2025年5月30日 5時31分
ダウ平均は反発 2つの出来事がムード押し上げ 関税差し止めとエヌビディア=米国株概況
NY株式29日(NY時間16:21)(日本時間05:21)
ダウ平均 42215.73(+117.03 +0.28%)
S&P500 5912.17(+23.62 +0.40%)
ナスダック 19175.87(+74.93 +0.39%)
CME日経平均先物 37925(大証終比:-485 -1.28%)
きょうのNY株式市場、ダウ平均は反発。前日付近での一進一退が続いていたが、終盤に上げ幅を伸ばした。IT・ハイテク株も買われ、ナスダックも上昇。2つの出来事が楽観的になりつつある米株式市場のムードを押し上げていた。米裁判所がトランプ関税を違法と判断したこと、そして前日引け後のエヌビディア<NVDA>の決算。
米国際貿易裁判所はトランプ政権が発動した相互関税や10%の一律関税などについて、措置の根拠とした法律によって大統領の越権行為として差し止めを命じた。差し止めが命じられたのはトランプ関税のうち「IEEPA=国際緊急経済権限法」を根拠にした措置で、相互関税や10%の一律関税、それに薬物を理由とした中国やメキシコ、カナダへの追加関税が含まれる。
ただ、これについてエコノミストからは、トランプ政権には代替手段があり、遅れるかもしれないが、貿易相手国にとっては最終結果は同じとの指摘も出ていた。裁判所を含めた政治的混乱による米資産離れの可能性も指摘されている。
一方、エヌビディア<NVDA>の決算は、AIチップを扱うデータセンター部門の売上高が予想を下回るなど、これまでのような異常なほどの強さは無かった印象だが、5-7月期(第2四半期)の売上高見通しについて、対中輸出制限などによる80億ドルの売上減を反映させた割には力強いとの見方を市場はしているようだ。市場は今回の見通しを、次世代チップ「ブラックウェル」の生産拡大を示唆したものとも受け止めている。ブラックウェルに関しては、今回の決算の最注目点の1つではあった。
エヌビディアの決算を受けて、他の半導体株も上昇し、IT・ハイテク株の上昇をけん引した。
セールスフォース<CRM>が下落。前日引け後に2-4月期決算(第1四半期)を発表し、AIエージェント製品の業績寄与が本格化する兆しが見えて来たとし、好調な内容ではあったものの、株価は上値の重い展開。インフォマティカ買収に関する実行リスクが指摘されている。
HP<HPQ>が決算を受け下落。1株利益が予想を下回ったほか、通期の1株利益の見通しも下方修正した。景気減速や中国からの輸入品に対する関税によるコスト増が要因。
セキュリティ・プラットフォーム開発のセンチネルワン<S>が決算を受け大幅安。年ベース経常収益(ARR)は予想を下回っている点やガイダンスも嫌気。
化粧品のelfビューティー<ELF>が大幅高。前日引け後に1-3月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。同社は、ヘイリー・ビーバーの美容ブランド「ロード」を8億ドルで買収することに合意したと発表。買収後3年間のブランド成長に基づき、最大2億ドルの追加報酬が支払われる可能性も付与されている。
ソフトウエア開発を手掛けるヴィーバ・システムズ<VEEV>が決算を受け大幅高。1株利益、売上高とも予想を上回った。ガイダンスも公表し、通期の見通しを上方修正している。
ライフサイエンスや応用化学分野の研究に用いる機器・ソフトウェアを手掛けるアジレント・テクノロジー<A>が決算を受け上昇。通期の売上高見通しも上方修正している。
家電量販店のベスト・バイ<BBY>が決算を受け下落。既存店売上高は予想以上の減収となったほか、売上高も予想を下回った。ガイダンスも公表し、通期の見通しを下方修正していた。
発電システムのGEベルノバ<GEV>が下落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げた。
配車サービスのウーバー・テクノロジーズ<UBER>が下落。テスラ<TSLA>のマスクCEOが、同社が最近、オースティンの公道で自動運転車の「モデルY」のテスト走行を行っていることを認めたことが嫌気された。
AIアプリケーション開発のC3・ai<AI>が大幅高。決算発表の際に、同社とベーカー・ヒューズ<BKR>が2028年6月までのJV契約を更新および拡大したことも公表した。
セールスフォース<CRM> 266.92(-9.11 -3.30%)
HP<HPQ> 24.95(-2.25 -8.27%)
ヴィーバ・システムズ<VEEV> 279.04(+44.55 +19.00%)
センチネルワン<S> 17.39(-2.28 -11.59%)
elfビューティー<ELF> 111.84(+21.34 +23.58%)
アジレント<A> 113.28(+2.40 +2.16%)
ベスト・バイ<BBY> 66.32(-5.20 -7.27%)
GEベルノバ<GEV> 471.17(-13.84 -2.85%)
ウーバー<UBER> 84.30(-3.96 -4.49%)
C3・ai<AI> 27.80(+4.78 +20.76%)
アップル<AAPL> 199.95(-0.47 -0.23%)
マイクロソフト<MSFT> 458.68(+1.32 +0.29%)
アマゾン<AMZN> 205.70(+0.98 +0.48%)
アルファベットC<GOOG> 172.96(-0.42 -0.24%)
アルファベットA<GOOGL> 171.86(-0.50 -0.29%)
テスラ<TSLA> 358.43(+1.53 +0.43%)
エヌビディア<NVDA> 139.19(+4.38 +3.25%)
メタ<META> 645.05(+1.47 +0.23%)
AMD<AMD> 113.03(+0.17 +0.15%)
イーライリリー<LLY> 722.57(+3.18 +0.44%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
ダウ平均 42215.73(+117.03 +0.28%)
S&P500 5912.17(+23.62 +0.40%)
ナスダック 19175.87(+74.93 +0.39%)
CME日経平均先物 37925(大証終比:-485 -1.28%)
きょうのNY株式市場、ダウ平均は反発。前日付近での一進一退が続いていたが、終盤に上げ幅を伸ばした。IT・ハイテク株も買われ、ナスダックも上昇。2つの出来事が楽観的になりつつある米株式市場のムードを押し上げていた。米裁判所がトランプ関税を違法と判断したこと、そして前日引け後のエヌビディア<NVDA>の決算。
米国際貿易裁判所はトランプ政権が発動した相互関税や10%の一律関税などについて、措置の根拠とした法律によって大統領の越権行為として差し止めを命じた。差し止めが命じられたのはトランプ関税のうち「IEEPA=国際緊急経済権限法」を根拠にした措置で、相互関税や10%の一律関税、それに薬物を理由とした中国やメキシコ、カナダへの追加関税が含まれる。
ただ、これについてエコノミストからは、トランプ政権には代替手段があり、遅れるかもしれないが、貿易相手国にとっては最終結果は同じとの指摘も出ていた。裁判所を含めた政治的混乱による米資産離れの可能性も指摘されている。
一方、エヌビディア<NVDA>の決算は、AIチップを扱うデータセンター部門の売上高が予想を下回るなど、これまでのような異常なほどの強さは無かった印象だが、5-7月期(第2四半期)の売上高見通しについて、対中輸出制限などによる80億ドルの売上減を反映させた割には力強いとの見方を市場はしているようだ。市場は今回の見通しを、次世代チップ「ブラックウェル」の生産拡大を示唆したものとも受け止めている。ブラックウェルに関しては、今回の決算の最注目点の1つではあった。
エヌビディアの決算を受けて、他の半導体株も上昇し、IT・ハイテク株の上昇をけん引した。
セールスフォース<CRM>が下落。前日引け後に2-4月期決算(第1四半期)を発表し、AIエージェント製品の業績寄与が本格化する兆しが見えて来たとし、好調な内容ではあったものの、株価は上値の重い展開。インフォマティカ買収に関する実行リスクが指摘されている。
HP<HPQ>が決算を受け下落。1株利益が予想を下回ったほか、通期の1株利益の見通しも下方修正した。景気減速や中国からの輸入品に対する関税によるコスト増が要因。
セキュリティ・プラットフォーム開発のセンチネルワン<S>が決算を受け大幅安。年ベース経常収益(ARR)は予想を下回っている点やガイダンスも嫌気。
化粧品のelfビューティー<ELF>が大幅高。前日引け後に1-3月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。同社は、ヘイリー・ビーバーの美容ブランド「ロード」を8億ドルで買収することに合意したと発表。買収後3年間のブランド成長に基づき、最大2億ドルの追加報酬が支払われる可能性も付与されている。
ソフトウエア開発を手掛けるヴィーバ・システムズ<VEEV>が決算を受け大幅高。1株利益、売上高とも予想を上回った。ガイダンスも公表し、通期の見通しを上方修正している。
ライフサイエンスや応用化学分野の研究に用いる機器・ソフトウェアを手掛けるアジレント・テクノロジー<A>が決算を受け上昇。通期の売上高見通しも上方修正している。
家電量販店のベスト・バイ<BBY>が決算を受け下落。既存店売上高は予想以上の減収となったほか、売上高も予想を下回った。ガイダンスも公表し、通期の見通しを下方修正していた。
発電システムのGEベルノバ<GEV>が下落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げた。
配車サービスのウーバー・テクノロジーズ<UBER>が下落。テスラ<TSLA>のマスクCEOが、同社が最近、オースティンの公道で自動運転車の「モデルY」のテスト走行を行っていることを認めたことが嫌気された。
AIアプリケーション開発のC3・ai<AI>が大幅高。決算発表の際に、同社とベーカー・ヒューズ<BKR>が2028年6月までのJV契約を更新および拡大したことも公表した。
セールスフォース<CRM> 266.92(-9.11 -3.30%)
HP<HPQ> 24.95(-2.25 -8.27%)
ヴィーバ・システムズ<VEEV> 279.04(+44.55 +19.00%)
センチネルワン<S> 17.39(-2.28 -11.59%)
elfビューティー<ELF> 111.84(+21.34 +23.58%)
アジレント<A> 113.28(+2.40 +2.16%)
ベスト・バイ<BBY> 66.32(-5.20 -7.27%)
GEベルノバ<GEV> 471.17(-13.84 -2.85%)
ウーバー<UBER> 84.30(-3.96 -4.49%)
C3・ai<AI> 27.80(+4.78 +20.76%)
アップル<AAPL> 199.95(-0.47 -0.23%)
マイクロソフト<MSFT> 458.68(+1.32 +0.29%)
アマゾン<AMZN> 205.70(+0.98 +0.48%)
アルファベットC<GOOG> 172.96(-0.42 -0.24%)
アルファベットA<GOOGL> 171.86(-0.50 -0.29%)
テスラ<TSLA> 358.43(+1.53 +0.43%)
エヌビディア<NVDA> 139.19(+4.38 +3.25%)
メタ<META> 645.05(+1.47 +0.23%)
AMD<AMD> 113.03(+0.17 +0.15%)
イーライリリー<LLY> 722.57(+3.18 +0.44%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美