2024年3月19日 13時30分
S&P500 月例レポート ― 史上初の大台突破、輝くエヌビディア (2) ―
●主なポイント
○2月も2023年および2024年1月の相場上昇の流れが続き、マグニフィセント・セブン銘柄が引き続き(一様ではないものの)先導役となり、S&P500指数 は初めて5000の大台を突破すると、さらに一時5100台も超えました。S&P500指数は1月の6回に続き、2月も過去最高値を8回更新しました。2024年2月までの18週でS&P500指数は23.77%上昇しましたが(過去18週のうち16週で前週末比上昇を記録)、好調な決算結果と明るいガイダンス、金融政策が利上げから利下げに転換したこと(現在、利下げ開始時期は3月でなく6月とみられています)もあり、市場のトーンはエヌビディア<NVDA>の決算発表を受けて変化しました。(2024年2月21日の)取引時間終了後に発表された決算は市場予想を大きく上回り(利益は前年同期比407%増、売上高は同265%増)、ガイダンスは成長持続を示し、市場はエヌビディアの成長を受けてAI銘柄(全般)に買いの対象を広げ、非テクノロジー銘柄の増産(増産のために設備投資を拡大)も織り込み始めました。エヌビディアは決算発表翌日の1日で16%上昇し(時価総額は過去最高の2730億ドル増)、年初来では59.8%上昇しました。また、市場全体はこの日に2.11%上昇して最高値を更新し、市場に「熱狂」が戻ってきました。
○2月の主なデータ
⇒2月の株式市場は上昇と最高値の更新が続き(5.17%上昇)、終値での過去最高値で月を終え、4ヵ月連続の上昇となりました(1月は1.59%上昇、昨年12月は4.42%上昇、11月は8.92%上昇)。4ヵ月累計では21.52%上昇しました。10月以前の3ヵ月間は連続で下落し(10月は2.20%下落、9月は4.87%下落、8月は1.77%下落して、3ヵ月累計では8.61%下落)、それ以前は5ヵ月連続で上昇していました(累計で15.59%上昇)。
→2月は20営業日のうち13営業日で上昇し、11セクターすべてが上昇しました(1月は5セクターが上昇)。値上がり銘柄数は351銘柄、値下がり銘柄数は151銘柄となり、値上がり銘柄数が増加して値下がり銘柄数を上回りました(1月は値上がり銘柄数が224銘柄、値下がり銘柄数が279銘柄でした)。2月の出来高は前月比4%増、前年同月比では3%減となりました。
→2月は11セクターすべてが上昇しました。1月は5セクターが上昇していました。2月のパフォーマンスが最高となったのは一般消費財で、8.60%上昇しました(年初来では4.74%上昇、2021年末比では7.79%下落)。パフォーマンスが最低だったのは公益事業で、0.53%の上昇でした(同2.55%下落、同13.75%下落)。
⇒S&P500指数は2月に5.17%上昇して、5096.27で月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス5.34%)。1月は4845.65で月を終え、1.59%上昇しました(同プラス1.68%)。12月は4769.83で月を終え、4.42%上昇しました(同プラス4.54%)。年初来では6.84%上昇(同プラス7.11%)、過去1年間では28.36%上昇しました(同プラス30.45%)。2023年通年は24.23%の上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%の下落でした(同マイナス18.11%)。
→2024年2月にS&P500指数は過去最高値を8回更新しました(終値での最高値は5096.27)。終値で初めて5000を突破し、日中最高値は5111.06を記録しましたが、終値では5100に届きませんでした。
→コロナ危機前の2020年2月19日の高値からは50.50%の上昇(同プラス60.64%)となっています。
○米国10年国債利回りは1月末の3.93%から4.26%に上昇して月を終えました(2023年末は3.88%、2022年末は3.88%、2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は 2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは1月末の4.17%から4.39%に上昇して取引を終えました(同4.04%、同3.97%、同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。
○英ポンドは1月末の1ポンド=1.2681ドルから1.2625ドルに下落し(同1.2742ドル、同1.2099ドル、同1.3525ドル、同1.3673ドル、同1.3253ドル、同1.2754ドル、同1.3498ドル)、ユーロは1月末の1ユーロ=1.0813ドルから1.0807ドルに下落しました(同1.0838ドル、同1.0703ドル、同1.1379ドル、同1.2182ドル、同1.1172ドル、同1.1461ドル、同1.2000ドル)。円は1月末の1ドル=146.95円から149.95円に下落し(同141.02円、同132.21円、同115.08円、同103.24円、同108.76円、同109.58円、同112.68円)、人民元は1月末の1ドル=7.0997元から7.1880元に下落しました(同7.1132元、同6.9683元、同6.3599元、同6.6994元、同6.9633元、同6.8785元、同6.5030元)。
○2月末の原油価格は3.4%上昇し、1月末の1バレル=75.77ドルから同78.31ドルとなりました(2023年末は同71.31ドル、2022年末は同80.45ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は2月に4.7%上昇しました(現在1ガロン=3.365ドル、1月末は3.214ドル、2023年末は同3.238ドル、2022年末は同3.203ドル、2021年末は同3.375ドル)。2020年末から原油価格は61.7%上昇し(2020年末は1バレル=48.42ドル)、ガソリン価格は44.4%上昇しました(2020年末は1ガロン=2.330ドル)。
⇒2024年1月時点のEIAの報告によると、ガソリン価格の内訳は、57%が原油、16%が販売・マーケティング費、11%が精製コスト、そして17%が税金となっています。
○金価格は1月末の1トロイオンス=2057.80ドルから下落し2052.20ドルで2月の取引を終えました(2023年末は2073.60ドル、2022年末は1829.80ドル、2021年末は1901.60ドル、2020年末は1520.00ドル、2019年末は1284.70ドル、2018年末は1305.00ドル)。
○VIX恐怖指数は1月末の14.45から13.40に下落して1月を終えました。月中の最高は17.94、最低は12.69でした(2022年末は21.67、2021年末は17.22、2020年末は22.75、2019年末は13.78、2018年末は16.12)。
⇒同指数の2023年の最高は30.81、最低は11.81でした。
⇒同指数の2022年の最高は38.89、最低は16.34でした。
⇒同指数の2021年の最高は37.51、最低は14.10でした。
⇒同指数の2020年の最高は85.47、最低は11.75でした。
○S&P500指数に対する市場関係者の1年後の目標値は3ヵ月連続で上昇し、現在値から9.5%上昇の5582となっています(1月時点では9.0%上昇の5280、12月時点では5122)。それ以前は、9ヵ月連続の低下から11ヵ月連続の上昇を経て、2023年11月まで2ヵ月連続で低下していました。ダウ平均の目標株価も3ヵ月連続の上昇から2ヵ月連続の低下を経て、2月は3ヵ月連続で上昇し、現在値から8.5%上昇の4万2300ドルとなっています(1月時点では7.4%上昇の4万0955ドル、12月時点では3万9445ドル)。
※「史上初の大台突破、輝くエヌビディア (3)」へ続く
株探ニュース
○2月も2023年および2024年1月の相場上昇の流れが続き、マグニフィセント・セブン銘柄が引き続き(一様ではないものの)先導役となり、S&P500指数 は初めて5000の大台を突破すると、さらに一時5100台も超えました。S&P500指数は1月の6回に続き、2月も過去最高値を8回更新しました。2024年2月までの18週でS&P500指数は23.77%上昇しましたが(過去18週のうち16週で前週末比上昇を記録)、好調な決算結果と明るいガイダンス、金融政策が利上げから利下げに転換したこと(現在、利下げ開始時期は3月でなく6月とみられています)もあり、市場のトーンはエヌビディア<NVDA>の決算発表を受けて変化しました。(2024年2月21日の)取引時間終了後に発表された決算は市場予想を大きく上回り(利益は前年同期比407%増、売上高は同265%増)、ガイダンスは成長持続を示し、市場はエヌビディアの成長を受けてAI銘柄(全般)に買いの対象を広げ、非テクノロジー銘柄の増産(増産のために設備投資を拡大)も織り込み始めました。エヌビディアは決算発表翌日の1日で16%上昇し(時価総額は過去最高の2730億ドル増)、年初来では59.8%上昇しました。また、市場全体はこの日に2.11%上昇して最高値を更新し、市場に「熱狂」が戻ってきました。
○2月の主なデータ
⇒2月の株式市場は上昇と最高値の更新が続き(5.17%上昇)、終値での過去最高値で月を終え、4ヵ月連続の上昇となりました(1月は1.59%上昇、昨年12月は4.42%上昇、11月は8.92%上昇)。4ヵ月累計では21.52%上昇しました。10月以前の3ヵ月間は連続で下落し(10月は2.20%下落、9月は4.87%下落、8月は1.77%下落して、3ヵ月累計では8.61%下落)、それ以前は5ヵ月連続で上昇していました(累計で15.59%上昇)。
→2月は20営業日のうち13営業日で上昇し、11セクターすべてが上昇しました(1月は5セクターが上昇)。値上がり銘柄数は351銘柄、値下がり銘柄数は151銘柄となり、値上がり銘柄数が増加して値下がり銘柄数を上回りました(1月は値上がり銘柄数が224銘柄、値下がり銘柄数が279銘柄でした)。2月の出来高は前月比4%増、前年同月比では3%減となりました。
→2月は11セクターすべてが上昇しました。1月は5セクターが上昇していました。2月のパフォーマンスが最高となったのは一般消費財で、8.60%上昇しました(年初来では4.74%上昇、2021年末比では7.79%下落)。パフォーマンスが最低だったのは公益事業で、0.53%の上昇でした(同2.55%下落、同13.75%下落)。
⇒S&P500指数は2月に5.17%上昇して、5096.27で月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス5.34%)。1月は4845.65で月を終え、1.59%上昇しました(同プラス1.68%)。12月は4769.83で月を終え、4.42%上昇しました(同プラス4.54%)。年初来では6.84%上昇(同プラス7.11%)、過去1年間では28.36%上昇しました(同プラス30.45%)。2023年通年は24.23%の上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%の下落でした(同マイナス18.11%)。
→2024年2月にS&P500指数は過去最高値を8回更新しました(終値での最高値は5096.27)。終値で初めて5000を突破し、日中最高値は5111.06を記録しましたが、終値では5100に届きませんでした。
→コロナ危機前の2020年2月19日の高値からは50.50%の上昇(同プラス60.64%)となっています。
○米国10年国債利回りは1月末の3.93%から4.26%に上昇して月を終えました(2023年末は3.88%、2022年末は3.88%、2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は 2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは1月末の4.17%から4.39%に上昇して取引を終えました(同4.04%、同3.97%、同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。
○英ポンドは1月末の1ポンド=1.2681ドルから1.2625ドルに下落し(同1.2742ドル、同1.2099ドル、同1.3525ドル、同1.3673ドル、同1.3253ドル、同1.2754ドル、同1.3498ドル)、ユーロは1月末の1ユーロ=1.0813ドルから1.0807ドルに下落しました(同1.0838ドル、同1.0703ドル、同1.1379ドル、同1.2182ドル、同1.1172ドル、同1.1461ドル、同1.2000ドル)。円は1月末の1ドル=146.95円から149.95円に下落し(同141.02円、同132.21円、同115.08円、同103.24円、同108.76円、同109.58円、同112.68円)、人民元は1月末の1ドル=7.0997元から7.1880元に下落しました(同7.1132元、同6.9683元、同6.3599元、同6.6994元、同6.9633元、同6.8785元、同6.5030元)。
○2月末の原油価格は3.4%上昇し、1月末の1バレル=75.77ドルから同78.31ドルとなりました(2023年末は同71.31ドル、2022年末は同80.45ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は2月に4.7%上昇しました(現在1ガロン=3.365ドル、1月末は3.214ドル、2023年末は同3.238ドル、2022年末は同3.203ドル、2021年末は同3.375ドル)。2020年末から原油価格は61.7%上昇し(2020年末は1バレル=48.42ドル)、ガソリン価格は44.4%上昇しました(2020年末は1ガロン=2.330ドル)。
⇒2024年1月時点のEIAの報告によると、ガソリン価格の内訳は、57%が原油、16%が販売・マーケティング費、11%が精製コスト、そして17%が税金となっています。
○金価格は1月末の1トロイオンス=2057.80ドルから下落し2052.20ドルで2月の取引を終えました(2023年末は2073.60ドル、2022年末は1829.80ドル、2021年末は1901.60ドル、2020年末は1520.00ドル、2019年末は1284.70ドル、2018年末は1305.00ドル)。
○VIX恐怖指数は1月末の14.45から13.40に下落して1月を終えました。月中の最高は17.94、最低は12.69でした(2022年末は21.67、2021年末は17.22、2020年末は22.75、2019年末は13.78、2018年末は16.12)。
⇒同指数の2023年の最高は30.81、最低は11.81でした。
⇒同指数の2022年の最高は38.89、最低は16.34でした。
⇒同指数の2021年の最高は37.51、最低は14.10でした。
⇒同指数の2020年の最高は85.47、最低は11.75でした。
○S&P500指数に対する市場関係者の1年後の目標値は3ヵ月連続で上昇し、現在値から9.5%上昇の5582となっています(1月時点では9.0%上昇の5280、12月時点では5122)。それ以前は、9ヵ月連続の低下から11ヵ月連続の上昇を経て、2023年11月まで2ヵ月連続で低下していました。ダウ平均の目標株価も3ヵ月連続の上昇から2ヵ月連続の低下を経て、2月は3ヵ月連続で上昇し、現在値から8.5%上昇の4万2300ドルとなっています(1月時点では7.4%上昇の4万0955ドル、12月時点では3万9445ドル)。
※「史上初の大台突破、輝くエヌビディア (3)」へ続く
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