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    2026年3月2日 16時35分

    マーケット&北陸経済動向(03/02)【今村証券アナリストレポート】

    (1)マーケット動向

     日本の株式市場は活況が続いている。1月に3000円近く(6%)上昇した日経平均株価は、2月も一段高となり6万円到達が視野に入る。2月8日の衆院選で自民党が大勝したことで高市早苗首相の成長戦略に期待した買いが入ったうえ、日銀の早期の利上げ観測の後退によって外国為替市場で円安が進行したことも追い風となった。海外投資家は衆院選後に大幅に株式を買い越し、1週間(2月第2週)で1兆2323億円(現物)を買い越した。年初からは6週連続の買い越しとなり、その累計額は3.8兆円にのぼる。高い支持率を維持する高市政権に対して、市場は「アベノミクスの再来」とし、さらなる海外投資家の資金流入を期待する声も聞かれる。

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     日本株の上昇を支えるのは高市政権への期待だけではない。日本企業の業績が堅調なことも相場の支えとなっている。上場企業の2025年4~12月期決算では純利益が前年同期比6%増益と3年連続で過去最高を更新、3社に1社が最高益となった。業績見通しを上方修正する企業も相次ぎ、2026年3月期業績見通しは従来の減益見通しから一転して増益見通しとなり、5年連続での最高益更新が見込まれる。

     足元でインフレ率が鈍化していることも投資家心理にプラスに働く。1月の消費者物価指数は総合で前年同月比1.5%上昇と、3年10カ月ぶりに2%を下回った。実質賃金がプラス圏となることが視野に入り、個人消費の拡大が期待されるうえ、日銀の利上げ観測後退につながっている。低金利のもと、緩やかな経済成長が続くゴルディロックス(適温経済)相場の継続が期待され、日本株には先高観が根強い。

     一方、米国の株式市場はやや上値が重い。日本株との連動性が高いといわれる米ナスダック総合株価指数は昨年末比でマイナス圏に沈む。そもそも米ハイテク株には割高感が強かったことに加え、巨大テック企業による人工知能(AI)投資が過剰ではないかとの懸念や、ソフトウェア関連がAIに代替される「SaaSの死」に対する懸念が上値を重くしている。トランプ米大統領の関税政策などに不透明感が強いことも米株式市場から投資マネーが流出する要因となっているようだ。日本でもソフトウェアに対する懸念はあるものの、AI投資に不可欠な半導体材料や半導体製造装置、データセンター向けの光配線部材などの資機材といったハード面での供給能力の高さが日本市場を優位に立たせている。

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     先高観が強い日本株だが、これにブレーキをかけるとすれば、規律を欠いた財政政策を背景にした金利急騰やインフレの加速、であろうか。2022年に英国で起きた「トラスショック*」が警戒される。円安進行によるインフレ圧力にも注意が必要で、日銀や米連邦準備制度理事会(FRB)など金融当局の姿勢も注視したい。

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     なお、米大手投資ファンド、ブルー・アウル・キャピタル<OBDC>が2月18日に解約請求の受け付けを停止したことは記憶にとどめたい。ファンドの解約停止で思い起こされるのは、仏大手銀行BNPパリバ系列のファンドが解約を凍結した時のことだ。サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)に投資していたBNPパリバ系列のファンドが2007年8月にファンドの解約を凍結、翌2008年9月には米リーマン・ブラザーズがサブプライムローンによる多額の損失発生で破綻した。米国に端を発した金融恐慌は、日本では「リーマン・ショック」と呼ばれ、日本経済や日本企業に大きな影響を及ぼした。当時と今回では投融資対象などが異なるが、投資家心理が悪化すれば相場が一気に崩れかねないことには留意したい。

     急ピッチな株価上昇によって日本株には過熱感が強い。米連邦最高裁がトランプ政権の相互関税などを違憲と判断したことを受けて、トランプ氏が新たな関税政策を打ち出す可能性もあり、当面の市場はややボラティリティの高い相場展開となりそうだ。

     注目材料は引き続きAI関連と考える。殊に機械やロボットなどにAIを実装する「フィジカルAI」や「AIエージェント」などAIを活用したサービスに注目したい。出遅れ感の強い中小型株に資金が回れば、相場の息は長そうだ。

    *トラスショック:2022年9月に英国のトラス首相が大規模な減税や国債の増発などの経済対策を打ち出したことをきっかけに英国金融市場が混乱したことを指す。


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    (2)北陸経済動向

     足元の北陸経済は緩やかな回復・持ち直し基調にあるものの、一部に弱めの動きもみられる。

     堅調なのは「個人消費」だ。12月の商業動態統計小売6業態販売額(全店ベース)は前年同月比2.8%増と46カ月連続で前年同月を上回った。家電大型専門店やホームセンターは暖房用品、防寒衣料、除雪用品の売れ行きが低調だった。一方でスーパーが物価上昇で販売額を増やしたほか、ドラッグストアは新規出店効果が続いた。「設備投資」も堅調で、能力増強や新規事業向け、省力化投資が盛んだ。

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     「生産」は弱めの動きが続いている。12月の鉱工業生産指数(速報値・季節調整済)は前月比0.7%増と3カ月ぶりに上昇したとはいえ、低水準にとどまる。生産用機械工業が同8.9%減と大きく低下し、低下は4カ月連続となった。海外向けが弱く、中部経済産業局は生産用機械工業の判断を「足踏み状態」から「弱い動き」へ下方修正した。また「住宅投資」については、日銀が判断を「持ち直しの動きが一服している」から「弱めの動きとなっている」へ引き下げた。12月の新築住宅着工戸数は前年同月比4.7%減となり、9カ月連続で前年同月を下回った。

     先行きについては、緩やかな景気回復が続くと期待される。ただ、トランプリスクや日中対立への警戒感、為替、国内物価の動向などには注意したい。

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    (参照:日銀金沢支店発表資料「北陸の金融経済月報」、「北陸短観」、国土交通省発表資料、経済産業省及び経済産業省中部経済産業局発表資料、財務省北陸財務局発表資料、内閣府発表資料より今村証券作成)



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    今村証券より提供されたレポートを掲載しています。



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