●システムサポートホールディングス <4396> [東証Ｐ] レーティング：OUTPERFORM（2025/2/19）→　OUTPERFORM ◆ITに特化した技術者集団 ◆今期からの3年間は1割強の増収増益が続く見通し ◆クラウド分野が成長を牽引

◆ITに特化した技術者集団

顧客企業の情報システムの企画から開発、運用・保守をワンストップで提供するシステム開発会社。メーカーの垣根を越えた独立系である強みを活かし、米オラクル（Oracle）<ORCL>、独SAP<SAP>、米アマゾン（Amazon）<AMZN>、米マイクロソフト（Microsoft）<MSFT>などの世界的な企業とパートナーになり、技術者の育成、ノウハウの蓄積に取り組む。顧客・社会のDX（デジタルトランスフォーメーション。ITを活用したビジネスモデルの変革や、それに伴う業務、組織、企業文化などの変革）推進の基盤として市場が拡大しているクラウド分野に重点を置き、取引先に応じた提案を行うことで基幹系システム開発領域まで拡大させていく戦略をとる。

◆今期からの3年間は1割強の増収増益が続く見通し

前期（2025年6月期）の売上高は前の期比22％増、営業利益は同32％増だった。買収（MultiNet International、コミュニケーション・プランニング）による押し上げを除いても売上高は同2割弱、営業利益は同2割ほど伸びた模様で、高成長を遂げた（資料１、出所：決算補足説明資料・リリース）（資料２、出所：リリース）。今期（2026年6月期）会社予想については、1年前に開示した計画から売上高を32億円強、営業利益を2億円強引き上げた。買収（エコー・システム）効果に加えて、既存事業の好調も見込んでおり、買収効果を除いた今期の増収率は13％程度、営業増益率は15％程度とみられる。また中期経営計画において、来期（2027年6月期）から2年間は増収率が年率12％、営業増益率が同15％になるとし、今後も堅調な業績拡大が続く見通しだ。

（資料１） 売上高・営業利益の推移

（注） ～21.6期と22.6期～はセグメント区分が異なる
26.6期（計画）～28.6期（中計）のセグメント別売上高はリリース・取材を基にした今村証券予想

（資料２） M&A実績（2024～2025年）


◆クラウド分野が成長を牽引

業績拡大を牽引しているのは、クラウド分野だ。前期のクラウドインテグレーション事業の増収率は34％、営業増益率は32％だった（資料３、出所：決算補足説明資料）。今期から3年は年率2割程度の増収を見込んでいるようだ。

（資料３） クラウドインテグレーション事業の売上高・利益の推移

（注） ～21.6期と22.6期～はセグメント区分が異なる
26.6期（計画）～28.6期（中計）のセグメント別売上高はリリース・取材を基にした今村証券予想

この事業の強みには、クラウドサービスで高いシェアを有するAWS（Amazon Web Services）やMicrosoft Azure、Google Cloudなどのそれぞれで多くの技術者を有し、近年需要が高まっているマルチクラウド（複数クラウドを適材適所で利用）に対応できることが挙げられ、国内クラウド市場の拡大を上回るペースで成長してきた。足元では、セキュリティを確保した環境で生成AIを活用するニーズの高まりに応えたサービスの提供も受注獲得に寄与しているほか、顧客がクラウドサービスに移行した後のリセール（ライセンス等の再販）も積み上がっている。引き続き積極的な新卒採用とキャリア採用、既存技術者のクラウド分野へのスキルチェンジの推進により、受注拡大につなげていく方針だ。

◆投資判断はOUTPERFORM継続

今村証券では、今期業績を売上高325億円（前期比+20.6％）、営業利益28億円（同+26.2％）と予想する。会社予想を若干上回る予想で、クラウド分野の好調を見込んだ。来期予想に関しては、売上高370億円（今期今村証券予想比+13.8％）、営業利益32億5000万円（同+16.1％）とし、中期経営計画（売上高356億9400万円、営業利益30億8900万円）を上回るとみた。配当金については、会社は「累進配当（原則として減配せず、配当の維持・増配を行う配当政策）を継続するとともに、業績や利益に応じて配当水準の向上を図る」方針であり、今期の配当金は会社予想比+2円の62円（前期比+12円）、来期は今期今村証券予想比+10円の72円を予想する。

株価は今月7日に上場来高値（株式分割考慮後）となる3,085円を付けた。今期、来期の業績予想を踏まえ、投資判断は「OUTPERFORM」を継続する。

【レーティングの定義】 OUTPERFORM：今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10％超上回ると予想される。 NEUTRAL：今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10％と-10％の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM：今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10％超下回ると予想される。 トータルリターン：株価変動率＋配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。

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※今村証券より提供されたレポートを掲載しています。

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