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    2025年11月6日 23時37分

    クアルコム、好決算も下落 期待値が高過ぎたとの指摘=米国株個別

    (NY時間09:35)(日本時間23:35)
    クアルコム<QCOM> 175.26(-4.46 -2.48%)

     携帯用半導体のクアルコム<QCOM>が下落。前日引け後に7-9月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。第1四半期のガイダンスも公表し、予想を上回る見通しを示している。同社は、米国の税制変更により57億ドルの評価損を計上した。

     同社は声明で「アップル<AAPL>を除けば、QCT全体の売上高は18%増となり、自動車およびIoTの売上高は通期で27%増加した。われわれ、自動運転スタックの提供開始やデータセンター、高度ロボティクス分野への拡大など、事業のモメンタムに非常に期待している」と述べた。

     好調な決算ではあったものの、株価は冴えない反応。直近数週間で株価が上昇していたこともあり、期待値が高過ぎたとの指摘が出ている。

     同社は10月末にエヌビディア<NVDA>のデータセンター支配に挑戦するAIチップの新ラインアップを発表。初出荷は来年予定で、サウジ政府が支援するAIスタートアップ「ヒューメイン」が最初の顧客となる。

     また、スマートフォン市場ではアップルが自社製モデムへ移行することで競争激化が懸念される一方、米中首脳による通商合意により、中国当局による同社への独禁法調査の終結が合意されるなど、地政学的リスクの一部が緩和している。

     アナリストからはポジティブな見解が多い。「第3四半期および第4四半期の見通しにおいて、主要指標すべてで予想を上回った。これは、アップル向けの市場シェア拡大とフラッグシップ端末構成の改善、AI用PCの立ち上がり、堅調なアンドロイド端末の投入、そしてIoT分野の総合的な強さを反映している」とのコメントも出ている。

    (7-9月・第4四半期)
    ・1株利益(調整後):3.00ドル(予想:2.88ドル)
    ・売上高(調整後):112.7億ドル 10%増(予想:107.7億ドル)
      QCT:98.2億ドル 13%増(予想:93.5億ドル)
        携帯端末:69.6億ドル 14%増(予想:66.5億ドル)
        IoT:18.1億ドル 7.4%増(予想:16.9億ドル)
        自動車:10.5億ドル 17%増(予想:10.2億ドル)
      QTL:14.1億ドル 7.4%減(予想:13.6億ドル)
    ・営業利益(調整後):38.1億ドル(予想:36.5億ドル)
    ・設備投資:11.9億ドル(予想:11.8億ドル)

    (10-12月・第1四半期見通し)
    ・1株利益(調整後):3.30~3.50ドル(予想:3.26ドル)
    ・売上高:118~126億ドル(予想:115.9億ドル)
      QCT:103~109億ドル(予想:101億ドル)
      QTL:14~16億ドル(予想:14.8億ドル)

    MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

    株探ニュース