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    2024年4月12日 15時14分

    話題株ピックアップ【夕刊】(1):ローツェ、三井不、富士フイルム

    ■ローツェ <6323>  26,830円  +5,000 円 (+22.9%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ
     ローツェ<6323>はストップ高。11日取引終了後、25年2月期連結業績予想について売上高を前期比29.5%増の1207億8400万円、営業利益を同31.0%増の316億1700万円と発表。売上高、営業利益とも2期ぶりに過去最高を更新する見通しとなった。あわせて株式分割の実施も発表しており、これらが好感され買いが膨らんだ。中国市場での急激な需要増に対応するため増産体制を構築、整備していく。想定為替レートは1ドル=144円。同時に発表した24年2月期決算は売上高が前の期比1.3%減の932億4700万円、営業利益が同8.6%減の241億3800万円だった。第1四半期は半導体メーカーの設備投資計画先送りの影響があったが、第2四半期以降は中国向け需要の回復で堅調に推移した。株式分割については8月31日を基準日として1株を10株に分割する。この株式分割を考慮した今期の配当予想は16円(考慮前160円)としており、前期実績(135円)から実質増配となる見込みだ。このほか、取得上限1万5000株、または5億円とする自社株買いの実施も明らかにした。

    ■ベルク <9974>  7,970円  +950 円 (+13.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位
     ベルク<9974>が大幅高で新値追い。同社は11日取引終了後、25年2月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比20.8%増の175億900万円としていることや、年間配当計画を前期比8円増配の116円としていることが好感されたようだ。営業収益は同7.1%増の3767億2400万円を見込む。購買頻度の高い商品群の価格強化を一層推進するとともに、自社ブランドや直輸入商品の取り扱いなどを拡大し、商品力強化及び売り場の活性化を図るとしている。また、30年2月期の営業収益目標を5000億円以上とする中期経営計画もあわせて発表している。

    ■三井不動産 <8801>  1,675円  +121.5 円 (+7.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位
     三井不動産<8801>が3日ぶりに急反発した。11日の取引終了後、前期の配当予想の増額修正と自社株買いの実施を発表したほか、新たな長期経営方針も公表し、ポジティブ視されたようだ。同社は前期の期末配当について、従来の予想から10円増額の47円となる見通しを発表した。年間配当予想は82円(前の期比20円増配)となる。取得総数4000万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.43%)、取得総額400億円を上限とする自社株買いも実施する。取得期間は4月12日から25年3月31日まで。新長期経営方針では、31年3月期前後の定量目標として、EPS(1株利益)成長率を年間でプラス8%以上、ROE(自己資本利益率)10%以上を掲げ、27年3月期に純利益を2700億円以上(24年3月期見通しは2200億円)に伸ばす方針。また25年3月期からの3カ年の総還元性向を毎期50%以上、配当性向を同35%程度とする計画も示した。24年3月期にもこの株主還元方針を適用する。

    ■大黒天物産 <2791>  9,280円  +580 円 (+6.7%)  本日終値
     大黒天物産<2791>が大幅高。11日取引終了後に24年5月期連結業績予想について、売上高を2641億8700万円から2704億7600万円(前期比11.7%増)へ、営業利益を73億5500万円から89億4100万円(同98.8%増)へ、純利益を45億8800万円から61億9200万円(同98.7%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を29円から33円(前期29円)へ引き上げた。これを好感した買いが入った。同社の優位性である競合他社との価格差がより顕著となり、顧客からの支持を得ることができたことから、既存店売上高が計画を大きく上回って推移していることが売上高・利益を押し上げる見通し。また、電気代の削減や生産性向上による人件費の削減などに取り組んだ成果も織り込んだとしている。同時に発表した第3四半期累計(23年6月~24年2月)決算は、売上高2001億3600万円(前年同期比12.5%増)、営業利益66億3300万円(同2.4倍)、純利益41億9000万円(同2.5倍)だった。

    ■東京エネシス <1945>  1,371円  +54 円 (+4.1%)  本日終値
     東京エネシス<1945>が大幅高。東京電力ホールディングス<9501>を主要顧客に火力や原子力発電所のほか、バイオマスなどの再生可能エネルギー発電所の建設工事やメンテナンスを展開しており、足もとの業績は会社側の想定を上回って好調に推移している。11日取引終了後に24年3月期業績予想の修正を発表、経常利益は従来見通しの35億円から51億円(前の期比84%増)に大幅上方修正された。バイオマス発電所の建設工事や、原発の安全対策関連工事などが収益に貢献、経常利益段階では為替予約にかかわるデリバティブ評価益などの増加も反映された。株主還元も強化し、24年3月期の年間配当を従来計画の40円から45円(前の期実績は40円)に増額した。これらを好感する形で投資資金が集中する格好となった。

    ■TOYO TIRE <5105>  2,966円  +107 円 (+3.7%)  本日終値
     TOYO TIRE<5105>が反発。岩井コスモ証券は11日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を3100円から3350円に引き上げた。同社は国内4位のタイヤメーカーで大口径に強みを持ち、北米を収益の柱としている。24年12月期の連結純利益は前期比37.7%減の450億円と減益が予想されている。ただ、想定為替レートは1ドル=135円と保守的であり、同証券では560億円への上振れを見込んでいる。また、今期配当は前期比5円増の105円が計画されているが、同社は配当性向30%以上を軸とした長期安定配当を掲げており110円への更なる増配も期待している。

    ■富士フイルム <4901>  3,488円  +115 円 (+3.4%)  本日終値
     富士フイルムホールディングス<4901>が4日ぶりに反発し、年初来高値に接近した。12日、製薬企業に対しバイオ医薬品の開発・製造など幅広くサービスを提供するフジフイルムダイオシンスバイオテクノロジーズ(FDB)の北米拠点において、約1800億円(12億ドル)の大規模投資を行うと発表した。中期的な事業拡大を期待した買いが株価を押し上げたようだ。FDBがノースカロライナ州で建設し、2025年に稼働予定の新拠点において、抗体医薬品の原薬製造設備を大幅に増強する。増強設備の稼働は28年を予定。成長が見込まれる抗体医薬品市場において、旺盛な製造委託ニーズに応じる。

    ■レーザーテック <6920>  43,300円  +1,250 円 (+3.0%)  本日終値
     レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>、ディスコ<6146>などが上値を指向している。前日の米国株市場ではエヌビディア<NVDA>が4%超に買われたのをはじめ半導体関連に買いが集まり全体相場を牽引、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も大幅上昇し25日移動平均線を再び上回ってきた。これを受け、東京市場でも相対的に出遅れる同関連株に買いを呼び込んだ。寄り付きはオプションSQ算出に絡みややイレギュラーな値動きを示す銘柄もみられるが、外国為替市場では円安基調が継続するなど追い風環境が意識されやすい。

    ■JMDC <4483>  3,296円  +93 円 (+2.9%)  本日終値
     JMDC<4483>が反発。この日朝方、慢性腎臓病の進行速度を予測する「腎機能悪化スピード予測アルゴリズム」の研究開発を行い、同アルゴリズムを活用した実装システムの特許を取得したと発表した。今後、自治体や健康保険組合の保健事業への展開の準備を進めていくという。これが材料視されたようだ。


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