2024年6月19日 11時17分
「バフェット前」に売ろうと思った三菱商事を、ガチホ継続で億り人に
すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 キャプテンさんの場合
■キャプテンさん(ハンドルネーム・60代・男性)のプロフィール:
数年前に定年退職し、以降、株式投資に本腰を入れ始める。転機は2023年。資産残高は前年比40%増、そして24年は春先までに+56%となり、億り人の称号を得ることに成功した。とはいえ、常に順風満帆とはいかず、退職直後は退職金を仮想通貨につぎ込み、総額500万円以上を溶かす。またサブスクリプション型英語学習サービスのプログリット<9560>で突然のストップ安に巻き込まれて700万円以上も含み益を削られたイタい経験もある。趣味は小型船舶やスノーボード、海外旅行など。「株探-個人投資家大調査-2024」の回答者で、投資スタイルは「配当・株主優待重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
・「本コラム」の記事一覧を見る
昨年(2023年)に+40%、今年前半に+56%と、大きくリターンを伸ばして億り人になったのが、今回登場のキャプテンさん(ハンドルネーム)だ。
定年退職した現在は、40歳代から始めた小型船舶で自身の船を持つのを楽しみに、株式投資に精を出している。船も投資も油断すると致命傷を負いかねないリスクはある一方で、想定通りに事が運んだ時にはこの上ない爽快感に包まれる点で共通しているという。
船の操縦で欠かせないのが、「風向き」の変化を読むこと。「これは株式投資も同じ」と、キャプテンさんが銘柄選びで注力しているのが、世界情勢や社会トレンドの変化の風を受けるのか。
そんな株式市場という大海原を突き進んでいく水先案内人として、キャプテンさんが今注視しているのが三菱商事<8058>とエヌビディア<NVDA>だ。
今は、昼間は日本株、夜はアメ株と日米二刀流で、バリューとグロースの両方を狙うバーベル戦略を取る。このやり方で、リターンを稼ぐようになったのは、ある決断があったという。
バフェット効果の20年以上前から投資
キャプテンさんを億り人に押し上げたのが、三菱商事だ。同社株について、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャーハサウェイ<BRK.B>が同社を始めとする5大商社株の保有を明らかにしたのは2020年8月。だが、キャプテンさんは三菱商を、その20年以上前から、コツコツと買い集めてきた。
仕事の関係で、同社には優秀な人材が集まっていることを肌感覚で認識していたことから、同社の潜在的な成長力に期待して保有し始めた。
転機になったのは18年。それまで同社株は大きく値を上げたり、反落したりしていた中で、ガチホしていたものの、18年頃にいったん利確を考えた。同社株を保有する知り合いの中にも手放す人がいたこともあり、心が揺らいだ。
だが、その"誘惑"に負けず、ガチホ貫徹を決めたことが、20年からのバフェット・カタリスト(株価変動のきっかけ)の追い風を存分に受けることに成功した。
■三菱商の月足チャート(2000年~)
とはいえバフェット効果で同社株のモメンタム(騰勢)が強まってからも、迷いが生じた。株価の上昇がそれまでの商事株には見られなかった強さだったからだ。
「これだけ上昇したのだから、そろそろ手放してもいいのではないか」。そうした思いが何度も頭の中をよぎったが、その都度、ガチホ継続で決着を付けてきた。
それができたのは、なぜなのか。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
取材・文/真弓重孝(株探編集部)、福島由恵(ライター)
イラスト:福島由恵
数年前に定年退職し、以降、株式投資に本腰を入れ始める。転機は2023年。資産残高は前年比40%増、そして24年は春先までに+56%となり、億り人の称号を得ることに成功した。とはいえ、常に順風満帆とはいかず、退職直後は退職金を仮想通貨につぎ込み、総額500万円以上を溶かす。またサブスクリプション型英語学習サービスのプログリット<9560>で突然のストップ安に巻き込まれて700万円以上も含み益を削られたイタい経験もある。趣味は小型船舶やスノーボード、海外旅行など。「株探-個人投資家大調査-2024」の回答者で、投資スタイルは「配当・株主優待重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
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昨年(2023年)に+40%、今年前半に+56%と、大きくリターンを伸ばして億り人になったのが、今回登場のキャプテンさん(ハンドルネーム)だ。
定年退職した現在は、40歳代から始めた小型船舶で自身の船を持つのを楽しみに、株式投資に精を出している。船も投資も油断すると致命傷を負いかねないリスクはある一方で、想定通りに事が運んだ時にはこの上ない爽快感に包まれる点で共通しているという。
船の操縦で欠かせないのが、「風向き」の変化を読むこと。「これは株式投資も同じ」と、キャプテンさんが銘柄選びで注力しているのが、世界情勢や社会トレンドの変化の風を受けるのか。
そんな株式市場という大海原を突き進んでいく水先案内人として、キャプテンさんが今注視しているのが三菱商事<8058>とエヌビディア<NVDA>だ。
今は、昼間は日本株、夜はアメ株と日米二刀流で、バリューとグロースの両方を狙うバーベル戦略を取る。このやり方で、リターンを稼ぐようになったのは、ある決断があったという。
バフェット効果の20年以上前から投資
キャプテンさんを億り人に押し上げたのが、三菱商事だ。同社株について、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャーハサウェイ<BRK.B>が同社を始めとする5大商社株の保有を明らかにしたのは2020年8月。だが、キャプテンさんは三菱商を、その20年以上前から、コツコツと買い集めてきた。
仕事の関係で、同社には優秀な人材が集まっていることを肌感覚で認識していたことから、同社の潜在的な成長力に期待して保有し始めた。
転機になったのは18年。それまで同社株は大きく値を上げたり、反落したりしていた中で、ガチホしていたものの、18年頃にいったん利確を考えた。同社株を保有する知り合いの中にも手放す人がいたこともあり、心が揺らいだ。
だが、その"誘惑"に負けず、ガチホ貫徹を決めたことが、20年からのバフェット・カタリスト(株価変動のきっかけ)の追い風を存分に受けることに成功した。
■三菱商の月足チャート(2000年~)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
とはいえバフェット効果で同社株のモメンタム(騰勢)が強まってからも、迷いが生じた。株価の上昇がそれまでの商事株には見られなかった強さだったからだ。
「これだけ上昇したのだから、そろそろ手放してもいいのではないか」。そうした思いが何度も頭の中をよぎったが、その都度、ガチホ継続で決着を付けてきた。
それができたのは、なぜなのか。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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