2024年3月8日 8時11分
株価指数先物【寄り前】 金利差を狙ったポジションを巻き戻す動きには警戒
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 39530 +170 (+0.43%)
TOPIX先物 2699.0 -0.5 (-0.01%)
シカゴ日経平均先物 39530 +170
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は上院銀行委員会での議会証言で、利下げをできる時期は「そう遠くない」との見解を示した。欧州中央銀行(ECB)理事会では予想通り政策金利が据え置かれ、ラガルド総裁は6月に政策緩和を行う可能性を匂わせたことで、世界的な利下げ期待から買い優勢の展開となった。エヌビディア<NVDA>が4%を超える上昇で最高値を更新したほか、マイクロン・テクノロジー<MU>など半導体株が買われ、SOX指数は3%を超える上昇となった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、メディア、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、電気通信サービス、各種金融、銀行が下落。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比170円高の3万9530円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比130円安の3万9230円で始まり、一時3万8920円まで下落幅を広げる場面も見られた。売り一巡後は買い戻され、3万9140円~3万9280円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の開始後にレンジを切り上げて上昇に転じると、終盤にかけては3万9500円~3万9630円辺りでの保ち合いが続き、3万9530円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い優勢から始まることになりそうである。昨日はロング優勢で始まった後に、ショートが強まる形で大きく下げており、ボリンジャーバンドの+1σ水準まで下落した。ナイトセッションで+1σを割り込み、売り一巡後に切り返す形とはなったものの、+1σが位置する3万9480円水準では強弱感が対立しやすいだろう。
また、米国市場ではFRBによる年内の利下げ期待のほか、欧州においても利下げに対する思惑が強まるなかで、ハイテク株を中心に買われた。この流れから指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均株価をけん引することになりそうだ。前日の大幅な下落に対する自律反発狙いのロングも入りやすいと考えられる。
ただし、昨日の下落については、日銀の金融政策正常化への思惑から為替市場で1ドル=148円台と円高に振れたことがトリガーとなり、アルゴリズム発動によるショートが強まった。さらに、3月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を前に、権利行使価格を大きく切り下げたことで、ヘッジ対応に伴うショートの動きが膨れたとみられる。
SQ通過で需給状況が改善されるものの、米欧の利下げ期待に対して、日本の金融政策正常化への思惑によって金利差を狙ったポジションを巻き戻す動きが意識されやすい。SQ値が心理的な抵抗線として意識されてくるようだと、短期的にショートを仕掛けてくる動きが入りやすいだろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万9500円を挟んだ、3万9125円から3万9875円辺りでのレンジを想定しておきたい。ただし、海外投資家の日本株に対する買い意欲は依然として強いと考えられるため、押し目狙いのロング対応との見方は継続する。まずは+1σ水準での底堅さを見極めたいところである。
VIX指数は14.44(前日は14.50)に低下した。14.69に位置している200日移動平均線を上回って始まったが、その後は同線を下回り、一時14.25まで下げる場面も見られた。米雇用統計の発表を控えていることから積極的な売買は手控えられやすいものの、パウエルFRB議長の議会証言を通過し、ショートカバーに向かわせる可能性がありそうだ。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.53倍に低下した。14.72倍に上昇して始まったが、同水準に位置する+1σに上値を抑えられるなか、日経平均型のショートが強まったことから、一気に14.52倍辺りで推移する25日移動平均線水準まで下げた。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買われるなか、NTロングに向かわせやすいところだろう。
株探ニュース
日経225先物 39530 +170 (+0.43%)
TOPIX先物 2699.0 -0.5 (-0.01%)
シカゴ日経平均先物 39530 +170
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は上院銀行委員会での議会証言で、利下げをできる時期は「そう遠くない」との見解を示した。欧州中央銀行(ECB)理事会では予想通り政策金利が据え置かれ、ラガルド総裁は6月に政策緩和を行う可能性を匂わせたことで、世界的な利下げ期待から買い優勢の展開となった。エヌビディア<NVDA>が4%を超える上昇で最高値を更新したほか、マイクロン・テクノロジー<MU>など半導体株が買われ、SOX指数は3%を超える上昇となった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、メディア、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、電気通信サービス、各種金融、銀行が下落。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比170円高の3万9530円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比130円安の3万9230円で始まり、一時3万8920円まで下落幅を広げる場面も見られた。売り一巡後は買い戻され、3万9140円~3万9280円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の開始後にレンジを切り上げて上昇に転じると、終盤にかけては3万9500円~3万9630円辺りでの保ち合いが続き、3万9530円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い優勢から始まることになりそうである。昨日はロング優勢で始まった後に、ショートが強まる形で大きく下げており、ボリンジャーバンドの+1σ水準まで下落した。ナイトセッションで+1σを割り込み、売り一巡後に切り返す形とはなったものの、+1σが位置する3万9480円水準では強弱感が対立しやすいだろう。
また、米国市場ではFRBによる年内の利下げ期待のほか、欧州においても利下げに対する思惑が強まるなかで、ハイテク株を中心に買われた。この流れから指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均株価をけん引することになりそうだ。前日の大幅な下落に対する自律反発狙いのロングも入りやすいと考えられる。
ただし、昨日の下落については、日銀の金融政策正常化への思惑から為替市場で1ドル=148円台と円高に振れたことがトリガーとなり、アルゴリズム発動によるショートが強まった。さらに、3月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を前に、権利行使価格を大きく切り下げたことで、ヘッジ対応に伴うショートの動きが膨れたとみられる。
SQ通過で需給状況が改善されるものの、米欧の利下げ期待に対して、日本の金融政策正常化への思惑によって金利差を狙ったポジションを巻き戻す動きが意識されやすい。SQ値が心理的な抵抗線として意識されてくるようだと、短期的にショートを仕掛けてくる動きが入りやすいだろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万9500円を挟んだ、3万9125円から3万9875円辺りでのレンジを想定しておきたい。ただし、海外投資家の日本株に対する買い意欲は依然として強いと考えられるため、押し目狙いのロング対応との見方は継続する。まずは+1σ水準での底堅さを見極めたいところである。
VIX指数は14.44(前日は14.50)に低下した。14.69に位置している200日移動平均線を上回って始まったが、その後は同線を下回り、一時14.25まで下げる場面も見られた。米雇用統計の発表を控えていることから積極的な売買は手控えられやすいものの、パウエルFRB議長の議会証言を通過し、ショートカバーに向かわせる可能性がありそうだ。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.53倍に低下した。14.72倍に上昇して始まったが、同水準に位置する+1σに上値を抑えられるなか、日経平均型のショートが強まったことから、一気に14.52倍辺りで推移する25日移動平均線水準まで下げた。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買われるなか、NTロングに向かわせやすいところだろう。
株探ニュース