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    2025年10月31日 8時03分

    株価指数先物【寄り前】 3連休前も東京エレクトロンの動向次第でロングを誘う

    大阪12月限ナイトセッション
    日経225先物 51540 +80 (+0.15%)
    TOPIX先物 3326.5 +16.5 (+0.49%) 
    シカゴ日経平均先物 51330 -130
    (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

     30日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。四半期決算を発表したマイクロソフト<MSFT>が売られ、NYダウの重荷になった。売上高は市場予想を上回ったが、前期を大きく超える設備投資計画に対して、人工知能(AI)関連の投資が収益を圧迫する可能性が意識された。また、メタプラットフォームズ<META>も決算とあわせて発表した強気の設備投資計画が収益を圧迫すると受け止められ、11%超の下落となるなかで、ハイテク株を中心に売りが広がった。

     S&P500業種別指数は医薬品、銀行、不動産が上昇した一方で、自動車・同部品、電気通信サービス、小売の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、シスコシステムズ<CSCO>、セールスフォース<CRM>、ウォルト・ディズニー<DIS>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が買われた。半面、マイクロソフトのほか、ボーイング<BA>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が軟調。

     シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比130円安の5万1330円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比90円高の5万1550円で始まった。直後に5万1880円まで買われた後はロング解消の動きとなり、米国市場の取引開始後には5万1390円まで下げた。直後に5万1800円まで切り返す場面もあったものの、買い一巡後は5万1500円~5万1650円辺りでの保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを下抜けて5万1300円まで売られる場面もあったが、引け間際にロングが入る形でプラス圏を回復し、5万1540円でナイトセッションの取引を終えた。

     シカゴ先物は下落して終えているが、米国市場の取引終了後に決算を発表したアマゾン・ドット・コムは、一株利益が市場予想を上回ったとして時間外取引で大きく買われていることで、ショートを仕掛けにくくさせそうだ。日経225先物は上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σは5万2280円まで切り上がってきており、オプション権利行使価格の5万1500円を中心とした上下の権利行使価格となる、5万1000円から5万2000円辺りでのレンジが意識されそうである。

     3連休前であるほか、引け後には東京エレクトロン<8035>[東証P]やレーザーテック<6920>[東証P]の決算を控えていることから、持ち高調整に伴うロング解消が入りやすいだろう。ただ、アドバンテスト<6857>[東証P]に続いて前日にはレーザーテックがストップ高をつけるなど、半導体やAI関連株への物色が目立っている。

     パッシブファンドなどは指数への連動性を高めるために、他の銘柄を売却して半導体に振り向けているとみられ、この流れが一気に反転するとは考えにくく、決算を控えた東京エレクトロンが引き続き強い値動きをみせてくるようだと、先物市場においてロングを誘うことになろう。なお、昨夕決算を発表したところでは、京セラ<6971>[東証P]が2026年3月期の業績予想を上方修正した。

     日経225先物は5万1500円処での底固めを意識しつつ、利食いの動きが強まる局面では、押し目待ち狙いのロング対応は継続しておきたい。ナイトセッションで5万1880円まで買われる場面もみられており、投資家心理としては+2σ水準を意識しているだろう。

     30日の米VIX指数は16.91(29日は16.92)と小幅に低下した。一時17.41に上昇する場面もみられたが、25日移動平均線(17.84)が抵抗線として機能している。ボトム圏での推移を続けており、リスク選好に向かわせやすいとみられる。

     昨日のNT倍率は先物中心限月で15.54倍に低下した。前日には一時15.69倍まで切り上がり、+2σ(15.54倍)を明確に上抜けたことで、いったんはNTロングを巻き戻す動きが意識されやすい面はあると考えられる。ただし、明確にNTショートへの転換は考えにくいところだろう。

    株探ニュース