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    2023年6月30日 5時01分

    ダウ平均は本日高値圏での推移 大手銀株が上昇=米国株後半

    NY株式29日(NY時間15:50)
    ダウ平均   34084.52(+231.86 +0.68%)
    ナスダック   13575.26(-16.49 -0.12%)
    CME日経平均先物 33205(大証終比:+25 +0.08%)

     NY時間の終盤に入って、ダウ平均は231ドル高と本日高値圏での推移が続いている。きょうのNY株式市場でダウ平均は反発。市場はFRBの利上げ継続姿勢をやり過ごし、代わりに堅調な企業業績に注目。半導体メモリーのマイクロン<MU>が前日引け後に決算を発表し、予想を上回る第4四半期の売上高見通しを示したほか、メモリー業界の底打ちにも言及した。ただ、アナリストの評価は分かれており、マイクロン株は下落しているものの、全体のムードは高めた模様。なお、月末期末に絡んでIT・ハイテク株は利益確定売りがきょうも先行している。

     また、大手銀行株の上げがサポートしている。FRBが前日引け後にストレステストの結果を公表し、米大手銀はすべて合格し、3月の米地銀の破綻で落ち込んだ金融セクターへの信頼感が高まったことが示された。株主還元への道が開けたことも好感されているが、すぐには配当や自社株買いにはつながらない可能性もある。新たな自己資本規制が明確になるまで、多くの大手銀が発表を控えると予告している。今年の審査基準は3月の地銀混乱の前に発表されている。

     パウエルFRB議長は前日のECBフォーラムで年内に少なくとも2回の利上げが必要だと述べていた。想定通りもしくはそれ以上にタカ派色を強調していたが、株式市場はやり過ごしている。4月上旬以来、米経済指標のサプライズの度合いが強まっており、FRBは7月に追加利上げを実施する勢いだ。市場も約85%の確率で見ている。パウエルFRB議長は前日のECBフォーラムで、あと2回の追加利上げの可能性を示唆していたが、9月以降の追加利上げに関しては市場も確証を持てない状況のようだ。半々といったところ。7月26日のFOMCから9月20日のFOMCまで、米雇用統計、米消費者物価指数(CPI)とも2回発表されることから、その結果を確認したい意向が市場では強いものと見られる。

     一部からは、「われわれは綱引きを見ている。市場はFRBの発言を受け入れていない。パウエル議長の発言でさえ、株式市場のセンチメントを大きく揺さぶるには至っていない。特にIT・ハイテク株やAI関連企業の業績見通しが劇的に悪化しない限り、市場の楽観姿勢が消えるのを見るのは難しいだろう」との声も出ていた。

     依然として米経済はリセッション(景気後退)に向かうというのが市場のコンセンサスだが、現在では、景気後退は懸念されていたよりも深刻なものにはならないとの楽観的な見方が広まっている状況。しかし、「FRB、経済指標、AIの話、すべてがうまく行かないと、ここからの上値追いは難しい。S&P500はすでに、ほぼ完璧な着地点を想定した値付けになっており、何か問題があれば下落につながる可能性がある」との声も聞かれる。

     バイオ医薬品のバイオエクセル・セラピューティクス<BTAI>が急落。アルツハイマー病に関連した興奮状態を治療するための治験薬の臨床試験において、治験責任医師がメールのやり取りを捏造していたことが発覚した。

     サイバーセキュリティのブラックベリー<BB>が決算を受け大幅高。1株利益が予想外の黒字となったほか、売上高が予想を大きく上回った。

     リチウムイオン電池のフレイル・バッテリー<FREY>が大幅高。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を13ドルに設定した。

     空飛ぶタクシーのジョビー・アビエーション<JOBY>が大幅高。韓国の通信会社SKテレコムが両社の提携拡大の一環として同社事業に1億ドルを投資すると発表した。

     家庭用品のオンライン販売のオーバーストック<OSTK>が大幅高。同社はベッド・バス&ビヨンドの破産手続きで落札者に選ばれたが、同社は米国とカナダでベッド・バス&ビヨンドのオンライン販売を再開する予定だと発表した。

     バイオ医薬品のシギロン・セラピューティクス<SGTX>が433%急騰。医薬品のイーライリリー<LLY>が最大126.56ドルでの買収を可能にする提案で合意した。

     バイオ医薬品のイミュノーム<IMNM>が大幅高。モルフィミューン社との合併合意と、標的がん治療薬開発のための1億2500万ドルの第三者割当増資を同時に発表した。

     特殊医薬品のダームテック<DMTK>が大幅高。メラノーマ検査を優先させるためのリストラ策として、従業員の約15%を削減する計画を発表した。

     ソフトウエア開発のコンセントリクス<CNXC>が決算を受け続落。今回の決算を受けてアナリストが投資判断を「中立」に引き下げた。

    バイオエクセル<BTAI> 6.37(-11.30 -63.95%)
    ブラックベリー<BB> 5.33(+0.32 +6.39%)
    フレイル<FREY> 9.11(+1.56 +20.66%)
    ジョビー・アビエーション<JOBY> 9.95(+0.99 +10.99%)
    シギロン<SGTX> 20.97(+17.04 +433.46%)
    オーバーストック<OSTK> 30.53(+4.99 +19.56%)
    イミュノーム<IMNM> 7.68(+1.77 +29.95%)
    ダームテック<DMTK> 2.60(+0.36 +16.07%)
    コンセントリックス<CNXC> 79.36(-4.12 -4.94%)

    JPモルガン<JPM> 143.28(+4.69 +3.38%)
    シティグループ<C> 46.29(+0.06 +0.13%)
    バンカメ<BAC> 28.69(+0.62 +2.19%)
    ウェルズ・ファーゴ<WFC> 42.43(+1.81 +4.44%)
    ゴールドマン<GS> 322.56(+8.90 +2.84%)
    モルガン・スタンレー<MS> 85.09(+1.10 +1.31%)

    アップル<AAPL> 189.39(+0.14 +0.07%)
    マイクロソフト<MSFT> 334.60(-1.25 -0.37%)
    アマゾン<AMZN> 127.88(-1.16 -0.90%)
    アルファベットC<GOOG> 119.79(-1.29 -1.07%)
    テスラ<TSLA> 256.55(+0.31 +0.12%)
    メタ・プラットフォームズ<META> 281.63(-3.66 -1.28%)
    AMD<AMD> 111.03(+0.86 +0.78%)
    エヌビディア<NVDA> 407.91(-3.26 -0.79%)

    MINKABU PRESS編集部 野沢卓美