせる出遅れ株物色
ともかく、いまは堅調な米国株と歩調を合わせて、投資を一歩ずつ前進させるべきであろう。問題は物色対象だ。これまでの米国テック株の上昇に変化がみられる。エヌビディア<NVDA>を中心としたAI(人工知能)関連株は物色の幅が広がってきた。これを端的に表すのが電子部品株の上昇だ。また、国内長期金利の上昇を背景に、バリュー株も戦線上に浮上してきた。その典型は金融株だ。それも銀行のみならず保険、証券などに広がりをみせてきた。このほか、昔から物色に困ったときは「くすり株」が定石であったが、いまはそれが海運株だといわれる。
ともあれ、多様な業種、銘柄が出遅れの一環として浮上しているが、ここではいくつかの銘柄を挙げておきたい。
海運からは商船三井 <9104> [東証P]、フリーマーケットアプリのメルカリ <4385> [東証P]、ウイルス対策ソフトのトレンドマイクロ <4704> [東証P]、都心のオフィス賃貸が主力の住友不動産 <8830> [東証P]、衣料品通販サイト運営のZOZO <3092> [東証P]、小型建機の竹内製作所 <6432> [東証P]、電子部品の出遅れSUMCO <3436> [東証P]、外食大手のサイゼリヤ <7581> [東証P]など。これらは押し目を拾っておけば、いずれ報われることになろう。
2024年7月5日 記
株探ニュース