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    2025年6月5日 22時42分

    金融株に弱さの兆候との指摘も=米国株個別

     アナリストから金融株に弱さの兆候が出ているとの指摘が出ている。トランプ政権下で恩恵を期待されていたセクターの1つが金融株が、実際には一部に恩恵が現れつつはあるものの、足元では冷え込み始めており、弱含みの兆候が出ている。金融株は年初来ではS&P500をまだアウトパフォームしているが、その差はここ数週間で縮小している。

     金融株は4月にピークをつけて以降、徐々に下落しているが、特に懸念されるのは資本市場関連銘柄だという。資本市場関連銘柄に特化したSPDR S&Pキャピタル・マーケットETF<KCE>は過去6営業日のうち5営業日下落しており、テクニカル指標の一つも売りシグナルが点灯している。このETFは5月中旬以降から下落傾向にある。

     興味深いことに、金融株が苦戦している一方で、IPO市場は回復の兆しを見せており、トランプ関税の不透明感にもかかわらず、M&Aの活動も持ち直してきている。また、同ETFにはウォール街の有力金融機関だけでなく、ロビンフッド<HOOD>やコインベース<COIN>といったネット証券や暗号資産(仮想通貨)関連株も含まれている。

     理論的には暗号資産の規制緩和によって恩恵を受けるはずで、昨年11月の大統領選挙後には、このセクターに強気な見方が広がった。しかし、最近のパフォーマンス低下は、好材料がすでに株価に織り込まれ、むしろポジティブなニュースが出た際には利益確定売りが出ている可能性が示唆されているという。

     ウェルズ・ファーゴ<WFC>がその一例だという。今週火曜日にFRBが同銀に対する資産規模の上限撤廃を決定し、同銀は成長余地が広がるとされた。しかし、水曜日の株価は、その日の朝こそ上昇したが、結局、上げを維持できずに終えている。2月の年初来高値からも大きく下落した水準にあり、FRBの資産上限を撤廃にもかかわらず、ウェルズ・ファーゴ株は年初来高値を下回って推移している状況。

     これらを踏まえると、現時点で金融セクターは魅力的なセクターとは言えないようだと述べている。

    MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

    株探ニュース